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傭兵

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 リタって意外と毒舌なんだなぁ。
 
 決してリタの前で口には出せないそんな思いを抱えながら自宅を出ると、庭いじりをしているアルゴスが声をかけてきた。

 「お、どこに行くんすか旦那」

 この男はユグルドが僕に付けてくれた傭兵で、SPみたいな役目を担っている。ただ、その本職の仕事がないときはこうして自宅の庭いじりやら、買い出しやら、とにかく雑用をしてくれているみたいだ。本人的にもそれはそれで楽みたいで「危なくないに越したことないっすよねー。命あっての物種だし」だなんてタバコをふかしながら言っていた。

 「ちょっとユグルドに会いに行こっかなーって」
 「それならちょっと着替えてくるんで、旦那はそこで少し待っててくれ!」

 アルゴスは普段、少々雑な物言いをするが意外とマメな男のようで、庭いじりで汚れた服を着替えて来るようだ。まぁ、会いに行くのがユグルドだし、斡旋してくれた人にちゃんと仕事してますよアピールかもしれんが

 「お待たせっす!いざ行かん!」
 「いつも元気だなほんと」

 アルゴスの歳は僕の5個ほど上らしいが、お互いほとんど気を遣わない口調で話している。

 「いやー、今日は特にルンルンっすよ!なんてったって昨日の夜、ガキの頃好きだったアンジェリカちゃんと数年ぶりに会ってきたんすよー!」
 「ルンルンっておっさんが使うとキツイな」

 このいろいろ軽すぎる男に限って、今まで一途にアンジェリカちゃんを好きってことはないだろうし、ただ単に可愛い女の子とメシに行ったのが嬉しかったんだろうな。

 「アンジェったらもう俺にメロメロで!俺だけにって特別な話までしてくれちゃって!」
 「脳みそがないのはアルゴスかアンジェリカちゃんかどっちだ?」
 「さっすが旦那は面白い冗談言うねー!俺もアンジェも体中脳みそでパンパンよ!」

 他の臓器は?
 
 「そいでね、アンジェが俺と新しいビジネスやろうって!」
 「ほう、ビジネス?」
 
  ビジネスを始めるのなら傭兵はやめてしまうのか、だとしたら新しく応募しないとな。
 
 「ちなみにどんなことやるの?」
 「詳しいことはまだ俺も聞かされてないんすけどね、とりあえず始めるにあたって100万ゴールド払ってほしいって言われて…」
 
 このゴールドとはお金の単位で、日本円とそんなに差はない。

 「今は人集めをしなきゃで、俺の知り合いを2人紹介すると5万ゴールドもらえるらしいんすよ!そして最初に払った100万ゴールドは来年には全額戻ってくるらしいす!というわけで、旦那もこのビジネスに乗っかってみません?」
  
  
 
  「よかった、まだ新しい傭兵は探さなくてよさそうだ。」
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