動物好きだとは言いましたが、犬に転生させろとは言ってません! ~チートフェンリルさんによる101匹ワンワン領地運営&軍団形成~

白石新

文字の大きさ
30 / 38

ゴブリンの巣穴を襲いました その1

しおりを挟む

 そして3日後。



 今日はいよいよ決行の日だ。





【経験値が一定値に到達。レベルが上がりました】





 そんなアナウンスを聞きながら、ゴブリンの巣穴が視認できる場所――茂みに隠れて私は懐かしの生誕の地を眺める。



 あの時は体も小さかったし、後ろも振り返らずに必死こいて逃げたもんね。



 でも、今、私はこれからあの巣穴を……蹂躙すべきターゲットとして……どっしりと構えて眺めているわけだ。



 なんだか感慨深いけど、まあ、それはさておき。









 とりあえずはこちらの陣営の確認だね。



 私が大将兼軍師として、それで弟君は副官というか私の警護。

 王宮とかでいうと親衛隊みたいな感じかな。



 日本でいうと織田信長の母衣衆とかみたいな側近中の側近って感じ……いや、母衣衆はちょっと違うかな?



 ともかく、ボスの回りいるお付きの者って感じだ。



 いや、ただ私から離れてくれないだけなんだけどね。

 あと、弟君に付き従う感じで元・ガリガリ組はガチンコで私の親衛隊みたいな感じになっている。



 ちなみにこの子たちの役割は既に終わっていて、メインは≪仕込み≫の手伝いだ。



 種族念話はつながりや絆が強い方が伝わりやすいので、少しでも付き合いの長いからって感じかな。



 ともかく、アイテムボックスに敷き詰められた大量の枯れ枝を獲得した時点で、この子たちの役目は終了。



 まあ、仕掛けの周囲での仕留め担当はやってもらうけど、突入班には組み入れていない。



 っていうかのも、この子たち……元ガリガリ組みだけあって、平均レベルがめっちゃ低いんだよ。



 思わぬ反撃にあった時、生存の可能性は他の子たちに比べて低いだろう。







 で、突撃メンバーは蛇の道は蛇ということで、クロ君が指揮を執ることになっている。



 ――良いんですかヒナタさん? 貴方に楯突いた俺に……そんな大役を……



 ――良いんだよクロ君。昔のことは水に流そう



 ――おお……おおお……ヒナタさん! なんて器のデカさなんだ! 俺はあんたに一生ついていきますぜ!



 最後のほうは何故か山賊とかチンピラの三下っぽい口調だった……いや、私の脳内でそう翻訳されただけなんだけどさ。



 まあ、現実問題として長らく巣穴のボスをやってたから、現場での細かい指揮の以心伝心は私よりは効くのは間違いない。



 なんだかんだで新参者だからね私。狩りの時とかでも細かい指示はクロ君のが上手く伝わるし。





 ――ともかくヒナタさん! 俺たちはどんな危険にも顧みない! 全員があんたに命を預けてますから!



 ああ、そこは大丈夫なんだけどね。

 と、言うのも今日の完勝は既に確定してるに等しい。



 っていうか、思惑通りにいってなかったらこのまま戦闘に入らずに逃げるもんね。



 ゴブリンってのは純粋な個体戦闘能力は魔狼よりはめちゃくちゃ弱い。



 けれど、不味い相手であって楽勝ということではない。



 一対一なら余裕なんだけど、今回みたいに巣穴丸ごとみたいな総力戦になればなるほど、我が魔狼軍は不利になるのだ。



 なんでかというと、理由はこんな感じだね。





・クロ君曰く、巣穴には総計300のゴブリン、こちらは50程度



・賢くはないけどアホ過ぎるということもない。恐らくは魔狼よりは知能は高い



・武器や防具を持っているので単純なステータスだけでは力量は分からない



・集団戦闘を前提としている



・事実、ゴブリンに魔狼が狩られることもあるし、危険度が高いので今までクロ君たちはゴブリンの巣穴を見逃している





 ちなみに、以前に私は巣穴全体で30~50と予想していたけど、調理場はあそこだけではなかったようだ。

 あのコックさんが作っていたのは王族とか幹部とかの分だったんだろうね。



 と、まあこんな感じでゴブリンがこの森で生き抜く力というのは、要は知恵だ。



 個々人の力量不足を、道具を使い、群れを作って連携してカバーしている。



 本当に生命っていうのは強かなもので、個体が弱いならばそれを補う能力ってもんがあるんだね。



 でもね、ゴブリンさんたちよ。キミたちが賢いとしても、それは所詮は動物のレベルで賢いという意味なんだよ。





 ――私、人間だかんね!





【経験値が一定値に到達。レベルが上がりました】





 良し、神の声も聞こえてきた。



 実は合計3回レベルアップがあったんだけど、どんどん間隔が短くなってるんだよね。



 これで、中の大惨事は確定だ。今回は安全にみんなに経験値を取得させるという趣旨もあるので、そろそろ頃合いだろうかね。





 ――良し、みんな? 突撃の準備は良い?





 念話で伝えると、そこかしこから「ワオーン!」と、遠吠えが上がった。



 ってことで、会戦の狼煙のろしも上がっちゃったので、ボチボチしている暇はない。



 そうして、私たち全員は茂みからゴブリンの洞窟へと続く穴に向けて駆けだしたのだ。





 あ、ちなみに……なんでレベルが上がったかというと、それは――
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】 普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます) 【まじめなあらすじ】  主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、 「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」  転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。  魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。  友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、 「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」 「「「違う、そうじゃない!!」」」  これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。 ※他サイトにも投稿中 ※旧タイトル 病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

処理中です...