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第1章 落葉襲来 編
第5話「あなたの心」
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4/22(月)
朝になり昨日の野菜炒めとご飯の残りを食べて準備し、制服に着替え身支度を済ませる。
今日の宮瀬さんは白いワンピースだ。非常に似合っているが学校に行くには少しばかり不思議な格好だ。普通ならば。
「ではそろそろ……」
宮瀬さんが一言何やら呟き……たぶん呪文だろう。それを呟き消え……
「あのー、宮瀬さん……消えないんだけど…」
「大丈夫です。西条さんにだけ見えるように魔力のパスを繋いで調整させていただきました。」
ならいいんだが。こちらからは見えているだけにハラハラする。
だが、登校中もご近所の方にあったり、商店街の馴染みの店の人に挨拶したりしたが、誰も宮瀬さんについて言及してこなかった。
何事もなく校門の前につくと散りきった桜の絨毯が俺達を迎えた。
「このピンク色のものは…。」
「それは桜だ。ここら辺にある木に咲く花なんだけどもうほとんど散りきっちゃったな……。」
「残念です……。」
宮瀬さんは肩を落として散りきった桜を名残惜しそうに見ていた。
「まあ、大丈夫。来年になったらまた咲くよ。」
そう、やがて桜になる。来年もまた咲くのだからまた見に来ればいい。
その時は三木田や尾鎌さんも連れてこよう。
そんな気の早い期待をしつつ校門の桜を通りすぎて校舎に入っていく。
少しばかり散る桜も綺麗で、宮瀬さんとの初登校に思い出が僅かだが出来たことに満足し、校舎を歩いていくが人はまだ誰もいない。校舎はいたって普通で昇降口には木製の下駄箱、階段を上がって左に真っ直ぐいけば俺の教室の2-Bがある。
教室に着いて窓際の一番後ろの自分の席に着くがまだ誰もいない。窓からは校庭が見えるがまだ登校してくる生徒はまばらだ。
「本当に見えてないんだな。」
「はい。ですが、声ばかりはうまくは誤魔化せないので気を付けます……」
なるほど俺も宮瀬さんに多少気を使いながら過ごさなければならないようだ。
「おっはよ~ん、航ちゃん。今日は早いのね」
「尾鎌さんおはよう。確かに俺にしては早いかもね」
尾鎌さんが教室入ってきて、その後からまばらだがクラスメイトが入ってくる。尾鎌さんと話をしていると三木田も教室に入ってきて輪に加わる。
「あら巧ちゃんおはよ~」
「オッス、三木田」
「おう、おはよ。そういやさ!結局土曜の白髪の可愛い娘はなんなんだよー」
もう呆れたというレベルではなく落胆する。
こいつにはプライバシーだとか常識はないのか。
教室にはもう他にも人が来ているのに…。
「ああ、あの娘ね。私も見たわよ」
尾鎌さんまで!裏切るのか!尾鎌さんだけは味方だと思っていたのに!昨日はあんなに尾鎌尾鎌していたのに!今日から闇尾鎌さんなのか!
「あの家政婦の娘でしょ?」
「え、家政婦雇ったのかお前!」
「ああ、そうなんだ。ははは」
「そうならそうと言えよなー。思わせ振りな態度しやがって!」
このこのーと肘で俺をつついてくる。苦笑いで誤魔化し、尾鎌さんに顔を向けるとウインクをして自分の席に去っていく。惚れたらどうしてくれる。
多少のトラブルがあったものの朝のHRも終えて授業に入っていく。
授業中は宮瀬さんは暇だろうとは思っていたが、案外そうでもないらしく真剣に聞いて俺の教科書を覗いていた。
そんな感じで午前の授業が終わり、昼食になったので席を立ち勢いよく購買へダッシュ。
宮瀬さんは突然のことに驚いていたが、すぐさま追いかけてくる。
「ど、どうしたんですか?」
「購買で飯を買わなきゃならないんだ!早くしないと売り切れちまう!」
宮瀬さんの声もこの喧騒の中では大して目立たないから大丈夫のはずだけどやっぱ話すといつばれるか冷や冷やする。
