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第十九話
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(どうして……どうなっているの?)
いまだ尚先生の腕の中で、私の頭は混乱を極めていた。
尚先生を前にして、さんざん私のことをけなしていた佑さんの様子が途中で変化したのには驚いた。
最初は元カノである私のことを辛辣に詰っていた。
それなのに、なぜか急に態度を変えたのだろう。
先ほどまでは傲慢な態度の佑さんだったが、「で、では。これで」と逃げるようにして他のお友達と一緒に去ってしまった。
そのことにも驚いたが、私が一番驚いたのは尚先生のことだ。
先生はどうして佑さんのフルネームを知っていたのだろう。
私が佑さんを見つけて青ざめているのを見たあと、尚先生は遠目に見えた佑さんの顔を見て眉間に皺を寄せて怖い形相になっていた。
あれは、やっぱり佑さんのことを知っていたからなのだろう。
それに尚先生は、私が佑さんと別れた理由も知っている素振りをみせていた。
これは一体どういうことなのだろう。考えても考えてもわからない。
尚先生の腕の中で固まり続ける私に、尚先生はいつもの優しい笑みを浮かべていた。
先ほど佑さんと対峙していたときの怖い表情が嘘みたいだ。
しかし、尚先生の静かな怒りは感じていた。それは最後の言葉に含まれていたように思う。
『二度と珠美を呼び捨てにするな。いいか、二度とだ』
穏やかで柔らかい物腰の尚先生ではなかった。厳しい声と表情で、佑さんに対して怒りを見せていた。
初めて見た尚先生が怒る顔。それも私のために怒ってくれている。それがとてもとても嬉しかった。
目にいっぱいの涙が溢れてくる。だが、不安が過ぎり涙がピタリと止まった。
(やっぱり私には恋愛は無理なのかな……)
佑さんと再会したことで昔の古傷が痛み出す。恋愛臆病症だ。
もうあんなに辛くて痛い思いをしたくない。そんな感情が私の中に流れ込んでくる。
再び心の蓋を閉じたい、そう思った瞬間、尚先生が私の顔を覗き込んできた。
「怖い思いをさせてしまいましたね。大丈夫ですよ、珠美さん」
「尚先生……」
色々聞きたいことはある。言い出したら止まらないほどだ。だけど――――
「珠美さん?」
無言のまま、ゆっくりと尚先生の腕の中から出る。
尚先生が私のことを心配してくれているのはわかる。
尚先生が私のことを好きだって言ってくれることも、結婚を視野に入れているなんてとんでもないことを言ってくれることも、すごく嬉しかった。
私、きっと尚先生に恋をしていると思う。
佑さんに暴言を浴びせられたとき、尚先生が助けてくれて本当に嬉しかった。とっても嬉しかったんだ……だけど。
私は尚先生を見上げ、無理してほほ笑んだ。
涙が頬を伝うのがわかるけど、私はあえて笑顔を向けた。
「尚先生、ありがとうございました」
尚先生が息を呑んだのがわかった。だけど、私は笑顔を浮かべたまま続ける。
「彼も言っていたのでわかっちゃったと思いますけど、あの人と昔付き合っていたんです。尚先生はどうして私が彼に振られたか知っているんですよね?」
二人のやりとりを見て、さすがに気が付いた。
尚先生は私が三年前佑さんに酷く振らたことを知っている様子だ。
たぶんだが、佑さんにどんな女かということも聞いているはずだ。
「あのですね、珠美さん」
尚先生が私を止めようとしたが、首を大きく横に何度も振った。
「尚先生に知られたくなかった!」
「落ち着きなさい、珠美さん」
「男の人に面倒くさい女だって、尻軽女だって言われたんですよ。そんな過去、尚先生に知られたくなかった! 尚先生が好きなのに……どうして、こんな!」
どうしてなんだろう。尚先生のことが好きになった途端、こんなことになるだなんて。
私はやっぱりリアル恋愛をするべきじゃないのだろう。
また前みたいに脳内妄想恋愛機で恋をすればいい。そうすれば胸の痛みも、辛さも無縁で生きていける。
でも、戻れるだろうか。
(ううん、戻れない。だって私は知ってしまった)
尚先生の大きな手、腕の中の温かさ。耳元で囁く優しくてセクシーな声。
私の脳内妄想恋愛機では到底味わうことができない胸の高鳴り……
それを手放せと言われて素直にできない私がいた。
「先生のせいです。私、もう前みたに戻れない」
グスグス泣く私の頭を掻き抱いて、尚先生は優しく呟いた。
「戻らなくていいんですよ。今のまま……いいえ、もっと私に近づいてきなさい」
「尚先生?」
涙で滲む視界の先、そこには尚先生の柔らかい笑みがあった。
「珠美さんが言うとおり、私は貴女のことを色々と知っています。情報源は甥っ子の翔や姉さん、うちの両親。そして先ほどの彼、新條佑からも……そして、一番の情報源は貴女ですよ」
「え?」
翔くんや澤田先生ご夫妻が情報源だということは理解できる。それなりに交流があるからだ。
