主人公の幼馴染みの俺だが、俺自身は振られまくる

希望

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一悶着

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やがて食べ終わると。俺達は談笑していた。楓の会話とも負けず劣らず楽しい時間だ。もちろん恋愛的な目では見てないぞ。すると利奈は目のハイライトを消した。俺なにもやってないよね?もしかして心の声が聞こえた?そんな超常現象的なことが起こるはずないか。 
 
「お兄様なぜ私と話してるときに、他の女のことを考えるのですか?そんなにその女がいいんですか?やっぱり処した方がいいでしょうか?」

思考読んでるのかよ。超常的なこと起きてるよ。顔にでもでていたか?それでも俺は楓のことが好きになってくれたんだ邪魔はさせないぞ。

「利奈落ち着け、確かに好きな人のことを考えていたが、そいつと話すくらい気分が良くて楽しかったってことだ」

「私とその女は同レベルってことですか?やっぱり滅するべきでしょうか」

利奈は無表情になりながら、俺のことジーと見て言った。ヤンデレはどこに地雷があるか分からないから、対応しづらい。これが血が繋がってなければ好きになったかもしれないが。だが血は繋がっているから、好きにはならない。だからこのヤンデレになるのをどうにかしたいものだが、それはなかなか難しいだろう。ヤンデレは別の好きな人ができるまで続くからな。

「滅するなよ。利奈だって大切なんだから、利奈が警察に捕まるのを見たくない」

「警察に捕まったら、お兄様に迷惑がかかるので、止めておきますが、勘違いさせる行動は許しませんからね」
 
今回は勘違いじゃない。楓は俺のこと好きなはずだ。デートだってしたし、好きでもない相手と外で二人きりで会ったり、勉強したりはしないだろう。それに野球だって、見に来てくれたしな。投げてる姿を見てキュンとしてるに違いない。それだけこの前のピッチングは良かったしな。

「そうしてくれ。食べ終わったから、利奈はもう帰るだろう」

「そうですね、できれば一緒に下校したいですが、他の先生に見つかると面倒なので、ここらで退散しておきます」

そう言って帰ろうとしたが、ふと利奈は振り向いて、ふふと笑顔を見せた後、放課後楽しみにしていますと言って、扉からでた。さすがに学校から離れたところだよな、学校の近くとかだと嫉妬で死ねる。

「はぁー。多分周りに自分の物だから、手を出すなとアピールするんだろうな」

そう思いながら、昼練してる人達も見て、よくテスト前でもやるなぁーと思いながら。マッカンを飲んだ。この甘さは不安を和らげてくれる。
 
そして6限まで終わって、放課後になった。せめて楓には見つからないでほしいわ。楓に勘違いされたくないからな。そう願いながら、そそくさと帰る準備をした。義孝はまだ美少女と話しているようだ。まぁあいつはバイト18時からで、学校から直接行くから、余裕があるのだろう。そんなことを考えながら、俺は用意を終えると、靴箱に来て、靴にはきかえた。そして校門の近くに行くと、何だか騒がしい。まるで芸能人が来たような。

「おいあの可愛い子誰だよ」

「天使がおる」

「また近江の手の出していない美少女!これはナンパするしかないな」

遠目から見たが、明らかに利奈だった。見つからないように帰るか。ここで一緒に帰ったら、めんどくさいやつに絡まれそうだし、周りにもしつこく聞かれそうだしな。優花のときも野球部の奴らに紹介してとうるさかったからな。

俺は息を殺し、ここから離れようとすると、利奈がこっちを満面の笑みを浮かべながら来た。はぁー見つかったか、面倒だな。何をしてくるか分からないし。

「あ、理くんここにいたんですね」

お兄様ではなく、下の名前呼び。これは楓や周りの奴らに対する牽制か。私達は付き合っているから諦めてねという。周りにいる生徒にもアピールして、周知の事実にしようとしてるな。

周りには予想通り、あいつと付き合ってるのかよといった視線を向けられる。中には嫉妬で歯軋りをしてるやつもいる。そしてあるイケメンが近寄ってきた。

「君、こいつと付き合ってるのかい?それなら別れて、僕と付き合わないかい?お金持ちだしいいこともできるよ。それに僕の方がイケメンだしね」

義孝から、名前は聞いたことある。立石というイケメンだな。義孝の周りの美少女にちょっかいをかけているという。その美少女達に顔だけのイケメン屑やろうと言われている。

「顔だけで近寄ってきて、なおかつ顔だけのイケメンには興味ないんで、帰ってください。それとよく私の理くんを侮辱しましたね。次言ったら、潰しますよ」

冷気を纏って、冷徹に言い放った。立石はひっと悲鳴をあげた後、俺を見て、覚えておけよと言った後、去っていった。去り際が負け犬の雑魚だろ。

「それじゃ理くん一緒に帰りましょう」

さっきの冷気を潜めて、満面の笑みで言ってきた。

「はぁーそうだな。とりあえず、下の名前で呼ぶのは止めてくれ。勘違いされる」

「むしろそっちの方が好都合です。理くんの好きな人にも、理くんは私のものだと、アピールできるので。それに美少女に下の名前で呼ばれるの萌えません?」

恐らく俺の家にあるラノベでも読んだんだろう。確かに下の名前で呼ばれるのは萌えるが、実の妹にそれをやられると、そいうプレーみたいに感じるから、止めてくれるとありがたい。変態みたいな感じになるからな、このまんまだと。後腕を組んでくるな。ものすごい殺気が俺にきている。これが義孝の気分か。よく耐えられらなあいつ。こんなの毎日向けられたら、気が狂うわ。

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