普段から先生には廊下を走るなとは言われるが、皆走っているのでこちらも走らねば後ろから突き飛ばされる。走らざるを得ない。そんな廊下は、購買に向かって走る学生の喧騒に包まれており、誰が誰だか分からない状態だ。
購買に着くと、まだ列は浅く今日は無事に買えそうだ。
「ふう、間に合った」
列に並んですぐに購買の商品が視界に入り、選んでいく。
焼きそばパンにカツサンド。
これがいい。
今日は焼きそばにカツの気分だ。
いや、つい最近カツサンドは食ったばかりだったか…。
細かいことは気にせず、会計を済ませて今度はゆっくり歩いて教室に戻る。
先程の喧騒が嘘のように廊下は普段通りの姿を取り戻しており、教室は昼飯を食べながら談笑したりする声で溢れていた。俺の教室も例外ではなく、三木田と尾鎌さんが机を合わせて待っていた。
「お、生還した」
「あら、おかえり航ちゃんにぃ」
三木田はまるで俺が戦場から帰ってきたような言い草だ。
「尾鎌さん、またしゃべり方変えたんですか?にぃ、なんて昨日は付けてなかったじゃないですか」
「おほほほ、乙女は流行に敏感なのよ。常に最前線をいくわ!」
ブイサインを目にあててポーズをとる尾鎌さんに、いやそもそもそれ流行ってるのかそれ?と茶化す三木田。横で楽しそうに見ている宮瀬さんを見ていると、嬉しくなると同時に悲しくもなる。宮瀬さんはこの会話に加わることはできないのだから…。
だが、基本的には四人で楽しい雰囲気で飯を食べ終えて昼休みも談笑して過ごす。
学校では交友関係がそんなに多くはないが、その分この二人といる時間は楽しい。
授業が始まれば宮瀬さんはまた真剣に授業を聞いている。理解できているかは不明だが……。
結局六時限目まで授業を受けた宮瀬さんと下校することになる。
三木田に放課後はどこか寄っていこうぜ、と誘われたが課題が溜まっていることを理由に帰宅することにしたが、可愛い家政婦さんがいるもんなー、と茶化されてしまう。相変わらず憎めないがイラつくやつだ。
そんなこんなで宮瀬さんと二人で下校していった。
家に着くなり俺は課題をやって、宮瀬さんは俺のスマホを使って料理を調べていた。早く課題をこなして鍛練に集中したい…。
宮瀬さんのためというのに嘘偽りはないが、やはり魔法に興味がある。
課題も早々に終わらせたつもりだったが、いつの間にか日が落ちかけていて夕陽の光が窓から入ってきていた。
気が付けば、宮瀬さんはリビングのテーブルで寝てしまっていた。夕陽に照らされた宮瀬さんの白髪は綺麗に彩られていて、見惚れてしまうほどだった。
「こりゃ起こすのは可哀想だな」
苦笑いでそう呟くもその寝顔を見いってしまう。可愛い寝顔だ。
つい数日前はこんなことになるなんて思ってもみなかった。
宮瀬さんを公園から連れてきて、シナンの襲撃を受けて、一人じゃ絶対にないちょっとした騒ぎもあって、魔法の鍛練もして。本当に色々なことがあった。
でも宮瀬さんはきっとエデンで、平和な日常にいる俺なんかが想像できないくらいの事があって、使命を背負わされて死ぬためにこれまで生きてきて………本当は何かあればすぐに慌てたり、表情を変える普通の女の子で、今日だって学校で普通に授業を受けて皆の話を聞いて笑っていた。
地球に生まれてきていたらもしかしたら、そんな風に普通に俺と三木田と尾鎌さんと笑いあって放課後は遊びに行っていたのかもしれない。
それなのに死ぬしかないレールを歩いてきた。
改めて考えると彼女を守ってあげたくなる。守ってあげたくなるってのは俺の勝手かもしれないが、こんな使命なんて俺は認めない。
宮瀬さんにそっと布団をかけると床に座り、昨日みたいに手を合わせて熱を体の中心に溜めるように意識してみる。
すると………熱が集まってきてオーラが……出るわけないか。
自分でも何をやっているんだか分からないが、アホなことしてないで宮瀬さんに代わって飯でも作るか。
立ち上がり後ろを振り向くと固まってつっ立っている少女………
「えぇぇ!!」
「うわぁぁ!!」
驚愕の声をあげる少女に絶叫する俺。
いや、なんでいるんだよ!
