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奨励賞記念番外編 殺し愛の果て
《7》
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灼熱の楔がずりゅ、ずりゅとゆるやかにジゼルフィアの中を侵食していく。破瓜の痛みは魔法のせいで感じなかった。ホーグの陽根はそのまま最奥に入り、ジゼルフィアの収斂する内部で質量を増していた。
「あぁ……ホーグ……」
「蕩けた顔して可愛い。ジゼ。たくさん愛してあげる。もっともっと気持ちよくなって」
ぐりぐりと押しつければ声にならない声でジゼルフィアが甘く啼く。彼女の腰を掴んでピストン運動をはじめれば、ジゼルフィアは喘ぎ声をあげながらホーグの身体にきつく抱き着く。
「~~~!」
「ナカでもイっちゃったか。そりゃそうだよね。そうなるように僕が魔法をかけたんだから」
「もう、ぁぁ……おかしくなっちゃうぅ」
「もっとおかしくなっていいんだよ。ここにいるジゼは体力がありあまっているし、寿命を削られることもないんだから」
「はぁ……ん」
背中に爪を立てられて、ホーグの肌に薄い赤い線が走る。けれどこの痛みが自分たちの現実だと思い知る。
「このままナカに出すからね。僕とジゼの子ども、できるかな」
「ああっ、嬉しいっ」
心の底から嬉しそうに腰を振るジゼルフィアを前に、ホーグの箍も外れそうになる。これ以上腰をガツガツ振ってもいまの彼女なら問題ないと理解しつつ、ホーグは一瞬だけ我に返る。
――このまま孕ませてしまったら、転移した先で子育てをすることになるのでは?
魔法が使えない、記憶も失うかもしれない転移先での生活はホーグを不安にさせる。
けれどジゼルフィアはホーグの不安を見抜いたのか、わたしは大丈夫だからと柔らかく笑う。
「ホーグと一緒なら、どこででもやっていけるわ」
「ジゼ」
「魔法なんか使えなくても、前世の記憶や現世の記憶が消えても、わたしは貴方が傍にいるならきっと大丈夫」
「でも」
そんな過酷な状況下で、妊娠が判明したらジゼルフィアは……?
ホーグの葛藤をよそに、ジゼルフィアはすでに覚悟を決めていた。
「……ホーグは、わたしとの間に子ども、作りたくないですか?」
「それは」
だから試すようなことを口にしてしまう。
「わたしは新しい世界で、貴方と一緒に、家族になりたいわ」
「家族」
「そう。だからお願い……わたくしを孕ませて」
聖女の頃の気高さを交えながら、ジゼルフィアはホーグに命令にも似た懇願をする。
ホーグはその言葉に舞い上がり、彼女のナカへ子種を放つ――……!
「あぁ……ホーグ……」
「蕩けた顔して可愛い。ジゼ。たくさん愛してあげる。もっともっと気持ちよくなって」
ぐりぐりと押しつければ声にならない声でジゼルフィアが甘く啼く。彼女の腰を掴んでピストン運動をはじめれば、ジゼルフィアは喘ぎ声をあげながらホーグの身体にきつく抱き着く。
「~~~!」
「ナカでもイっちゃったか。そりゃそうだよね。そうなるように僕が魔法をかけたんだから」
「もう、ぁぁ……おかしくなっちゃうぅ」
「もっとおかしくなっていいんだよ。ここにいるジゼは体力がありあまっているし、寿命を削られることもないんだから」
「はぁ……ん」
背中に爪を立てられて、ホーグの肌に薄い赤い線が走る。けれどこの痛みが自分たちの現実だと思い知る。
「このままナカに出すからね。僕とジゼの子ども、できるかな」
「ああっ、嬉しいっ」
心の底から嬉しそうに腰を振るジゼルフィアを前に、ホーグの箍も外れそうになる。これ以上腰をガツガツ振ってもいまの彼女なら問題ないと理解しつつ、ホーグは一瞬だけ我に返る。
――このまま孕ませてしまったら、転移した先で子育てをすることになるのでは?
魔法が使えない、記憶も失うかもしれない転移先での生活はホーグを不安にさせる。
けれどジゼルフィアはホーグの不安を見抜いたのか、わたしは大丈夫だからと柔らかく笑う。
「ホーグと一緒なら、どこででもやっていけるわ」
「ジゼ」
「魔法なんか使えなくても、前世の記憶や現世の記憶が消えても、わたしは貴方が傍にいるならきっと大丈夫」
「でも」
そんな過酷な状況下で、妊娠が判明したらジゼルフィアは……?
ホーグの葛藤をよそに、ジゼルフィアはすでに覚悟を決めていた。
「……ホーグは、わたしとの間に子ども、作りたくないですか?」
「それは」
だから試すようなことを口にしてしまう。
「わたしは新しい世界で、貴方と一緒に、家族になりたいわ」
「家族」
「そう。だからお願い……わたくしを孕ませて」
聖女の頃の気高さを交えながら、ジゼルフィアはホーグに命令にも似た懇願をする。
ホーグはその言葉に舞い上がり、彼女のナカへ子種を放つ――……!
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