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高校生編
第21話 同窓会
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そして3月となり、朋花は土曜日に瞳を連れて実家に向かう。
「私の予定に付き合わせてごめんね」
「ううん、大丈夫だよ。おじいちゃんとおばあちゃんがご馳走を用意してくれるって言っていたから今日が楽しみだったんだ」
道中、瞳に謝る朋花に対して、瞳は全然気にしていないことを伝えた。
そして、実家に到着した2人はしばらくゆっくりと過ごし、夕方になると朋花だけが出掛ける用意をする。
「それじゃあ、行ってくるね。今日は遅くなるから瞳は先に寝ていてね。お母さん、瞳のことをよろしくね」
各々家族に声を掛けてから朋花は家を出た。
そして、同窓会の会場である地元の宴会場へと向かう。
そこは成人式の時に行われた同窓会と同じ会場であり、懐かしい地元の景色を堪能しながら会場へ歩みを進めた。
朋花が会場に足を踏み入れると既に集合していた人達が何人もいた。
周りを見渡しながら朋花は懐かしさと時の流れを感じる。
みんな歳を取ったなあ。
まあ、私もだけど。
仲の良かった友達を見つけて声を掛けると話が弾み、同窓会が始まるまで楽しい一時を過ごした。
やがて、同窓会が始まったため、一度席に座り、学生時代の写真のスライドショーなどを眺める。
皆が画面を見つめる中、朋花は時折、周りを見渡していた。
あの人は来ているかな。
そう思いながら会場全体を見渡していると目当ての人物を見つける。
あっ、見つけた!
来ていてよかった。
変わり過ぎて誰か分からない人もいたが、ある人だけは見間違わない。
それは朋花の初恋の人、佐藤くんであった。
一通りの進行が終わり、残りは歓談となったところで朋花は席を立ち、然り気無く初恋の人物に近付く。
すると、向こうも朋花の姿に気付いたようで声を掛けてくれた。
「岸井さんだよね?久しぶりー!元気だった?」
「うん、おかげさまで元気にやってるよ。佐藤くんこそ変わってないね。元気にしてた?」
爽やかな笑顔で声を掛けられて朋花の気持ちがときめく。
中学生時代は誰にでもフレンドリーな佐藤に片思いしていたが、それを伝えることは無く、学生時代が過ぎ去っていった。
もうその気持ちは忘れていたと思っていたが、実際に話すと朋花の気持ちは再び高まることとなる。
そんな朋花の気持ちを知らない佐藤はいつも通りのテンションで話をする。
「俺はまあぼちぼちかな。いろいろあって最近こっちに帰ってきたんだけど、やっと落ち着いたよ。そういや噂で聞いたけど、お母さん業に励んでいるんだろう?」
まさか瞳を引き取って育てていることを知っていると思わず、朋花は驚いた。
少し慌てながらもお互いに近況報告を行い、その後、連絡先を交換してその場を離れた。
あー、緊張したわ。
この年齢になってもこんな気持ちになるなんて思ってもいなかったわ。
でも、いろいろ話せて楽しかったし、連絡先も交換出来てよかった。
その後も懐かしい面々と話が弾み、朋花が帰宅したのは夜遅い時間となっていた。
「私の予定に付き合わせてごめんね」
「ううん、大丈夫だよ。おじいちゃんとおばあちゃんがご馳走を用意してくれるって言っていたから今日が楽しみだったんだ」
道中、瞳に謝る朋花に対して、瞳は全然気にしていないことを伝えた。
そして、実家に到着した2人はしばらくゆっくりと過ごし、夕方になると朋花だけが出掛ける用意をする。
「それじゃあ、行ってくるね。今日は遅くなるから瞳は先に寝ていてね。お母さん、瞳のことをよろしくね」
各々家族に声を掛けてから朋花は家を出た。
そして、同窓会の会場である地元の宴会場へと向かう。
そこは成人式の時に行われた同窓会と同じ会場であり、懐かしい地元の景色を堪能しながら会場へ歩みを進めた。
朋花が会場に足を踏み入れると既に集合していた人達が何人もいた。
周りを見渡しながら朋花は懐かしさと時の流れを感じる。
みんな歳を取ったなあ。
まあ、私もだけど。
仲の良かった友達を見つけて声を掛けると話が弾み、同窓会が始まるまで楽しい一時を過ごした。
やがて、同窓会が始まったため、一度席に座り、学生時代の写真のスライドショーなどを眺める。
皆が画面を見つめる中、朋花は時折、周りを見渡していた。
あの人は来ているかな。
そう思いながら会場全体を見渡していると目当ての人物を見つける。
あっ、見つけた!
来ていてよかった。
変わり過ぎて誰か分からない人もいたが、ある人だけは見間違わない。
それは朋花の初恋の人、佐藤くんであった。
一通りの進行が終わり、残りは歓談となったところで朋花は席を立ち、然り気無く初恋の人物に近付く。
すると、向こうも朋花の姿に気付いたようで声を掛けてくれた。
「岸井さんだよね?久しぶりー!元気だった?」
「うん、おかげさまで元気にやってるよ。佐藤くんこそ変わってないね。元気にしてた?」
爽やかな笑顔で声を掛けられて朋花の気持ちがときめく。
中学生時代は誰にでもフレンドリーな佐藤に片思いしていたが、それを伝えることは無く、学生時代が過ぎ去っていった。
もうその気持ちは忘れていたと思っていたが、実際に話すと朋花の気持ちは再び高まることとなる。
そんな朋花の気持ちを知らない佐藤はいつも通りのテンションで話をする。
「俺はまあぼちぼちかな。いろいろあって最近こっちに帰ってきたんだけど、やっと落ち着いたよ。そういや噂で聞いたけど、お母さん業に励んでいるんだろう?」
まさか瞳を引き取って育てていることを知っていると思わず、朋花は驚いた。
少し慌てながらもお互いに近況報告を行い、その後、連絡先を交換してその場を離れた。
あー、緊張したわ。
この年齢になってもこんな気持ちになるなんて思ってもいなかったわ。
でも、いろいろ話せて楽しかったし、連絡先も交換出来てよかった。
その後も懐かしい面々と話が弾み、朋花が帰宅したのは夜遅い時間となっていた。
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