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第二十一話
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「真剣な顔して相談があるなんて言うから。何事かと思えば。珠美ってば可愛いわよねぇ」
ケタケタと笑うフジコに、私は頬を膨らませた。
そんな私の顔を見て、再び笑うフジコ。全く失礼極まりない。
「フジコが相談役をしてくれるって前に言ってくれたでしょ? だから相談したのに」
「ふふ。ごめんってば、珠美」
「全然心がこもっていない」
ますます拗ねる私を見て、さすがに悪いと思ったのか。フジコは笑い声を引っ込めた。
「で? 妄想恋愛から脱出したはずの珠美が、何を悩んでいるのよ」
「悩みなんてたくさんありすぎて訳が分からない!」
混乱極まっていると泣きつくと、フジコは腕組みをした。
「妄想恋愛になれすぎたのよ、珠美は」
「もう、それは言わないでよ。今さら言っても遅いでしょ?」
佑さんにこっぴどく振られ、心に傷を持った私は一生リアル恋愛をしないと誓っていた。
それでも胸のときめきは欲しいと考えた私がたどり着いたのは、『妄想恋愛』だった。
そして妄想恋愛にどっぷり浸かった三年間。それはもう、脳内妄想を磨き上げたといっても過言ではないほどだ。
そんな私がひょんなことから尚先生に出会い、瞬く間に妄想恋愛を卒業させられ、リアル恋愛に没頭することになってしまった。
「妄想が出来ないほど愛してあげます」と宣言されたとおり、尚先生からの愛の攻撃は凄まじいモノを感じる。
何度「私は超初心者なんですから、お手柔らかに」とお願いするのだけど、尚先生は聞いてもくれない。
「私にとって脳内妄想恋愛機はライバルです。妄想に負けるわけにはいきませんからね」
と、相変わらず爽やかな笑みを浮かべて言うのだ。
ドキドキして、胸がキュンキュンして……妄想恋愛では味わうことができないことを尚先生としている。そのことに嬉しさを隠せない。
だから、尚先生が私の頭の中にある脳内妄想恋愛機に嫉妬して、私に妄想する時間を与えないようにしていること自体は別に困ってなどいない。
むしろ尚先生に愛されていると自覚ができて嬉しいというのが本音である。
だけど、一つだけ……そう、一つだけ困った問題が浮上してきたのだ。
尚先生と付き合い出して早半年。そう、半年が経ったのだ。それなのに……
「あの尚先生のことだから考えがあってのことだと思うわよ」
「その考えって何? どんなに考えてもわからないのよ!」
フジコに悩みを相談しながら私は机に突っ伏した。
何度考えてもわからない。
尚先生はどうして私を抱きしめてくれないのだろう。
あの広い腕の中に閉じ込められて、ギュッと抱きしめてくれたことは何度かある。
だけど、それだけ……。
所謂大人の関係になりきれていない現状だ。
最初のひと月は、まだ恋人になったばかりだしと気にもしなかった。
ふた月目は、そろそろ心の準備をしておいた方がいいのかな、とドキドキしていた。
三か月目は、そりゃもうドキドキしっぱなしだった。だけど、何もなくて肩すかしを食らった形に。
今月こそは、今月こそは。そう思い続けて早半年。
結局一度も押し倒されずじまいなのである。
さすがに内容が内容なだけに、誰にも相談はできないと当初は思っていた。
だけど、これは由々しき事態じゃないかと気が付いた私は、恥ずかしさはそれこそ棚に置いてフジコに相談することにしたのだ。
私の悩みを聞き終えたフジコはとりあえず大笑いをしたが、真剣に私の悩み解決に動き出してくれたようだ。
「それにしても、付き合いだして半年よね」
「そのとおりだよ」
「キスはするのに、それ以上はなしってことよね」
「う、うん」
人にこんなことを話すのはむしょうに恥ずかしい。だけど、フジコになら私の悩みを打ちあけてもいいかなぁと思ったのだ。
だって彼女は恋に生きる女、フジコ。
私の山より高く谷より深い悩みでも、フジコの手に掛かれば的確なアドバイスをくれると思ったのだ。
それなのに、返ってきた答えは思わずガックリと肩を落とすようなものだった。
「そんなの、直接尚先生に聞いてきたら? あ~ら不思議。あっという間に解決、すっきり、さっぱり!」
「それが出来ないから困っているんでしょ!」
茶化していないで教えてよ、とフジコに縋り付いたが、彼女も困ったように首を振った。
「悪い、珠美。これは私にもわからないわ」
「フジコ~」
半泣きの私を見て、フジコは申し訳なさそうに眉を下げた。