そして、先ほどのやりとりで佑さんと何かしら関係があったということが分かった今、尚先生が佑さんから私のことを聞いたということもあり得るだろう。
だけど、どうして一番の情報源は私だと言うのだろう。
ビックリして目を見開いていると、知らない間に涙が止まってしまった。
「珠美さんは泣いていても可愛いですね」
「な、な、な……っ!」
真っ赤になって狼狽える私に、尚先生は厳しい顔をして佑さんがいなくなった方向を見つめた。
「あの男は自尊心だけは人一番ありそうですからね。だから、珠美さんの魅力に気が付かなかった。それに振り回された珠美さんは気の毒でしたが、私としてはラッキーでした」
「ラッキーって」
どういう意味ですか、と問いかけようとしたのだが、その声は尚先生の唇に奪われてしまった。
「っふ……んん!」
道路を通る人の視線から私を隠すように、尚先生は私をキツく抱きしめてキスを続ける。
苦しくなって口を開けば、ぬるりと生暖かいモノが入ってきた。
これはもしかして、もしかしなくても尚先生の舌なのだろうか。
それを確かめる暇など尚先生は与えてもくれない。
私の口内を余すことなく舌を這わせ、そのたびに感じたことがない甘い痺れが私の身体を駆け巡る。
やっと尚先生が唇を離してくれたときには、私の身体から力が抜けてしまった。
「こうしてしまえば、珠美さんは私から逃げられないでしょう?」
「尚先生っ!」
悪戯が成功したとばかりに喜ぶ尚先生を見て、脱力してしまった。
尚先生からのキスで腰砕けになってしまったから、もう尚先生の腕がないと立ってもいられない。
逃げたくても逃げられない状況が、なんだかものすごく滑稽に感じる。
ため息のひとつでもつきたい心境の私に、尚先生は耳元で囁いた。
それもとてつもなくとんでもないことを……
「こうして貴女にキスばかりしていれば、私の腕から抜け出ることは不可能でしょうし、何より貴女の脳内妄想恋愛機は作動しないでしょう? 作動しなければ、貴女は妄想恋愛をする暇も手立てもない。一石二鳥とはこのことを言うのでしょうね」
「ど、ど、どうして……!!!」
脳内妄想恋愛機のネーミングまで知っているのでしょうか、尚先生。
尚先生と慌てふためく事ばかり起きて、何が何だかわからなくなる。
「この情報源は珠美さん、貴女ですけどね」
「っ!!!」
「私のことが好きだと言った言葉も、しっかりインプットしましたから。今さらですよ」
声にならない叫び声は、再び尚先生の唇に奪われてしまったのだった。
いまだ尚先生の腕の中で、私の頭は混乱を極めていた。
尚先生を前にして、さんざん私のことをけなしていた佑さんの様子が途中で変化したのには驚いた。
最初は元カノである私のことを辛辣に詰っていた。
それなのに、なぜか急に態度を変えたのだろう。
先ほどまでは傲慢な態度の佑さんだったが、「で、では。これで」と逃げるようにして他のお友達と一緒に去ってしまった。
そのことにも驚いたが、私が一番驚いたのは尚先生のことだ。
先生はどうして佑さんのフルネームを知っていたのだろう。
私が佑さんを見つけて青ざめているのを見たあと、尚先生は遠目に見えた佑さんの顔を見て眉間に皺を寄せて怖い形相になっていた。
あれは、やっぱり佑さんのことを知っていたからなのだろう。
それに尚先生は、私が佑さんと別れた理由も知っている素振りをみせていた。
これは一体どういうことなのだろう。考えても考えてもわからない。
尚先生の腕の中で固まり続ける私に、尚先生はいつもの優しい笑みを浮かべていた。
先ほど佑さんと対峙していたときの怖い表情が嘘みたいだ。
しかし、尚先生の静かな怒りは感じていた。それは最後の言葉に含まれていたように思う。
『二度と珠美を呼び捨てにするな。いいか、二度とだ』
穏やかで柔らかい物腰の尚先生ではなかった。厳しい声と表情で、佑さんに対して怒りを見せていた。
初めて見た尚先生が怒る顔。それも私のために怒ってくれている。それがとてもとても嬉しかった。
目にいっぱいの涙が溢れてくる。だが、不安が過ぎり涙がピタリと止まった。
(やっぱり私には恋愛は無理なのかな……)
佑さんと再会したことで昔の古傷が痛み出す。恋愛臆病症だ。
もうあんなに辛くて痛い思いをしたくない。そんな感情が私の中に流れ込んでくる。
再び心の蓋を閉じたい、そう思った瞬間、尚先生が私の顔を覗き込んできた。
「怖い思いをさせてしまいましたね。大丈夫ですよ、珠美さん」
「尚先生……」
色々聞きたいことはある。言い出したら止まらないほどだ。だけど――――
「珠美さん?」
無言のまま、ゆっくりと尚先生の腕の中から出る。
尚先生が私のことを心配してくれているのはわかる。
尚先生が私のことを好きだって言ってくれることも、結婚を視野に入れているなんてとんでもないことを言ってくれることも、すごく嬉しかった。
私、きっと尚先生に恋をしていると思う。
佑さんに暴言を浴びせられたとき、尚先生が助けてくれて本当に嬉しかった。とっても嬉しかったんだ……だけど。
