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有能
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「なかなか面白い爺さんだったっすね!旦那ぁ」
ゼルさんの家から自宅へ帰る途中、アルゴスはタバコを吸いながら思い出し笑いを止められないでいた。話の途中で寝ていたアルゴスは僕の大声で起きたらしく、ハイになっているゼルさんを叱っている僕を見て、ツボにハマってしまいゲラゲラ笑っていた。面白いかどうかはともかく、薬物の危険性を説いておきながら自分は薬物中毒なんて、ミイラ取りがミイラになっているのもいいとこだ。あんな人を権威って呼んでいいのか、大丈夫か異世界。
「あの爺さんのポーション飲んだ旦那も、あんな風になっちゃうかもっすねぇ」
「怖いこと言うなよ…」
一回しか飲んでないしポーション中毒にならないことを願いたい。そういえば、僕は飲んだときにハイにならなかったのは、耐性があるかもしれないってゼルさんが言っていたが、その辺り少し調べてみないとな。
そんな話をしつつ自宅に戻ると、今日の仕事を終えたであろうリタが、帰り支度をしているところだった。
「おかえりなさいませ。ちょうど定時ですし仕事もキリが良いところだったので、帰らせていただこうかと」
「あぁ、お疲れさま。実はさっきゼルって人に会えたから、話していた知人には紹介してもらわなくてもいいよ」
「そうでしたか、実は私もその知人に偶然会えまして、そのゼルという方は薬で頭がおかしくなってるのと言うので、他の方を紹介していただきました」
「あはは!旦那ってばユグルドさんにとんでもない爺さんを紹介されたんすねぇ!」
もはやあの爺さんがラリってるのは周知の事実なのかよ…。ユグルドのやつも知ってて紹介したな。
「…いや、もう知りたいことは知れたから、申し訳ないけどもう調べなくていいよ」
「そうですか、お役に立てず申し訳ありません…」
リタの狐耳が少しシュンとしている。意外と感情が出るみたいで可愛いな。
「いやいや!むしろ余計な仕事増やしてごめんっていうか!いつもリタ君は仕事が早くて助かってるし!」
「ふふ、ありがとうございます」
口もとに手を当てリタは微笑んでいる。美人は本当に何しても様になるな。
「そういえばもうすぐお祭りですね。私の日頃の働きを労っていただいてもいいですよっ」
今の時期は日本でいうところの秋に近く、実りの季節だ。この時期になると普段から物資や人の流れが多いネーヴェはさらに多くなるため格好の商機であり、それに合わせてお祭りを開催することで、街の一大イベントにしている。当然、ネーヴェ最大の商会であるファーレンハイト商会は、祭りの運営から臨時の出店を開いたりと大忙しなのだが、ユグルドには「カイトは仕事はいいから楽しんでおいで。できれば面白いものがあれば買ってきてくれたら嬉しいけど」と言われており、リタとアルゴスを連れて祭りを楽しもうと話していたのだ。
「そりゃあもちろん、僕の感謝の気持ちを見せてあげるよ」
「まじっすか!じゃあ祭りの日俺は財布持ってかないですぜ」
アルゴスは庭いじりくらいしかしてないだろ。それと大の大人が財布を持たないのはやめなさい。
「ふふふっ、すごく楽しみですね!では今日のところはこれで」
「あぁ、また明日」
リタを見送り、夕飯を何にしようか考えながらキッチンに向かうと、食卓に2人分の食事が用意されていることに気づいた。この家は職場兼、僕とアルゴスの住居となっているのだが、リタが作ってくれたのだろう。
「お!リタ嬢のメシ美味いんすよねぇ!」
お前はさっきたらふくお菓子食ってただろう。まったくリタのやつ、お祭りの日はいくら持っていこうか…。
ゼルさんの家から自宅へ帰る途中、アルゴスはタバコを吸いながら思い出し笑いを止められないでいた。話の途中で寝ていたアルゴスは僕の大声で起きたらしく、ハイになっているゼルさんを叱っている僕を見て、ツボにハマってしまいゲラゲラ笑っていた。面白いかどうかはともかく、薬物の危険性を説いておきながら自分は薬物中毒なんて、ミイラ取りがミイラになっているのもいいとこだ。あんな人を権威って呼んでいいのか、大丈夫か異世界。
「あの爺さんのポーション飲んだ旦那も、あんな風になっちゃうかもっすねぇ」
「怖いこと言うなよ…」
一回しか飲んでないしポーション中毒にならないことを願いたい。そういえば、僕は飲んだときにハイにならなかったのは、耐性があるかもしれないってゼルさんが言っていたが、その辺り少し調べてみないとな。
そんな話をしつつ自宅に戻ると、今日の仕事を終えたであろうリタが、帰り支度をしているところだった。
「おかえりなさいませ。ちょうど定時ですし仕事もキリが良いところだったので、帰らせていただこうかと」
「あぁ、お疲れさま。実はさっきゼルって人に会えたから、話していた知人には紹介してもらわなくてもいいよ」
「そうでしたか、実は私もその知人に偶然会えまして、そのゼルという方は薬で頭がおかしくなってるのと言うので、他の方を紹介していただきました」
「あはは!旦那ってばユグルドさんにとんでもない爺さんを紹介されたんすねぇ!」
もはやあの爺さんがラリってるのは周知の事実なのかよ…。ユグルドのやつも知ってて紹介したな。
「…いや、もう知りたいことは知れたから、申し訳ないけどもう調べなくていいよ」
「そうですか、お役に立てず申し訳ありません…」
リタの狐耳が少しシュンとしている。意外と感情が出るみたいで可愛いな。
「いやいや!むしろ余計な仕事増やしてごめんっていうか!いつもリタ君は仕事が早くて助かってるし!」
「ふふ、ありがとうございます」
口もとに手を当てリタは微笑んでいる。美人は本当に何しても様になるな。
「そういえばもうすぐお祭りですね。私の日頃の働きを労っていただいてもいいですよっ」
今の時期は日本でいうところの秋に近く、実りの季節だ。この時期になると普段から物資や人の流れが多いネーヴェはさらに多くなるため格好の商機であり、それに合わせてお祭りを開催することで、街の一大イベントにしている。当然、ネーヴェ最大の商会であるファーレンハイト商会は、祭りの運営から臨時の出店を開いたりと大忙しなのだが、ユグルドには「カイトは仕事はいいから楽しんでおいで。できれば面白いものがあれば買ってきてくれたら嬉しいけど」と言われており、リタとアルゴスを連れて祭りを楽しもうと話していたのだ。
「そりゃあもちろん、僕の感謝の気持ちを見せてあげるよ」
「まじっすか!じゃあ祭りの日俺は財布持ってかないですぜ」
アルゴスは庭いじりくらいしかしてないだろ。それと大の大人が財布を持たないのはやめなさい。
「ふふふっ、すごく楽しみですね!では今日のところはこれで」
「あぁ、また明日」
リタを見送り、夕飯を何にしようか考えながらキッチンに向かうと、食卓に2人分の食事が用意されていることに気づいた。この家は職場兼、僕とアルゴスの住居となっているのだが、リタが作ってくれたのだろう。
「お!リタ嬢のメシ美味いんすよねぇ!」
お前はさっきたらふくお菓子食ってただろう。まったくリタのやつ、お祭りの日はいくら持っていこうか…。
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