これがあたしの王道ファンタジー!〜愛と勇気と装備変更〜

プリティナスコ

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前略、絶叫と強襲と

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「うわぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

「いたぞ!」「あそこだ!」「追え!」

 なんだかとても久しぶりに感じる。このどうしようもないから、叫びながら走るってのは。

 当然といえば当然のことだけど、あたしはこの街では、テンカ塾から脱走したお尋ね者。
 思い思いの武器をもった不良たちに追われながら街を駆け抜ける!

 少し前に地下からでてきてすぐに、学校と思わしき建物へと向かった。街の中心だし、そこにアニキさんもいるだろうと。

「結果、今に至ると……」

 あたしの知っている学校よりも、少し古く感じたけど、見慣れた感じの玄関に入るとそこから大騒ぎ。
 あっちこっちから不良が飛び出してきて追いかけ回された。今はなんとか潜伏中。

「敵の本拠地に無闇に近づいてはいけない」

 たとえ、どんなにハイになっていても。口にだして復唱。
 今日だけで2つも賢くなった。最近のあたしの成長ぶりには目を見張るものがある。

「こっちにいたぞぉーー!!」
「ヤバい!また見つかった!」

 実は今、移動中に考えついた、最高に知的な作戦の為に街を走り回っている。
 目指すは道具屋……酒場……うん、そのあたりかな。

「ぐぁっ!……卑怯……だぞ……」

「ごめんなさい!いただいていきます!」

 道具屋を強襲、裏口から入り鮮やかな手際で。
 目当ての物を探すのに少し時間がかかったけど問題なく入手。
 完全な不意打ちは主人公らしくはなかったけど、それもあたしらくていい。
 なんていう言葉で誤魔化しておくことにした。

 途中、追っ手を1人1人撃破しながら次の目的地に向かう。あぁもう!多すぎるよ!
 
 まさか、これが天使の言っていたハーレムか?
 よし、将来絶対に殺すリストの順位をあげておこう。

 そんなこんなで酒場の前まできたけど、ここにはまだあたしの事が伝わってないのかな?
 『テンカ』が他とは違う街であっても酒場は酒場。
 冒険者が集まり賑わうところだ、中では騷しく、それでいて楽しそうな、冒険者たちの声が聞こえてくる。

「これなら穏便にいけるかな?」

 あたしは何食わぬ顔で酒場に入ることにした。

「すいませ~ん、あたし、お使いでして」

 装備変更?白いワンピースに着替え、酒場で買い物をする。

「おや、なにが欲しいんだい?」

「えっとぉ……」

 おぉ!服装のおかげなのかなにも聞かれない。よし、このまま怪しまれないように買い物を……

「めっちゃ酔えるお酒を樽でお願いします!」

「お前脱走者だな!」

 バレた!?いや待ってよ!それだけで脱走したまで、バレることはないでしょ!?

「再教育が終わった娘たちはな……お酒が二十歳からなのを知ってんだよ!」

「こんな時だけ急に常識ぶらないでよ!」

 そんなのあたしでもわかってるよ!でも異世界なんでしょ!?
 なんだってネオスティアは、あたしの世界の厄介な常識を引きずるのか、仕方がない。

「どうしても樽でもらっていきますからね!」

「みんなの健全な将来の為に!」

 なんだかあたしの将来を気にされてる、別に飲むつもりはないんだけどなぁ。
 やっぱりあたしとは思想が合わないだけで、この街もまた、ネオスティアという温かな異世界の一部なんだと、あらためて感じる事ができた。
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