私は尚先生を見上げ、無理してほほ笑んだ。
涙が頬を伝うのがわかるけど、私はあえて笑顔を向けた。
「尚先生、ありがとうございました」
尚先生が息を呑んだのがわかった。だけど、私は笑顔を浮かべたまま続ける。
「彼も言っていたのでわかっちゃったと思いますけど、あの人と昔付き合っていたんです。尚先生はどうして私が彼に振られたか知っているんですよね?」
二人のやりとりを見て、さすがに気が付いた。
尚先生は私が三年前佑さんに酷く振らたことを知っている様子だ。
たぶんだが、佑さんにどんな女かということも聞いているはずだ。
「あのですね、珠美さん」
尚先生が私を止めようとしたが、首を大きく横に何度も振った。
「尚先生に知られたくなかった!」
「落ち着きなさい、珠美さん」
「男の人に面倒くさい女だって、尻軽女だって言われたんですよ。そんな過去、尚先生に知られたくなかった! 尚先生が好きなのに……どうして、こんな!」
どうしてなんだろう。尚先生のことが好きになった途端、こんなことになるだなんて。
私はやっぱりリアル恋愛をするべきじゃないのだろう。
また前みたいに脳内妄想恋愛機で恋をすればいい。そうすれば胸の痛みも、辛さも無縁で生きていける。
でも、戻れるだろうか。
(ううん、戻れない。だって私は知ってしまった)
尚先生の大きな手、腕の中の温かさ。耳元で囁く優しくてセクシーな声。
私の脳内妄想恋愛機では到底味わうことができない胸の高鳴り……
それを手放せと言われて素直にできない私がいた。
「先生のせいです。私、もう前みたに戻れない」
グスグス泣く私の頭を掻き抱いて、尚先生は優しく呟いた。
「戻らなくていいんですよ。今のまま……いいえ、もっと私に近づいてきなさい」
「尚先生?」
涙で滲む視界の先、そこには尚先生の柔らかい笑みがあった。
「珠美さんが言うとおり、私は貴女のことを色々と知っています。情報源は甥っ子の翔や姉さん、うちの両親。そして先ほどの彼、新條佑からも……そして、一番の情報源は貴女ですよ」
「え?」
翔くんや澤田先生ご夫妻が情報源だということは理解できる。それなりに交流があるからだ。
そして、先ほどのやりとりで佑さんと何かしら関係があったということが分かった今、尚先生が佑さんから私のことを聞いたということもあり得るだろう。
だけど、どうして一番の情報源は私だと言うのだろう。
ビックリして目を見開いていると、知らない間に涙が止まってしまった。
「珠美さんは泣いていても可愛いですね」
「な、な、な……っ!」
真っ赤になって狼狽える私に、尚先生は厳しい顔をして佑さんがいなくなった方向を見つめた。
「あの男は自尊心だけは人一番ありそうですからね。だから、珠美さんの魅力に気が付かなかった。それに振り回された珠美さんは気の毒でしたが、私としてはラッキーでした」
「ラッキーって」
どういう意味ですか、と問いかけようとしたのだが、その声は尚先生の唇に奪われてしまった。
「っふ……んん!」
道路を通る人の視線から私を隠すように、尚先生は私をキツく抱きしめてキスを続ける。
苦しくなって口を開けば、ぬるりと生暖かいモノが入ってきた。
これはもしかして、もしかしなくても尚先生の舌なのだろうか。
それを確かめる暇など尚先生は与えてもくれない。
私の口内を余すことなく舌を這わせ、そのたびに感じたことがない甘い痺れが私の身体を駆け巡る。
やっと尚先生が唇を離してくれたときには、私の身体から力が抜けてしまった。
「こうしてしまえば、珠美さんは私から逃げられないでしょう?」
「尚先生っ!」
悪戯が成功したとばかりに喜ぶ尚先生を見て、脱力してしまった。
尚先生からのキスで腰砕けになってしまったから、もう尚先生の腕がないと立ってもいられない。
逃げたくても逃げられない状況が、なんだかものすごく滑稽に感じる。
ため息のひとつでもつきたい心境の私に、尚先生は耳元で囁いた。
それもとてつもなくとんでもないことを……
「こうして貴女にキスばかりしていれば、私の腕から抜け出ることは不可能でしょうし、何より貴女の脳内妄想恋愛機は作動しないでしょう? 作動しなければ、貴女は妄想恋愛をする暇も手立てもない。一石二鳥とはこのことを言うのでしょうね」
「ど、ど、どうして……!!!」
脳内妄想恋愛機のネーミングまで知っているのでしょうか、尚先生。
尚先生と慌てふためく事ばかり起きて、何が何だかわからなくなる。
「この情報源は珠美さん、貴女ですけどね」
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「私のことが好きだと言った言葉も、しっかりインプットしましたから。今さらですよ」
声にならない叫び声は、再び尚先生の唇に奪われてしまったのだった。
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