「村沢ぁぁ!!」
「航ぅぅ!!なに女の子連れ込んでるのぉ!」
「なんでお前がいるんだぁ!」
お互いごもっともなツッコミを勢いのままにする。
こいつは村沢 彩華。同じ孤児院を出た同い年の幼馴染だ。
こいつも高校入学と共に孤児院を出て俺と同じマンションに住んでいる。
黒髪ロングがキレイで身長は158cmほどか。出るところは出ていて胸は宮瀬さんよりあるんではなかろうか?。赤と白を基調としたセーラー服にチェックの赤いスカートはよく似合っている。
「インターホン押しても出てこないから心配して入ってきたの!」
「あ、マジ?」
「マジ。三回も押したのに出てこないんだもん」
「すまん……」
お互い落ち着いてきてようやく冷静になる。
「で、その娘は?」
村沢は怪訝そうな顔をしてテーブルですやすや寝ている宮瀬さんの方に顔を向ける。
「あー、俺の家政婦さん。つい最近雇ったんだ。」
「なわけないでしょ。家政婦さんが雇い主の家で寝てるわけないじゃない」
「今は休憩中で……」
「そもそも家政婦を雇うほどのお金はないでしょ?」
く、相変わらず誤魔化しのきかないやつだ。もとより誤魔化せるような状況ではないが。
「んむ、西条さん……?」
言い訳が思い付かずに口ごもっていると騒いでいたせいか宮瀬さんが目を擦って起きる。
そして俺と村沢さんを交互に見て
「す、すみません!今家事をします!」
宮瀬さんは飛び起きて急いでキッチンへ向かう。
いや、今日はカップ麺のつもりなんだが…。
「ま、いいけど。でさ、航雇うほどお金あったっけ?。両親が置いてったていうお金がそんなにあるなら今まで食費の節約に躍起になったりしてないでしょ?」
「いやー、あって困ることはないかなって」
「まあ、深くは突っ込まないけど、家政婦さんがいるならご飯は大丈夫ね?」
「ああ。なんだ心配してくれたのか?」
「まあね。そりゃ気になるでしょ」
村沢は時々飯を作りに来てくれるが、こいつの飯は美味い。
今度宮瀬さんに教えてあげてほしいくらいだが、家政婦さんに教えてあげてください、なんて頼むのはあまりにも怪しまれる。
「じゃ、帰るけど。家政婦さんに手を出しちゃダメよ?」
「出さねぇよ!」
「ま、そんな根性ないか」
ぷぷ、とわざとらしく口に手をあてて笑うと、じゃまたねーと随分と楽しそうに去っていく。
くそ、舐めやがって。俺だってやればな……やれば…。
キッチンであたふたしている宮瀬さんを背後から視界に捉えて……
いや、無理。ていうか俺は童貞であいつも処女じゃんか。何を偉そうに…。
多少の不満はあるがいい幼馴染だ。
俺みたいなやつにもなんやかんだで構ってくれるし。
構ってくれるし……なぜか突っかかる違和感。恐怖にも似たようなものにその違和感は弾き飛ばされる。
この感覚は何なんだろうか。何か覚えがあるような感覚だが…。考えても分からないものは分からない。
嵐も去ったことだし悶々としながらもキッチンへ向かうと、宮瀬さんはまだあたふたして目を回していた。
「今日はご飯作らなくても……お湯を沸かしてもらおうかな」
「お湯ですか?」
「ああ、ちょっと待ってくれ」
キッチンの棚の中から適当にカップラーメンを取り出し宮瀬さんの前に出す。
「今日はこいつにお湯を入れてもらおうかな」
「これ……ですか?」
カップラーメンを手に取ると不思議そうに下から見たり、横から見たりつついてみたりしていた。
「ああ、お湯を入れるだけで食べられる」
「なるほど。エデンにも魔力を籠めるだけで食べられる物がありました」
「そそ、たぶんそれと似たようなものかな。」
早速カップラーメンを開けて粉末をかける。宮瀬さんも続いて真似をする。
「あとはお湯を沸かすだけだから頼んだ。」
「はい!」
ヤカンに水を入れてコンロで沸かし始めるが、ずっとヤカンを見つめているのがなんだか面白いというか可愛い。
さ、俺も課題をやるか。
課題をこなしているうちにヤカンが音をたてて、その音に宮瀬さんが慌てたりして面白かったが、なんとかカップラーメンができて二人で食べ終えた。
その後はしばらくたわいない話をしながら食休みをしていた。
「宮瀬さんはお腹溜まった?」
「はい、大丈夫です。ところで先程の方は……」
「ああ、村沢彩華。まあ俺の幼馴染だ。」
「なるほど。西条さんは賑やかな方に囲まれているんですね」
「ま、そうなるかな」
宮瀬さんがでは、と席を立つと二人で示し合わせたようにリビングの空いたところで正座して向かい、接続を始める。
結局この日は目立った進歩はなかったが宮瀬さん曰く、昨日より成長しているらしい。
よく分からないが、成長しているならそれが一番だな、と納得するしかなかった。だけど魔法を使えるという実感が沸いてくるにつれてなんだろうか……よく分からないが恐怖も湧いてきていた。
4/28(日)
その後、毎日鍛練を重ねて少しずつ俺も魔力の残留を実感出来るようになっていた。そしてついに日曜の夜。
「完璧です西条さん!」
「ほ、本当か?」
床に手をつき疲労を感じる。最初より疲労は感じなくなったがまだまだ余裕をかませるほどではない。
「はい。5分ほど力を保持できたのでこれなら次のステップに行ってもよろしいかと。」
「次のステップ……」
「魔力の保持が出来たので次は保持した状態での運動、放出ですね。どこか良い場所はありませんかね……」
人にばれなくて、広い場所がいいかな……。それなら……
「学校の裏山なら広いし夜は誰も来ないはずだけど」
「なら明日からはそこでよろしいですか?」
「ああ、頼む。」
ようやく次のステップかと思うと、緊張して寝る時間になっても眠れなくなるが、宮瀬さんは隣で静かな寝息をたてている。
自分だけ緊張しているみたいで何か恥ずかしくなるが眠れない……。
結局その晩はろくに眠れなかった。
これは………なんでしょうか…。夏の日差しを受けて周りにはひまわりの畑があり、砂場、滑り台、シーソー等の遊具があります。
公園……?………保育園?
