29 / 38
ゴブリンの巣穴にリベンジかけることになりました
しおりを挟む今日はみんなにはお休みの日と伝え、クロ君を連れて森に出てみた。
ちなみに弟君も一緒だ。
というか、この子は基本的に私から離れないんだよねー。
どうにも私のことをお姉ちゃんを通り越して、お母さんか何かと思っているらしく……散歩するにもお昼寝するにも常にくっついてくるんだよね。
隙あらば顔を舐めてこようとするし、ベッタリされて甘えられて疲れる時がある。
まあ、可愛いから良いけどさ。
で、クロ君は、スキあらば私に服従のポーズを取ってくる。
そして、何か……チンチンのポーズを命令してもらいたいっぽいんだよね。
実際にやらせてみると、顔はやっぱり滅茶苦茶恥ずかしそうなんだ。
けど、微かに尻尾も振ってるし……何だか嬉しそう。
実は羞恥プレイ好きのドMだったのかもしれないねこの子。
まあ、面白いから乗ってあげるんだけどさ。
ってことで本題に戻ろう。
何で今日は少数精鋭で出かけているかっていうと、ちょっと面倒な相手のところに偵察に行くからなんだよね。
ゾロゾロ引き連れているところを目撃させると警戒させる可能性が高いってことだ。
私たちが向かっている先は……ズバリ、ゴブリンの巣穴だ。
何でゴブリンの巣穴かというと、簡単にいうと武器調達だね。
私の持っている包丁は小魔狼だった時はかなり有効な武器だった。
けれど、魔狼に進化した今となっては牙でやったほうが強いレベルなんだよね。
だって錆びてるから。
それでオークが持っていたナイフはさびてなかったので試し切りしてみると……間違いなく牙より強いことが分かった。
それでクロ君曰く「オークはハグレを時折見かけますが、この辺りには基本はいなくて……ここいらじゃあその武器はゴブリンが良く持ってる武器ですね」っていう感じになったので、詳しく聞いてみた。曰く――
・連中、錆びてない武器も持ってる
・ナタ
・剣
・斧
・他にも胴当てとかカブトとか鎖帷子とか持ってる
防具系は手の指が無いと無理だろうけど、武器は多分……私だけじゃなくてみんなも使える。
事実、弟君は既に使えるしね。
まあ、成り行きでボスになっちゃったんだけど、愛着はやっぱあるのよ、みんな可愛いし。
実際問題、魔石を集めてレベルを上げて獣人系に進化したら……私は新しいボスに任せて巣立ちみたいなことにはなるんだと思う。
でもそれは将来的な話で、今はみんなは私の仲間で、部下で、そして大切なモフモフ成分なんだ。
故に――私にはみんなを守る義務がある
生存競争の話だから、狩りとかで命を落としたりすることもあるだろう。
けれど、その危険性を可能な限りに排除はしてあげたいよね。
――ところでヒナタさん?
と、そんな感じで念話でクロ君が語りかけてきた。
――ん? なんだい? クロ君?
――ゴブリンをやる気なんですか? ところで知ってますか? ゴブリンの魔石のことなんですが……
――ふむ、ゴブリンの魔石がどうしたというのだね?
――肉は食えたもんじゃありませんが、魔石がめっちゃ美味しいんです
しばし私は押し黙る。
そうなんだ……ゴブリンの魔石って美味しいんだ……。
へー……そうなんだ。
私と弟君を食べようとしてたゴブリンの魔石って美味しいんだ……。
――ね、ね、姉さん? 何かめっちゃ悪い顔してるよ!?
と、弟君がビビりながらそんな感じのことを言ってきたので、これはいかんと私はキリっとした表情を作る。
まあ、食うか食われるか。
やっぱりこれは自然界の掟であり、定めなのである。
決して「よくも人を食料扱いしやがって! 仕返ししてやる!」とか、そういうリベンジ的な感情はないのである。
――だから姉さん、悪い顔してるよ!?
いかんいかん。
本音ってのはどうして顔に出てしまうんだろうか。
ともかく、意趣返しはさせてもらって、魔石はたっぷりと食べさせてもらいましょうか。と、まあそんなこんなで――
――私、ゴブリンの巣穴を襲って武器を強奪しようと思います!
0
あなたにおすすめの小説
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】
普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます)
【まじめなあらすじ】
主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、
「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」
転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。
魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。
友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、
「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」
「「「違う、そうじゃない!!」」」
これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。
※他サイトにも投稿中
※旧タイトル
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる