身代わり聖女は「君を孕ますつもりはない」と言われたのに死に戻り王子に溺愛されています

ささゆき細雪

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chapter,2

01. 身代わり聖女は吊るされて《2》

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「やっぱり怯えた顔をしているジゼもかわいい。ずいぶん俺の手でいやらしく啼くようになった」
「だ、だってそれは」
「俺がそういう風に調教したからだ。ジゼを堕落させたかったから」
「子どもを作るつもりはないのに?」

 はだかに銀の鎖がついた手錠と足枷という状態で身動きを封じられ、中途半端な状態で吊るされたヒセラはリシャルトがなぜここまで子作りを拒みながら自分を抱こうとするのか理解できずにいる。これも、身体が弱いジゼルフィアのことを想っての行動なのだろうか?

「不誠実だろうか。聖女を俺だけの色にいやらしく染めて、この大きすぎる魔力を受け止めてもらうだけで充分だ。子どものことは……悪いけど、いまはまだ考えたくない」
「だから、堕落?」
「そう。孕ませるつもりはないけど、こうやって快楽を分かち合いたい。ひどい男だろ」

 自嘲するような彼の言葉に、ヒセラはおや、と首を傾げる。なぜだかリシャルトは聖女を孕ませることを怖がっているみたいだ。それは彼自身が持つ強大な加護のちからが原因となっているのか、それとも別の、彼を恐れさせる何かが……

「――何を考えている?」

 リシャルトにぎゅっと乳首をつねられ、考え事が霧散する。ジゼルフィアが聖女に選ばれた運命は変わらないのだから、ヒセラは彼女の代替品として彼の子を孕むことでしか答えを見いだせない。彼が自分をジゼルフィアとして抱いているのなら、余計なことは口にしない方がいい。たとえ孕ますつもりがないと避妊薬を飲ませて行為に及ぶ日々が続いていても……いまはまだ。

「はぅん」
「君はこれから俺に抱かれることだけを考えていればいい。ほら、もっと俺のところへ堕ちてこい――聖女ジゼルフィア」

 聖女の身代わりとして嫁いだ自分が、役割を放棄させられて快楽に興じることの、なんて滑稽なことか。
 ヒセラはリシャルトに強く望まれ、身体をひらくことを求められ、甘美な責め苦から逃れられずにいる。
 もしかしたら、ヒセラが偽物の聖女だと知っているから、リシャルトはこんな風に自分を弄んでいるのかも――いや、彼に限ってそれはないはず。だって、第一王子リシャルトは“魔女の森”で出逢った幼い日のジゼルフィアへの想いを拗らせて……
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