なんでしょうか?
何か一階建ての真っ白な施設が公園に隣接しています。
そして視界は私の意思では動かせません。私は先程まで寝ていたはず……。
ああ、これは西条さんの記憶。西条さんと接触するうちに記憶の方にも接続してしまい、僅かながらに見ている夢のようなものですか。
勝手に過去を詮索するような感じがして申し訳ないですが、私にはこれを見るのを拒むことはできません。
いえ、私は気になっています。
西条さんの過去を……。
伝わってくるのは西条さんの悲しみの気持ち。孤独を感じます。
「いたいた、航~」
ブランコに1人でいた西条さんに駆け寄ってきたのは……
「村沢……」
小学校低学年くらいの村沢さんでしょうか。綺麗な黒髪は今と同じですがミドルヘアーで薄茶色の短パンに黒い半袖とボーイッシュな感じを受けます。
村沢さんは西条さんの隣のブランコに勢いよく腰をかけてきます。
揺れるブランコに乗りながら顔を覗きこむ村沢さん。
「またやっちゃったんだ?」
「ああ……」
また?やっちゃった?何を西条さんは……
「今度は紙を燃やしちゃったんだって?」
「まあ……」
「制御できるようになったんじゃないの?」
「それは………なったにはなった。だけど感情が高まるとつい……まだ抑えらないときがあって……」
「ふーん。なるほどね。」
村沢さんはブランコをこぎながら適当な返事をします。
だけど本当は真剣に聞いてくれている。そんな感じが伝わってきます。
そしてそんな西条さんの村沢さんに対する信頼も。
「この間は感電させちゃったり、水道の水を暴れさせちゃったり……」
「もう!くよくよしない!それは航にしかできないことでしょ!」
「でも皆嫌がる…。今回だって前だって俺のこの力を気味悪がって仲間はずれにするんだ……」
「ま、確かに普通じゃないけどねー」
呑気にブランコをゆっくりこぎ、立ちこぎになり勢いをつけていきます。
「でもさ、私は航のその力好きだよ!だって」
村沢さんは勢いよくブランコをこいで飛び降り、西条さんに向き合います。
「航の力はいつも私をワクワクさせてくれるんだもん!」
歯を見せて笑う村沢さん。
それに西条さんは……安らいでいるのでしょうか?
そんな感情が伝わってきます。
「だからさ、私には見せてほしいな!」
「簡単に言わないでくれよ。出したり抑えたりするのは凄く難しいんだ。
出したい時に必ず出せるとは限らないし」
「なーんだ。まあ、使いたけば使えばいいし、使いたくないならそれでもいいんじゃない?」
「ったく、使ってほしいのか使ってほしくないのかどっちだよ……」
「私は航が選んだ方ならどっちでもいいよ。それが航なんだもん」
手を後ろに組んで優しく微笑む村沢さん。強い日差しもあってか村沢さんの笑顔が映えます。
なるほど。西条さんと村沢さんはこうして信頼関係を築いたのですね。
西条さんから感じられていた孤独はもう感じられません。
あるのは安堵感。村沢さんと共にいるからでしょう。
そう、それだけなんです。なのに私のこの気持ちは何なのでしょう。
うまく言えませんがスッキリしません。きっと西条さんのことをまだ知らないからでしょう。
この気持ちはきっとそこからくるのです。そこまで思考したところで周囲が無音になり視界が崩れていきます。
どうやら西条さんとの接続が弱くなったようですね。元々意図して接続したものではありませんから、意図しなくても接続は切れてしまうもの。
スッキリはしませんが、しょうがありません。視界と意識が暗闇に包まれていくのを待ちながら一つの疑問が浮かんできました。
恐らく先程の話から西条さんは魔法を使っていました。
それも複数の。
そして接続を無しになぜ使えたのか。
疑問は絶えませんが、今は判断材料が少なすぎます。
きっとまた西条さんの過去について接続を通して知る機会はあるでしょう。その時に明らかになるかもしれません。
それを楽しみにしている私がいました。
春の涼しい夜風に漆黒のコートがなびく。男は通信機で連絡を淡々ととっていた。
「ああ、監視はしている。微量な魔力反応をここ最近検知した。引き続き監視を続ける。」
