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開闢の始まり
間奏
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違う違う、そうじゃ、そうじゃないんだ!!!!
初任務を達成したあの日から、メイは悩んでいた。
( 私がこの学園でしたいのは『青春』の筈!!)
『青春』。
それは、異世界の神と戦う事でも無ければ、異次元なパーティーで依頼任務をこなす事でもない。
( 朝起きて、友達におっはよーって言いながら駆け足で教室に向かって、出会い頭にイケメン君とぶつかったりしてそれが転校生だったりして...!!!)
「私の求めてた青春と違う!!!!」
「そんなに青春がしたいのに昼間から自室にこもってる時点で終わってね?」
ガラステーブルを叩きリクライニングチェアから立ち上がったメイに、半裸で肩にタオルをかけたデミドランが歯を磨きながら毒を吐く。
恐らく風呂上がりなのだろう。
艶のある黒髪が、少々湿っている。
「出たな私の青春ブレイカー!」
「ひっでぇ言われ様だぁ。」
そう言いながらリクライニングチェアに腰掛ける。
「あんまり虐めたらメイが可哀想ですよ。」
同じく風呂上がりであろうテンニーンが、同じ様な格好で脱衣場から出てきた。
「青春ブレイカー2号!!!」
「あ、僕もなのね。」
キッ!!と指差しながら睨みつけるメイを横目に、テンニーンも自分の椅子に座る。
自分の椅子と言ったが、メイの部屋のメイのリクライニングチェアだ。
「大体あんたらなんで私の部屋にいるの!?」
「だって理事長が部屋くれねーんだから仕方ねーだろぉ?な?」
「そうですね、僕らは龍人と古龍だからメイの所に居た方が都合良いんでしょ。」
「ぐぬぬ...!!」
今にも人を殺めそうな眼光で二人を睨みつけるメイ。
テンニーンは肩を竦めて目の前の本を開き、デミドランは無視を決め込んでいる。
「もういい!私もお風呂入る!!!」
メイはその場でパジャマを脱ぎ捨て、下着姿のまま着替えを漁って脱衣場に向かった。
「一応僕達『男』なんですけど~?」
本から目を離さず告げるテンニーンに、あんたらには関係ないでしょ!と一括して脱衣場に入る。
脱衣場には大きな洗面台が置いてある。
下着を脱ぎながら、自身の身体を見つめるメイ。
いつもは気にならないが本来の姿とは大分違う。
転移してきた当初と比べて、かなり回復はしてきたが未だに細い手足。
それに肋骨も少々浮き出ている。
胸はあるにはあるが、飛び抜けている訳でも無い。
「そりゃそうか...。」
心はどうであれ、今は10歳の少女なのだ。
色気なんてある訳が無い。
少し霧がかった浴場。
シャワーを浴びて、備え付けのシャンプーやコンディショナー、ボディーソープを使って身体を清めていく。
( このシャンプー髪がキシキシするんだよなぁ…。)
そして三番風呂であろう湯船に首まで浸かる。
ぬるめだが、メイには丁度良い。
「ふぅ~っ...極楽極楽ぅ。」
流れで極楽と言ってみたが、嫌な記憶を思い出す。
( この世界にも、神っているのかな…?)
ブクブクと口元まで湯船に入りかけたが、三番風呂だと思い出し顔を上げる。
神とは、良くも悪くも神気を扱う者達。
神気とは元は魔力だが、そういった物を練り上げたり、はたまた産まれた時から持っていたりで様々な境遇の場合がある。
この前のラプシヌプルクルもそうだ。
日本、それもアイヌの方で信仰されていた神の筈。
この世界では五大古龍がそれに値するのであろう。
「ま、考えるだけ無駄か。」
神というのは気まぐれで、いつどこで何をしているのかも分からない。
人間達に加護を与える事もあれば、ふとした思いつきで災いを起こしたりもする。
( これから戦ってれば、そういうのに会う事になるかもしれないし。)
やっぱり考えていても仕方がないと、のぼせて来る前に湯船から脱出する事にした。
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