「尚先生って読めないのよねぇ……何を考えているのか、さーっぱり。はっきりいって初対面のときから苦手意識があるのよ」
恋愛に生きる女、フジコにここまで言わせる尚先生ってやっぱり凄いのかもしれない。
だけど、ここは何が何でもアドバイスをもらいたい。
プラトニックな関係が悪いってわけじゃない。だけど、私たちはいい大人だ。
付き合いだして半年。さすがに手を出されないというのは大問題な気がする。
「わ、わ、私を抱きたいと思うほど魅力がないとか……?」
こればっかりはどうにもしようがないが、もし魅力がないという理由で尚先生は私を抱かないのなら……あとの結末は別れしか残っていない。
このままでは別れ話を切り出されてしまう。どうしたらいいのかと頭を悩ます私に、フジコは顔の前で手を振った。
「ないない。それだけはない」
「そんなの断言できるの? だって半年だよ。いい大人がこれだけ付き合っていて手を出さないって……私に魅力がないってこと以外思いつかないよ」
泣きべそをかく私に、フジコはフンと鼻で笑う。
「あの尚先生よ。本当は喉から手が出るぐらいに珠美を丸ごと欲しいと思っているだろうし、抱きたいに決まっているわ」
「そう断言できる理由は?」
「尚先生だから」
「答えになってないし!」
再び机に突っ伏す私に、フジコはカラカラと笑う。
「いや、冗談抜きで尚先生に聞くべきよ」
「無理」
「たぶんだけど……尚先生はアンタが行動を起こすのを待っているんじゃないかな?」
「どういうこと?」
顔を上げてフジコを見ると、再び唸りだした。
「尚先生、キチンと実行してくれているんだと思うのよ」
「どういう意味なの、フジコ。全然わからないんだけど」
ますます訳が分からなくなってきた私に、フジコは「そうねぇ……」と妖しくほほ笑む。
これはあんまりいい予感がしない。
顔を引き攣らせる私にフジコはニンマリと笑った。
「よし、その悩み。フジコさまにお任せあれ!」
「えっと、なんだか怖いからいい」
「まあまあ、遠慮せず」
遠慮などしていない、と拒否姿勢を貫く私にフジコはギロリと睨み付けてきた。
「いいこと、珠美。私に相談したのは珠美、アンタよ」
「は、はい!」
フジコの迫力に押され、ブンブンと首を縦に振る。
それを見たフジコは、眼光鋭いまま私に命令をした。
「最後の最後まで面倒を見るわ。わかったわね、珠美!」
「はいぃぃ……」
恐ろしいほどのやる気に満ちたフジコ。彼女を見て、私は不安ばかりが募った。
ケタケタと笑うフジコに、私は頬を膨らませた。
そんな私の顔を見て、再び笑うフジコ。全く失礼極まりない。
「フジコが相談役をしてくれるって前に言ってくれたでしょ? だから相談したのに」
「ふふ。ごめんってば、珠美」
「全然心がこもっていない」
ますます拗ねる私を見て、さすがに悪いと思ったのか。フジコは笑い声を引っ込めた。
「で? 妄想恋愛から脱出したはずの珠美が、何を悩んでいるのよ」
「悩みなんてたくさんありすぎて訳が分からない!」
混乱極まっていると泣きつくと、フジコは腕組みをした。
「妄想恋愛になれすぎたのよ、珠美は」
「もう、それは言わないでよ。今さら言っても遅いでしょ?」
佑さんにこっぴどく振られ、心に傷を持った私は一生リアル恋愛をしないと誓っていた。
それでも胸のときめきは欲しいと考えた私がたどり着いたのは、『妄想恋愛』だった。
そして妄想恋愛にどっぷり浸かった三年間。それはもう、脳内妄想を磨き上げたといっても過言ではないほどだ。
そんな私がひょんなことから尚先生に出会い、瞬く間に妄想恋愛を卒業させられ、リアル恋愛に没頭することになってしまった。
「妄想が出来ないほど愛してあげます」と宣言されたとおり、尚先生からの愛の攻撃は凄まじいモノを感じる。
何度「私は超初心者なんですから、お手柔らかに」とお願いするのだけど、尚先生は聞いてもくれない。
「私にとって脳内妄想恋愛機はライバルです。妄想に負けるわけにはいきませんからね」
と、相変わらず爽やかな笑みを浮かべて言うのだ。
ドキドキして、胸がキュンキュンして……妄想恋愛では味わうことができないことを尚先生としている。そのことに嬉しさを隠せない。
だから、尚先生が私の頭の中にある脳内妄想恋愛機に嫉妬して、私に妄想する時間を与えないようにしていること自体は別に困ってなどいない。
むしろ尚先生に愛されていると自覚ができて嬉しいというのが本音である。
だけど、一つだけ……そう、一つだけ困った問題が浮上してきたのだ。
尚先生と付き合い出して早半年。そう、半年が経ったのだ。それなのに……
