枢軸国

よもぎもちぱん

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独コ戦争

熾烈を極める追撃戦

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「隊長!!」

先頭車両のミヒャエル ヴィットマンの乗る戦車の履帯がべろりと剥がれる

「クソ!俺の事はいい!進み続けろ!祖国へ勝利を献上するにはヤツを仕留めなければならないのだ!」

動けなくなっても砲身や旋回装置は生きているので戦車砲を絶えず撃ち続ける
まずはそれにコミー戦車の砲塔に被弾。砲撃が不能になる。
しかし、その直後に味方戦車がヴィットマンの前方に進撃。
ミヒャエル車は誤射を鑑み攻撃を停止。そんなヴィットマンの車両を横目にメルト マイヤー率いる中隊は1時離脱。メルト クニスペルはエンジンを最大限に吹かし、何とか敵車両に追いつこうとする

「履帯だ!履帯を狙え!」

クニスペルが無線内で叫ぶ。その瞬間、追撃していたドイッテスト戦車隊の砲口が一斉にコミー戦車の履帯に向けられる

「撃てぇええ!」

一斉射撃により、コミー戦車2両の履帯が外れ、行動が著しく遅くなる。

「Черт! Серьезно!」

しかし、被弾したコミー戦車を倒さなければ近づくまでにドイッテスト側にも被害が生じる。どうにかして倒そうとクニスペルが考えていた時だった。



「撃て!!」


先程離脱したマイヤー車両はコミー側面に回り込み、鈍くなった戦車2両に砲撃。正確な狙いでコミー戦車を擱座させる。

(しかしなぜ…なぜ奴らは撤退し続けているのだ…?)

「Черт! Топливо на исходе」(クソ!燃料切れだ!)

「襲いかかれ!仲間の仇を討つんだ!」

コミー戦車は燃料切れで停車した。それを一挙に追いかけるドイッテスト機甲師団。しかし、ドイッテスト側もフルスロットルで走り続けていたので燃料が無くなり立ち往生する事になる
さらに丘が邪魔をしてギリギリコミー戦車を撃ち抜くことが出来なかった。側面から回り込んだメルト マイヤー中隊は敵の射程内におり、このままでは何も出来ずに爆散させられることを察したのか即座に下車し、自陣に逃亡する



「クソ!救援はいつ来るんだ!」

「あいつの重要性を本部は何も理解しちゃいない!」

「しかも寒いしよ…車両内から出れねぇな…」

後ろを振り返れば撃破された戦車が至る所にあり、複雑な気持ちになる。外で会話する戦車兵の顔を寒さが突き刺す。

「燃料が来ねぇと何も出来ねぇ…あぁ、一時的な判断に全員が流された…」

「いや…間違いじゃねぇ。あれを持ち帰らせて量産させられたらそれこそ俺らの負けが決定する。俺らの任務はあのバケモンを叩き潰すことだ。」

「明日…夜明けと共に出撃する。奴らを必ず…撃滅するんだ!ハイル ヘンケラー!」

「「ハイル ヘンケラー!!」」

右手を斜め上に空へ向けて掌を地面に向け掲げる。
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