落葉襲来まで2週間と5日。時は迫っている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~登場人物~
村沢彩華 158cm 50kg
航の孤児院からの幼馴染。
黒髪のストレートロングで、出るところはしっかり出ており、胸は宮瀬さんより大きい(航談)。
大雑把かつ粗暴な性格だが、面倒見の良いところもあり、基本的に航の姉のような存在。
申し訳ございません。投稿ミスで変な風になっていたので上げなおしました。
朝になり昨日の野菜炒めとご飯の残りを食べて準備し、制服に着替え身支度を済ませる。
今日の宮瀬さんは白いワンピースだ。非常に似合っているが学校に行くには少しばかり不思議な格好だ。普通ならば。
「ではそろそろ……」
宮瀬さんが一言何やら呟き……たぶん呪文だろう。それを呟き消え……
「あのー、宮瀬さん……消えないんだけど…」
「大丈夫です。西条さんにだけ見えるように魔力のパスを繋いで調整させていただきました。」
ならいいんだが。こちらからは見えているだけにハラハラする。
だが、登校中もご近所の方にあったり、商店街の馴染みの店の人に挨拶したりしたが、誰も宮瀬さんについて言及してこなかった。
何事もなく校門の前につくと散りきった桜の絨毯が俺達を迎えた。
「このピンク色のものは…。」
「それは桜だ。ここら辺にある木に咲く花なんだけどもうほとんど散りきっちゃったな……。」
「残念です……。」
宮瀬さんは肩を落として散りきった桜を名残惜しそうに見ていた。
「まあ、大丈夫。来年になったらまた咲くよ。」
そう、やがて桜になる。来年もまた咲くのだからまた見に来ればいい。
その時は三木田や尾鎌さんも連れてこよう。
そんな気の早い期待をしつつ校門の桜を通りすぎて校舎に入っていく。
少しばかり散る桜も綺麗で、宮瀬さんとの初登校に思い出が僅かだが出来たことに満足し、校舎を歩いていくが人はまだ誰もいない。校舎はいたって普通で昇降口には木製の下駄箱、階段を上がって左に真っ直ぐいけば俺の教室の2-Bがある。
教室に着いて窓際の一番後ろの自分の席に着くがまだ誰もいない。窓からは校庭が見えるがまだ登校してくる生徒はまばらだ。
「本当に見えてないんだな。」
「はい。ですが、声ばかりはうまくは誤魔化せないので気を付けます……」
なるほど俺も宮瀬さんに多少気を使いながら過ごさなければならないようだ。
「おっはよ~ん、航ちゃん。今日は早いのね」
「尾鎌さんおはよう。確かに俺にしては早いかもね」
尾鎌さんが教室入ってきて、その後からまばらだがクラスメイトが入ってくる。尾鎌さんと話をしていると三木田も教室に入ってきて輪に加わる。
「あら巧ちゃんおはよ~」
「オッス、三木田」
「おう、おはよ。そういやさ!結局土曜の白髪の可愛い娘はなんなんだよー」
もう呆れたというレベルではなく落胆する。
こいつにはプライバシーだとか常識はないのか。
教室にはもう他にも人が来ているのに…。
「ああ、あの娘ね。私も見たわよ」
尾鎌さんまで!裏切るのか!尾鎌さんだけは味方だと思っていたのに!昨日はあんなに尾鎌尾鎌していたのに!今日から闇尾鎌さんなのか!
「あの家政婦の娘でしょ?」
「え、家政婦雇ったのかお前!」
「ああ、そうなんだ。ははは」
「そうならそうと言えよなー。思わせ振りな態度しやがって!」
このこのーと肘で俺をつついてくる。苦笑いで誤魔化し、尾鎌さんに顔を向けるとウインクをして自分の席に去っていく。惚れたらどうしてくれる。
多少のトラブルがあったものの朝のHRも終えて授業に入っていく。
授業中は宮瀬さんは暇だろうとは思っていたが、案外そうでもないらしく真剣に聞いて俺の教科書を覗いていた。
そんな感じで午前の授業が終わり、昼食になったので席を立ち勢いよく購買へダッシュ。
宮瀬さんは突然のことに驚いていたが、すぐさま追いかけてくる。
「ど、どうしたんですか?」
「購買で飯を買わなきゃならないんだ!早くしないと売り切れちまう!」
宮瀬さんの声もこの喧騒の中では大して目立たないから大丈夫のはずだけどやっぱ話すといつばれるか冷や冷やする。
