正しいアヤマチのおかし方

ささゆき細雪

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※ side of Yomeiri ※ 3

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 自分の手で絶頂に至った恋しい女性を前に、俺はそそり立っていた肉棒を達したばかりの彼女の蜜口へぎゅっと押し付けていた。
 もう、という悲鳴にも似た懇願が、はじまりの合図。そして、指だけでは拡張し切れなかった蜜洞の最奥目指して俺の分身が焦点を定め、ゆっくりと動いていく。

「んぁ……あ……っぁあ!」
「やめるか?」
「ばか……ちょうだ……い……膣奥なかに」
「ナカに、ナニ?」

 痛みを紛らすために乳首を可愛がりながら、俺は野原に訊く。やめるか? ここまできてやめるつもりなど毛頭もないけれど。
 そして彼女もぶんぶんと首を振って、俺の肩に腕をまわして、甘えた声で、ねだる。

「するがの、こだね……っ!」

 欲しいの、と上気した顔で、瞳を潤ませて、俺の名前を口にしながら、お願いする彼女に応えるかのように、蜜壺の入り口部分で引っ掛かっていた亀頭がずるっ、と入り込んだ。

「んっ――!」

 思わず暴発してしまったのかと思った。
 これ以上、野原の言葉を耳にいれていたら、我慢できなくなってしまう。めちゃくちゃに犯してしまう。
 だからその前に、口封じ。
 七年間、ここだけは自分の領域だと彼女に言い聞かせて調教していた場所。聖域。
 舌先を絡ませ、彼女の声にならない声音と大切な日のためにと守っていた純潔をこの身体で奪うため。
 俺はついに、侵食を開始する。

「んぁ……っく……んんんっ――!」

 乳首をいじっていた両手を彼女の腰に手を添えて、ずん、と突けば、鍵のかかっていた扉が苦痛と快楽を携え、目の前にひらけていく。
 やさしくやさしく導いて、結局勢いで奪ってしまった一瞬の破瓜。けれど、野原は嬉しそうに微笑っている。

「……やっと、君とひとつになれた」
「――スマン……痛かっただろ」
「へいきだよ……だから」

 嘘つけ。華奢な身体に丸太のような肉の棒が入ってきたんだ、痛くないわけがない。
 けれど、痛みよりも喜びをあらわして、野原は俺の前で強がっている。そのうえ。

「動いて。腰振って。掻き回して……気持ちよくなって、出して?」

 煽ってくる。
 苦痛に顔を歪ませながら、野原は。
 求めつづける。
 こだね――子種を。

「……なるべくゆっくり動かす」
「ん」
「けどな、俺、そこまで聖人君子じゃねぇ」
「知ってる」

 だけど嫁入なら大丈夫だよ、とわけのわからない理屈で野原は俺に分身を動かすよう要求する。
 彼女の膣内は狭い。手と口で何度かイかせたからか、滑りはよく、膣肉は柔らかく、ふわふわしている。愛液なのか破瓜の血液なのかわからないが、潤滑剤のようにぬるっとしたものが肉の棒を包み、更なる快感を生む。
 呻き声をあげながら、俺は雁首を擦らせながら、ゆっくりと蜜口と膣奥の間を行き来していく。

「んっ……嫁入……ソコ」
「気持ちいい場所、か?」

 ぬちゅ、という濡れた音を耳に入れながら、俺は野原の反応を前にニヤリと笑う。
 子宮口がおりてきている感覚、とでもいうのだろうか。コリコリ、と先っぽが当たっている。そこを刺激すると、面白いくらいに彼女がよがり、甘い声で歌う。

「はぁあんっ! あぁっ! っ!」
「かわいいな……」

 ちゅっ、と胸元にキスをしながら、俺は彼女のなかでの蠕動をつづける。快楽に酔いしれるかのように、野原は俺の肩に腕をまわしたまま、入り込んだ俺を放さないとでもいわんばかりのちからを込める。
 彼女の爪が背中にあたる。ほんのちょっとの刺激が、俺の分身まで電流のように流れていく。びくん、と反応すれば、野原もまた膣内での新たな動きに驚き、ひくひくと腰を浮かす。
 もしかしたらもう、軽く達しているのかもしれない。

「ぅうっ……する、がぁ」
「俺も気持ちいいよ……」
「ほんとう?」
「あぁ――……」

 あまりにも膣内が気持ちよすぎる。このままきゅうんと収斂する膣肉に包まれて、俺の陰茎はすでに先走りを垂れ流している。
 暴発しかけた子種を押さえていたからか、実際に出してもいいと許可をもらえた今も、素直に吐精するのが勿体なくて、つい堪えてしまう。
 けれど、限界はすぐそこまで来ている。これ以上彼女の狭い蜜洞を蹂躙して壊すわけにはいかない。

「ずん、ずんって穿たれると、なんだか、ぐらぐらする……」
「体勢、変えるか?」
「ううん、それよりキスして?」

 つながった状態で、口づけあって、互いの心臓をくっつけあって。
 蕩けるような瞬間を味わいながら、腰を動かしていたら。

「んぉ……もぅ限、界」

 ――びゅ、っと。
 俺は彼女の膣奥に子種を蒔いていた。
 びっくんびっくんと痙攣する自分の分身は野原の子宮口にキスするように亀頭をくっつけていて、本能が孕ませる気満々であることを訴えている。
 目をまるくする野原に、俺は苦笑する。

「気持ちよすぎて、出ちゃった」
「よかった……僕の身体で、気持ちよくなれたんだね?」
「なにをいまさら」

 思春期をともにすごした彼女に欲情したことがないと言えば嘘になる。けれど大切にしたいから、臆病な自分は口づけだけで我慢していた。
 だというのに心疾患を理由に躊躇っていた垣根を、彼女の方から軽々と飛び越えてきてしまった。
 俺を求めてきたうつくしくて勇敢な恋人は、ラブホへ連れ出し俺をその気にさせて、さらに溺れさせようとしたのだ。
 そして現に俺は彼女の思惑通り、処女を奪って子種を蒔いた。してやられたと思わなくもないが、遅かれ早かれこういう状況になっていたことを考えると、悪い気分ではない。
 むしろ嬉しかった。なぜなら彼女とやっとひとつになれたのだから。

「――俺がお前のことを七年も前からすきなのは、知っているだろう?」

 ずるっ、と精子を吐き出しおえた陰茎を取り出せば、彼女のちいさな蜜口からこぽりと白濁が泡立つ。純潔の証である血液とともにつぅっと流れていく。
 そっとティッシュで拭くと、彼女は複雑そうな表情をしている。

「うん。だけど」
「だけど、なんだ?」

 むくっと起き上がった野原は、賢者になった俺の前で、ぐっと腕を伸ばし、役目を終えた肉の棒をむんずと掴む。

「……僕だってすきなんだぞ」

 そしてふにゃふにゃになっていた棹を擦り出したかと思えば、先端部分に顔を近づけて――……

「ぁっ! やめ、やめろっ、そ、そこはっ……!」


 ぱくり。
 ――食べられてしまった。
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