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奨励賞記念番外編 殺し愛の果て
《3》
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* * *
ホーグは今にも死にそうなか弱いジゼルフィアが持つしたたかさが好きだった。いまの彼女は寿命という枷を外され、一族の使命からも解放され、とても生き生きとしている。これはこれで魅力的だ。
転移している途中、種から芽吹き蕾をつけて花開くさまを何度も何度も見ながら、ホーグは彼女のことを考える。ヒセラと同じ顔をしているのに、どうしてジゼルフィアじゃないとダメなのだろう。考えたところで答えは出てこない。
「ジゼ」
「なんでしょうか?」
「時の狭間で君を抱いたら、どんな魔法が使えるだろう」
そう言って無防備なジゼルフィアを押し倒す。ミルクティ色の髪がみどりの草原にはらりと舞う。押し倒されたジゼルフィアは目をまるくしてホーグを睨みつけている。
「ちょっとホーグ?」
「ああやっぱり、僕は君じゃないとダメなんだ」
ジゼルフィアを手に入れるためなら世界を滅ぼしても構わないと、冥界に封じられていた妖精王の悪妻マヒエラと取引をして魔物を操れる能力を手に入れた。軍事政権下にあった花鳥公国のトップを殺し、魔物に国を乗っ取らせ、隣国にいるジゼルフィアを奪おうと戦争を仕掛けた。虚弱体質な彼女はリシャルト王子の子を孕んだことでさらに弱っていたが、ホーグと対峙した際に全力でぶつかってくれた。そのときにはこと切れていたけれど、魂の抜けた彼女に欲情しきっていた身体は止められなかった。
「こらっ」
「ふふ。ジゼの身体を気遣わないで好きなことできるのってなんかいいね」
「そんなこと言って、わたしが死んでも抱き続けていたのはどこのどなた?」
「あのときは必死だったんだ」
――いまも必死だけどね。
時の狭間にいる自分たちは一時的に肉体の時間が止まっている。転移した先でふたたびふたりの時間は動き出す。そうなったとき、ジゼルフィアは元のように病弱な女性に戻ってしまうかもしれない。だったらいまのうちにけして死ぬことのない彼女を堪能したい。
ホーグは今にも死にそうなか弱いジゼルフィアが持つしたたかさが好きだった。いまの彼女は寿命という枷を外され、一族の使命からも解放され、とても生き生きとしている。これはこれで魅力的だ。
転移している途中、種から芽吹き蕾をつけて花開くさまを何度も何度も見ながら、ホーグは彼女のことを考える。ヒセラと同じ顔をしているのに、どうしてジゼルフィアじゃないとダメなのだろう。考えたところで答えは出てこない。
「ジゼ」
「なんでしょうか?」
「時の狭間で君を抱いたら、どんな魔法が使えるだろう」
そう言って無防備なジゼルフィアを押し倒す。ミルクティ色の髪がみどりの草原にはらりと舞う。押し倒されたジゼルフィアは目をまるくしてホーグを睨みつけている。
「ちょっとホーグ?」
「ああやっぱり、僕は君じゃないとダメなんだ」
ジゼルフィアを手に入れるためなら世界を滅ぼしても構わないと、冥界に封じられていた妖精王の悪妻マヒエラと取引をして魔物を操れる能力を手に入れた。軍事政権下にあった花鳥公国のトップを殺し、魔物に国を乗っ取らせ、隣国にいるジゼルフィアを奪おうと戦争を仕掛けた。虚弱体質な彼女はリシャルト王子の子を孕んだことでさらに弱っていたが、ホーグと対峙した際に全力でぶつかってくれた。そのときにはこと切れていたけれど、魂の抜けた彼女に欲情しきっていた身体は止められなかった。
「こらっ」
「ふふ。ジゼの身体を気遣わないで好きなことできるのってなんかいいね」
「そんなこと言って、わたしが死んでも抱き続けていたのはどこのどなた?」
「あのときは必死だったんだ」
――いまも必死だけどね。
時の狭間にいる自分たちは一時的に肉体の時間が止まっている。転移した先でふたたびふたりの時間は動き出す。そうなったとき、ジゼルフィアは元のように病弱な女性に戻ってしまうかもしれない。だったらいまのうちにけして死ぬことのない彼女を堪能したい。
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