普段から先生には廊下を走るなとは言われるが、皆走っているのでこちらも走らねば後ろから突き飛ばされる。走らざるを得ない。そんな廊下は、購買に向かって走る学生の喧騒に包まれており、誰が誰だか分からない状態だ。
購買に着くと、まだ列は浅く今日は無事に買えそうだ。
「ふう、間に合った」
列に並んですぐに購買の商品が視界に入り、選んでいく。
焼きそばパンにカツサンド。
これがいい。
今日は焼きそばにカツの気分だ。
いや、つい最近カツサンドは食ったばかりだったか…。
細かいことは気にせず、会計を済ませて今度はゆっくり歩いて教室に戻る。
先程の喧騒が嘘のように廊下は普段通りの姿を取り戻しており、教室は昼飯を食べながら談笑したりする声で溢れていた。俺の教室も例外ではなく、三木田と尾鎌さんが机を合わせて待っていた。
「お、生還した」
「あら、おかえり航ちゃんにぃ」
三木田はまるで俺が戦場から帰ってきたような言い草だ。
「尾鎌さん、またしゃべり方変えたんですか?にぃ、なんて昨日は付けてなかったじゃないですか」
「おほほほ、乙女は流行に敏感なのよ。常に最前線をいくわ!」
ブイサインを目にあててポーズをとる尾鎌さんに、いやそもそもそれ流行ってるのかそれ?と茶化す三木田。横で楽しそうに見ている宮瀬さんを見ていると、嬉しくなると同時に悲しくもなる。宮瀬さんはこの会話に加わることはできないのだから…。
だが、基本的には四人で楽しい雰囲気で飯を食べ終えて昼休みも談笑して過ごす。
学校では交友関係がそんなに多くはないが、その分この二人といる時間は楽しい。
授業が始まれば宮瀬さんはまた真剣に授業を聞いている。理解できているかは不明だが……。
結局六時限目まで授業を受けた宮瀬さんと下校することになる。
三木田に放課後はどこか寄っていこうぜ、と誘われたが課題が溜まっていることを理由に帰宅することにしたが、可愛い家政婦さんがいるもんなー、と茶化されてしまう。相変わらず憎めないがイラつくやつだ。
そんなこんなで宮瀬さんと二人で下校していった。
家に着くなり俺は課題をやって、宮瀬さんは俺のスマホを使って料理を調べていた。早く課題をこなして鍛練に集中したい…。
宮瀬さんのためというのに嘘偽りはないが、やはり魔法に興味がある。
課題も早々に終わらせたつもりだったが、いつの間にか日が落ちかけていて夕陽の光が窓から入ってきていた。
気が付けば、宮瀬さんはリビングのテーブルで寝てしまっていた。夕陽に照らされた宮瀬さんの白髪は綺麗に彩られていて、見惚れてしまうほどだった。
「こりゃ起こすのは可哀想だな」
苦笑いでそう呟くもその寝顔を見いってしまう。可愛い寝顔だ。
つい数日前はこんなことになるなんて思ってもみなかった。
宮瀬さんを公園から連れてきて、シナンの襲撃を受けて、一人じゃ絶対にないちょっとした騒ぎもあって、魔法の鍛練もして。本当に色々なことがあった。
でも宮瀬さんはきっとエデンで、平和な日常にいる俺なんかが想像できないくらいの事があって、使命を背負わされて死ぬためにこれまで生きてきて………本当は何かあればすぐに慌てたり、表情を変える普通の女の子で、今日だって学校で普通に授業を受けて皆の話を聞いて笑っていた。
地球に生まれてきていたらもしかしたら、そんな風に普通に俺と三木田と尾鎌さんと笑いあって放課後は遊びに行っていたのかもしれない。
それなのに死ぬしかないレールを歩いてきた。
改めて考えると彼女を守ってあげたくなる。守ってあげたくなるってのは俺の勝手かもしれないが、こんな使命なんて俺は認めない。
宮瀬さんにそっと布団をかけると床に座り、昨日みたいに手を合わせて熱を体の中心に溜めるように意識してみる。
すると………熱が集まってきてオーラが……出るわけないか。
自分でも何をやっているんだか分からないが、アホなことしてないで宮瀬さんに代わって飯でも作るか。
立ち上がり後ろを振り向くと固まってつっ立っている少女………
「えぇぇ!!」
「うわぁぁ!!」
驚愕の声をあげる少女に絶叫する俺。
いや、なんでいるんだよ!