「あの尚先生のことだから考えがあってのことだと思うわよ」
「その考えって何? どんなに考えてもわからないのよ!」
フジコに悩みを相談しながら私は机に突っ伏した。
何度考えてもわからない。
尚先生はどうして私を抱きしめてくれないのだろう。
あの広い腕の中に閉じ込められて、ギュッと抱きしめてくれたことは何度かある。
だけど、それだけ……。
所謂大人の関係になりきれていない現状だ。
最初のひと月は、まだ恋人になったばかりだしと気にもしなかった。
ふた月目は、そろそろ心の準備をしておいた方がいいのかな、とドキドキしていた。
三か月目は、そりゃもうドキドキしっぱなしだった。だけど、何もなくて肩すかしを食らった形に。
今月こそは、今月こそは。そう思い続けて早半年。
結局一度も押し倒されずじまいなのである。
さすがに内容が内容なだけに、誰にも相談はできないと当初は思っていた。
だけど、これは由々しき事態じゃないかと気が付いた私は、恥ずかしさはそれこそ棚に置いてフジコに相談することにしたのだ。
私の悩みを聞き終えたフジコはとりあえず大笑いをしたが、真剣に私の悩み解決に動き出してくれたようだ。
「それにしても、付き合いだして半年よね」
「そのとおりだよ」
「キスはするのに、それ以上はなしってことよね」
「う、うん」
人にこんなことを話すのはむしょうに恥ずかしい。だけど、フジコになら私の悩みを打ちあけてもいいかなぁと思ったのだ。
だって彼女は恋に生きる女、フジコ。
私の山より高く谷より深い悩みでも、フジコの手に掛かれば的確なアドバイスをくれると思ったのだ。
それなのに、返ってきた答えは思わずガックリと肩を落とすようなものだった。
「そんなの、直接尚先生に聞いてきたら? あ~ら不思議。あっという間に解決、すっきり、さっぱり!」
「それが出来ないから困っているんでしょ!」
茶化していないで教えてよ、とフジコに縋り付いたが、彼女も困ったように首を振った。
「悪い、珠美。これは私にもわからないわ」
「フジコ~」
半泣きの私を見て、フジコは申し訳なさそうに眉を下げた。
「尚先生って読めないのよねぇ……何を考えているのか、さーっぱり。はっきりいって初対面のときから苦手意識があるのよ」
恋愛に生きる女、フジコにここまで言わせる尚先生ってやっぱり凄いのかもしれない。
だけど、ここは何が何でもアドバイスをもらいたい。
プラトニックな関係が悪いってわけじゃない。だけど、私たちはいい大人だ。
付き合いだして半年。さすがに手を出されないというのは大問題な気がする。
「わ、わ、私を抱きたいと思うほど魅力がないとか……?」
こればっかりはどうにもしようがないが、もし魅力がないという理由で尚先生は私を抱かないのなら……あとの結末は別れしか残っていない。
このままでは別れ話を切り出されてしまう。どうしたらいいのかと頭を悩ます私に、フジコは顔の前で手を振った。
「ないない。それだけはない」
「そんなの断言できるの? だって半年だよ。いい大人がこれだけ付き合っていて手を出さないって……私に魅力がないってこと以外思いつかないよ」
泣きべそをかく私に、フジコはフンと鼻で笑う。
「あの尚先生よ。本当は喉から手が出るぐらいに珠美を丸ごと欲しいと思っているだろうし、抱きたいに決まっているわ」
「そう断言できる理由は?」
「尚先生だから」
「答えになってないし!」
再び机に突っ伏す私に、フジコはカラカラと笑う。
「いや、冗談抜きで尚先生に聞くべきよ」
「無理」
「たぶんだけど……尚先生はアンタが行動を起こすのを待っているんじゃないかな?」
「どういうこと?」
顔を上げてフジコを見ると、再び唸りだした。
「尚先生、キチンと実行してくれているんだと思うのよ」
「どういう意味なの、フジコ。全然わからないんだけど」
ますます訳が分からなくなってきた私に、フジコは「そうねぇ……」と妖しくほほ笑む。
これはあんまりいい予感がしない。
顔を引き攣らせる私にフジコはニンマリと笑った。
「よし、その悩み。フジコさまにお任せあれ!」
「えっと、なんだか怖いからいい」
「まあまあ、遠慮せず」
遠慮などしていない、と拒否姿勢を貫く私にフジコはギロリと睨み付けてきた。
「いいこと、珠美。私に相談したのは珠美、アンタよ」
「は、はい!」
フジコの迫力に押され、ブンブンと首を縦に振る。
それを見たフジコは、眼光鋭いまま私に命令をした。
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