オタクの青春

希望

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連絡先が増える

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「その制服コスプレなんだ。確かにこの辺の高校ではないかなと思ってたけど」

制服のコスプレはする人があまりいないからな。だけど可愛い。中條先輩も制服になれたのか恥ずかしさは感じない。

「菅井様って東京出身ですよね?なんで千葉県で働いているんですか?」

「私千葉で一人暮らししてるんだ」

よく親が許可だしたな。お金持ちだから厳しいと思ったが自由にする方針なのか。てことはこれのバイト社会勉強の一環か。

「現役アイドルがバイトしてるなんてファンが殺到しそうですねぇー」

「今のところばれたの土御門くんだけだね」 

雰囲気で分からないものかねぇー。こんだけ上品ならよく見ればファンなら気づくと思うが。これがねるだったらもっと早く気づく。

「まぁばれないに越したことはないですね」

「土御門くんは観察眼が鋭いんだねー」

まぁ霊気を覚えてればもっと早く気づけたが、霊気を覚えてるのはねるとるんくらいだ。家も探ろうと思えばできるがプライベートまで踏み込むのどうかと思ってやってない。というかそんれはストカーと変わらないしな。

「まぁ人と話すのに感情を読み取んなきゃいけないですからね。ぼっちは常に気を遣っているので」

「悲しい理由だね。後敬語じゃなくていいよ」

「分かった。ぼっちは思考力が高いからな、あらゆることを想定してる」

「そんなに深く考えなくてもいいと思うけとなぁー」

リア充みたいに反射神経で会話なんて高度なことはできないんだよ。どれを言ったら不味いか考えないとぼっちは味方がいない分反撃がでかいんだよ。

「あ、駅着いたね」

「ぶぅー二人だけ仲良さそうでずるいですよぉー」

「そりゃアイドルなんだから話したくもなるだろう」

推しのグループのメンバーと話せるんだぞ。こんな機会ないかもしれないレベル。しかもライブで見ると上品でお嬢様感あるし。むしろこれでしゃべらないやつがいたら女子が好きなのか疑うレベル。

「ふふありがとうね。推しは誰なの?」

「ねるとるんだ」

「そこはゆっかーだよというタイミングじゃないの?」

「好きだが、嘘はつきたくないからな」

後でどこがいいと聞かれても困るし。取って付けたような感じだとばれるからな。それにしても菅井様はモデルみたいな笑顔を見せるんだな。

「なぜ勇気には美少女が集まるんだ!」

「それは徳を積んだからですよぉー。家康さんは下心ありすぎなんですよ」

それはあるなあいつ美少女と話すとき鼻の下伸ばしまくってるし。俺は結菜でなれたから内心はどう思ってようがならない。

「そのロリコンとしゃべり方と服装を直せば彼女できるんじゃないか?」

家康はイケメンだから結構本気で思ってたりする。まぁ治すきないだろうけど。

「なに我のアイデンティティがなくなってしまうではないか!つまり彼女はできないってことか」

やっぱり治す気はないんだな。黙ってればちょっとポッチャリなイケメンなのに。もったいない。

幽霊も黙ってればたありだなーと言っている。俺の感覚がずれてるわけじゃないようだ。

「それにしてもすごいね土御門って名門でしょ」

「今はそんなにお金持ちじゃないぞ」

華族制度が廃止されて土地結構手放したからな。今は小金持ちくらいだ。しかも本家じゃなくて分家だし。家は大きいが。

「でも憧れるなー。名家の出身って」

「しきたりとかあって面倒だぞ。それに菅井様の家の方が今ならお金を持っているだろう」
 
占いで政治家は来るがそんなに頻繁にはこないから修行してるときが多い。俺も跡取り候補だがらそれなりに修行はやっている。滝行とか意味があるのか分からんが。

「そうかもね、やっぱりお見合いとあるの?」

「あるな、まぁ大抵断られてるんだけど」

俺がオタク的な話をすると大体引いて断りの連絡をいれてくる。そんなにオタクはダメか?

「私はそれで助かってるんですけどぉー」

「へぇーそうなんだ。あ、連絡先交換しよ」

「いいぞ、これで連絡先が家族以外だと、中条先輩、家康、菅井様だ」

イヤーまさか現役のアイドルの連絡先をゲットできるってファンが聞いたら血涙を流すぐらいだ。ねるの連絡先を誰かもしれないやつがゲットしたと思ったらそいつを抹殺するレベル。

「少なくない?なんか悲しくなってきたんだけど」

「ぼっちだからな」

「我を忘れるな」

「家康は知り合いだ。それ以上でもそれ以下でもない」

「何を言っておろう。我と勇気の祖先は江戸を結界で囲って末長く続いた江戸幕府の基礎を築いたではないか」

「だまれ中二病。家康公はもっと偉大だ。ナンパしまくってるやつとは違う」

俺は歴史好きだ。だから家康が自分は生まれ変わりだと言っているのが少し腹が立つのだ。家康はなにも成してないからな。

「我だって政治家としてこの国の政治を変えるのだ」

「それは家康の生まれ変わりと信じてるから政治家になりたいだけだろう。失礼だぞ本気で政治家を目指してるやつに」

政治家は中二病ででてもインパクトはあるがそれ止まりだ。ここで中二病を治すのもありだろう。むしろ治してもらわなきゃ俺が同類にされて困る。

「我は教育を変えると言う夢があるのだ。だから相棒であるお主にもそれを支援してほしい」

「いや俺は専業主夫を目指してるから無理だ」

何が好きで政治家みたいなマスコミに追われまくる職種に着かなきゃならんのだ。それからも家康はなんとしても協力してくれと言ってきたが断った。


















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