「村沢ぁぁ!!」
「航ぅぅ!!なに女の子連れ込んでるのぉ!」
「なんでお前がいるんだぁ!」
お互いごもっともなツッコミを勢いのままにする。
こいつは村沢 彩華。同じ孤児院を出た同い年の幼馴染だ。
こいつも高校入学と共に孤児院を出て俺と同じマンションに住んでいる。
黒髪ロングがキレイで身長は158cmほどか。出るところは出ていて胸は宮瀬さんよりあるんではなかろうか?。赤と白を基調としたセーラー服にチェックの赤いスカートはよく似合っている。
「インターホン押しても出てこないから心配して入ってきたの!」
「あ、マジ?」
「マジ。三回も押したのに出てこないんだもん」
「すまん……」
お互い落ち着いてきてようやく冷静になる。
「で、その娘は?」
村沢は怪訝そうな顔をしてテーブルですやすや寝ている宮瀬さんの方に顔を向ける。
「あー、俺の家政婦さん。つい最近雇ったんだ。」
「なわけないでしょ。家政婦さんが雇い主の家で寝てるわけないじゃない」
「今は休憩中で……」
「そもそも家政婦を雇うほどのお金はないでしょ?」
く、相変わらず誤魔化しのきかないやつだ。もとより誤魔化せるような状況ではないが。
「んむ、西条さん……?」
言い訳が思い付かずに口ごもっていると騒いでいたせいか宮瀬さんが目を擦って起きる。
そして俺と村沢さんを交互に見て
「す、すみません!今家事をします!」
宮瀬さんは飛び起きて急いでキッチンへ向かう。
いや、今日はカップ麺のつもりなんだが…。
「ま、いいけど。でさ、航雇うほどお金あったっけ?。両親が置いてったていうお金がそんなにあるなら今まで食費の節約に躍起になったりしてないでしょ?」
「いやー、あって困ることはないかなって」
「まあ、深くは突っ込まないけど、家政婦さんがいるならご飯は大丈夫ね?」
「ああ。なんだ心配してくれたのか?」
「まあね。そりゃ気になるでしょ」
村沢は時々飯を作りに来てくれるが、こいつの飯は美味い。
今度宮瀬さんに教えてあげてほしいくらいだが、家政婦さんに教えてあげてください、なんて頼むのはあまりにも怪しまれる。
「じゃ、帰るけど。家政婦さんに手を出しちゃダメよ?」
「出さねぇよ!」
「ま、そんな根性ないか」
ぷぷ、とわざとらしく口に手をあてて笑うと、じゃまたねーと随分と楽しそうに去っていく。
くそ、舐めやがって。俺だってやればな……やれば…。
キッチンであたふたしている宮瀬さんを背後から視界に捉えて……
いや、無理。ていうか俺は童貞であいつも処女じゃんか。何を偉そうに…。
多少の不満はあるがいい幼馴染だ。
俺みたいなやつにもなんやかんだで構ってくれるし。
構ってくれるし……なぜか突っかかる違和感。恐怖にも似たようなものにその違和感は弾き飛ばされる。
この感覚は何なんだろうか。何か覚えがあるような感覚だが…。考えても分からないものは分からない。
嵐も去ったことだし悶々としながらもキッチンへ向かうと、宮瀬さんはまだあたふたして目を回していた。
「今日はご飯作らなくても……お湯を沸かしてもらおうかな」
「お湯ですか?」
「ああ、ちょっと待ってくれ」
キッチンの棚の中から適当にカップラーメンを取り出し宮瀬さんの前に出す。
「今日はこいつにお湯を入れてもらおうかな」
「これ……ですか?」
カップラーメンを手に取ると不思議そうに下から見たり、横から見たりつついてみたりしていた。
「ああ、お湯を入れるだけで食べられる」
「なるほど。エデンにも魔力を籠めるだけで食べられる物がありました」
「そそ、たぶんそれと似たようなものかな。」
早速カップラーメンを開けて粉末をかける。宮瀬さんも続いて真似をする。
「あとはお湯を沸かすだけだから頼んだ。」
「はい!」
ヤカンに水を入れてコンロで沸かし始めるが、ずっとヤカンを見つめているのがなんだか面白いというか可愛い。
さ、俺も課題をやるか。
課題をこなしているうちにヤカンが音をたてて、その音に宮瀬さんが慌てたりして面白かったが、なんとかカップラーメンができて二人で食べ終えた。
その後はしばらくたわいない話をしながら食休みをしていた。
「宮瀬さんはお腹溜まった?」
「はい、大丈夫です。ところで先程の方は……」
「ああ、村沢彩華。まあ俺の幼馴染だ。」
「なるほど。西条さんは賑やかな方に囲まれているんですね」
「ま、そうなるかな」
宮瀬さんがでは、と席を立つと二人で示し合わせたようにリビングの空いたところで正座して向かい、接続を始める。
結局この日は目立った進歩はなかったが宮瀬さん曰く、昨日より成長しているらしい。
よく分からないが、成長しているならそれが一番だな、と納得するしかなかった。だけど魔法を使えるという実感が沸いてくるにつれてなんだろうか……よく分からないが恐怖も湧いてきていた。
4/28(日)
その後、毎日鍛練を重ねて少しずつ俺も魔力の残留を実感出来るようになっていた。そしてついに日曜の夜。
「完璧です西条さん!」
「ほ、本当か?」
床に手をつき疲労を感じる。最初より疲労は感じなくなったがまだまだ余裕をかませるほどではない。
「はい。5分ほど力を保持できたのでこれなら次のステップに行ってもよろしいかと。」
「次のステップ……」
「魔力の保持が出来たので次は保持した状態での運動、放出ですね。どこか良い場所はありませんかね……」
人にばれなくて、広い場所がいいかな……。それなら……
「学校の裏山なら広いし夜は誰も来ないはずだけど」
「なら明日からはそこでよろしいですか?」
「ああ、頼む。」
ようやく次のステップかと思うと、緊張して寝る時間になっても眠れなくなるが、宮瀬さんは隣で静かな寝息をたてている。
自分だけ緊張しているみたいで何か恥ずかしくなるが眠れない……。
結局その晩はろくに眠れなかった。
これは………なんでしょうか…。夏の日差しを受けて周りにはひまわりの畑があり、砂場、滑り台、シーソー等の遊具があります。
公園……?………保育園?
なんでしょうか?
何か一階建ての真っ白な施設が公園に隣接しています。
そして視界は私の意思では動かせません。私は先程まで寝ていたはず……。
ああ、これは西条さんの記憶。西条さんと接触するうちに記憶の方にも接続してしまい、僅かながらに見ている夢のようなものですか。
勝手に過去を詮索するような感じがして申し訳ないですが、私にはこれを見るのを拒むことはできません。
いえ、私は気になっています。
西条さんの過去を……。
伝わってくるのは西条さんの悲しみの気持ち。孤独を感じます。
「いたいた、航~」
ブランコに1人でいた西条さんに駆け寄ってきたのは……
「村沢……」
小学校低学年くらいの村沢さんでしょうか。綺麗な黒髪は今と同じですがミドルヘアーで薄茶色の短パンに黒い半袖とボーイッシュな感じを受けます。
村沢さんは西条さんの隣のブランコに勢いよく腰をかけてきます。
揺れるブランコに乗りながら顔を覗きこむ村沢さん。
「またやっちゃったんだ?」
「ああ……」
また?やっちゃった?何を西条さんは……
「今度は紙を燃やしちゃったんだって?」
「まあ……」
「制御できるようになったんじゃないの?」
「それは………なったにはなった。だけど感情が高まるとつい……まだ抑えらないときがあって……」
「ふーん。なるほどね。」
村沢さんはブランコをこぎながら適当な返事をします。
だけど本当は真剣に聞いてくれている。そんな感じが伝わってきます。
そしてそんな西条さんの村沢さんに対する信頼も。
「この間は感電させちゃったり、水道の水を暴れさせちゃったり……」
「もう!くよくよしない!それは航にしかできないことでしょ!」
「でも皆嫌がる…。今回だって前だって俺のこの力を気味悪がって仲間はずれにするんだ……」
「ま、確かに普通じゃないけどねー」
呑気にブランコをゆっくりこぎ、立ちこぎになり勢いをつけていきます。
「でもさ、私は航のその力好きだよ!だって」
村沢さんは勢いよくブランコをこいで飛び降り、西条さんに向き合います。
「航の力はいつも私をワクワクさせてくれるんだもん!」
歯を見せて笑う村沢さん。
それに西条さんは……安らいでいるのでしょうか?
そんな感情が伝わってきます。
「だからさ、私には見せてほしいな!」
「簡単に言わないでくれよ。出したり抑えたりするのは凄く難しいんだ。
出したい時に必ず出せるとは限らないし」
「なーんだ。まあ、使いたけば使えばいいし、使いたくないならそれでもいいんじゃない?」
「ったく、使ってほしいのか使ってほしくないのかどっちだよ……」
「私は航が選んだ方ならどっちでもいいよ。それが航なんだもん」
手を後ろに組んで優しく微笑む村沢さん。強い日差しもあってか村沢さんの笑顔が映えます。
なるほど。西条さんと村沢さんはこうして信頼関係を築いたのですね。
西条さんから感じられていた孤独はもう感じられません。
あるのは安堵感。村沢さんと共にいるからでしょう。
そう、それだけなんです。なのに私のこの気持ちは何なのでしょう。
うまく言えませんがスッキリしません。きっと西条さんのことをまだ知らないからでしょう。
この気持ちはきっとそこからくるのです。そこまで思考したところで周囲が無音になり視界が崩れていきます。
どうやら西条さんとの接続が弱くなったようですね。元々意図して接続したものではありませんから、意図しなくても接続は切れてしまうもの。
スッキリはしませんが、しょうがありません。視界と意識が暗闇に包まれていくのを待ちながら一つの疑問が浮かんできました。
恐らく先程の話から西条さんは魔法を使っていました。
それも複数の。
そして接続を無しになぜ使えたのか。
疑問は絶えませんが、今は判断材料が少なすぎます。
きっとまた西条さんの過去について接続を通して知る機会はあるでしょう。その時に明らかになるかもしれません。
それを楽しみにしている私がいました。
春の涼しい夜風に漆黒のコートがなびく。男は通信機で連絡を淡々ととっていた。
「ああ、監視はしている。微量な魔力反応をここ最近検知した。引き続き監視を続ける。」
落葉襲来まで2週間と5日。時は迫っている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~登場人物~
村沢彩華 158cm 50kg
航の孤児院からの幼馴染。
黒髪のストレートロングで、出るところはしっかり出ており、胸は宮瀬さんより大きい(航談)。
大雑把かつ粗暴な性格だが、面倒見の良いところもあり、基本的に航の姉のような存在。
申し訳ございません。投稿ミスで変な風になっていたので上げなおしました。
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