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第一章
疫病の影、小夜の葛藤と行動
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少納言家の屋敷は、高い塀と厳重な門によって、外界の喧騒と疫病の脅威から隔絶されているはずだった。しかし、日を追うごとに、その厚い壁も、人々の心の奥底に忍び寄る不安を完全に遮断することはできなくなった。御簾越しに聞こえる都のざわめきは、次第に不気味な静寂と、時折響く人々の呻き声へと変わっていった。女房たちのひそやかな話し声も、いつしか疫病の恐ろしさや、身近な者の死の噂で満たされるようになる。高価な香が焚かれ、呪術的な加持祈祷が頻繁に行われる邸内でも、小夜の心は決して安らぐことはなかった。
小夜は自身の身の安全が守られていることを知っていた。しかし、その安寧が、都で苦しむ無数の人々の犠牲の上に成り立っていることに、胸を締め付けられるような思いを抱いていた。湯殿で肌を清め、清らかな衣を纏うたびに、外の泥にまみれ、病に苦しむ人々の姿が脳裏をよぎる。食膳に並べられた豪華な料理も、喉を通らなかった。
「姫様、どうかお召し上がりくださいませ。これではお体が弱ってしまいます」
乳母のお芳は、心配そうに小夜の顔を覗き込んだ。お芳は、小夜の身の安全と健康を何よりも案じていた。彼女にとって、この災厄は「もののけ」の仕業であり、小夜のような清らかな姫君が外界の穢れに触れることなど、あってはならないことだった。
「お芳、わたくしは…」
小夜は言葉を選んだ。どう説明すれば、この胸の内にある、抑えきれない衝動を理解してもらえるだろう。
「この屋敷の中で、ただ無力に座していることが、わたくしには耐えられませぬ。外では、多くの人々が苦しんでいるというのに…」
「姫様!そのようなことを口になさってはなりません。貴族の姫君が、市井の穢れに触れることなど、あってはならぬこと!それが姫様の定め、そしてこの少納言家の務めなのです!」
お芳は、厳しい口調で小夜を諭した。彼女の声には、小夜への深い愛情と、家門の伝統を守る者としての強い責任感が滲んでいた。小夜もまた、お芳の気持ちが痛いほどに理解できた。それでも、彼女の心は、決して平静を保つことができなかった。
小夜は、兄の朝臣が、疫病対策のために市井に出向くことを知っていた。朝臣は毎日、早朝から屋敷を出て、夜遅くに疲労困憊の様子で戻ってくる。彼が持ち帰る、都の惨状の断片的な話を聞くたびに、小夜の胸の内では、ある思いが強く膨らんでいった。
ある日の夕暮れ、小夜は自身の部屋で、一首の和歌を詠んでいた。それは、いつもの雅やかな恋歌や四季の歌ではなかった。
「水底(みなそこ)に 沈む命の 泡沫(うたかた)か 浮き世の闇に 光見えざり」
この歌は、疫病によって失われていく命の儚さ、そして、闇に覆われた都の絶望を表していた。しかし、歌を詠むほどに、小夜の心は「光」を求める思いで満たされていく。ただ嘆いているだけでは何も変わらない。自分に何ができるかはわからなくとも、この目で真実を見たい。そして、もしできることならば、何かを成したい。
その夜、小夜は決意を固めた。兄の朝臣が明日、再び市井の疫病患者の小屋を視察に行くことを知っていたからだ。彼女は、お芳が寝静まるのを待ち、ひそかに自身の部屋を抜け出した。高価な十二単ではなく、侍女たちが普段着るような簡素な小袖を選び、顔を隠すために薄い羅の布を身につけた。足元は、普段履き慣れない草履だった。
屋敷の奥から、慣れない足取りで廊下を進む。足音を立てぬよう、息を潜めて、庭の奥にある通用口へと向かった。夜の闇に包まれた庭は、昼とは全く異なる表情を見せていた。風に揺れる木々のざわめきが、まるで誰かの囁き声のように聞こえ、池の水面が月明かりを反射して不気味に揺らめく。普段なら、こんな夜に一人で庭に出るなど、小夜には考えられないことだった。しかし、今は、胸の奥から湧き上がる衝動が、彼女を突き動かしていた。
通用口の戸は、警戒が厳しくなっているとはいえ、屋敷の奥で暮らす姫君が逃げ出すとは誰も思わないため、意外にも簡単に開いた。外に出た瞬間、小夜は鼻腔を刺激する、それまで嗅いだことのない様々な匂いにたじろいだ。泥と埃、人々の汗、そして、どこか遠くから漂ってくる、生と死の混じり合ったような、形容しがたい匂い。彼女がこれまで知っていた都は、雅やかな香と、清らかな水音、そして美しい花々の香りしか存在しなかった。しかし、今、目の前にあるのは、五感を全て使い、ありのままを受け止めなければならない、真実の都の姿だった。
小夜は、朝臣の後を追うように、人々の影に紛れて路地を進んだ。羅城門をくくると、道はさらに荒れ、ひしめき合う粗末な長屋の間に、狭い路地が迷路のように続く。道端には、病に倒れたのか、力なく横たわる人々が散見された。その姿を見るたびに、小夜の心は激しく揺さぶられる。御簾越しに想像していたものとは、比べ物にならないほどの、生々しい苦しみがそこにあった。
不安と恐怖が入り混じり、足がすくみそうになる。しかし、彼女の瞳は、一点の曇りもなく、目の前の現実を見据えていた。この場にいる自分は、姫君ではない。ただの一人の人間として、この都の現実を、この目で確かめたい。
やがて、朝臣の一行が、ひときわ多くの人々が集まっている小屋へと入っていくのが見えた。小夜は、物陰に身を隠しながら、その小屋の入り口へと近づいていく。小屋からは、多くの人々の咳き込む声と、苦悶の呻きが聞こえてくる。鼻を衝く腐臭は、それまで嗅いだことのないほど強烈だった。
小夜は、意を決して小屋の入り口に立った。薄暗い小屋の中は、病に苦しむ人々でごった返していた。希望を失った人々の瞳が、小夜の目に焼き付く。その光景は、彼女がこれまでに見たどの絵巻物よりも、どの歌物語よりも、現実的で、そして、心を抉るものだった。
その中で、小夜は一人の少女の姿を捉えた。粗末な小袖を纏い、顔には煤と汗が滲んでいたが、その少女は、病に倒れた人々の間を縫うように動き、懸命に彼らの世話をしていた。汗を拭き、水を飲ませ、そっと背をさすってやる。彼女の顔には疲れが滲んでいたが、その瞳は、諦めを知らない強い光を宿していた。まるで、この絶望的な闇の中で、唯一の希望の光を放っているかのようだった。
小夜は、その少女から目が離せなかった。これまで、貴族の姫君として「もののけ」と教えられてきた市井の人々の中に、これほどまでに清らかで、強い意志を持つ者がいるとは、彼女の想像を遥かに超えていた。
この出会いが、小夜の心を捉え、彼女の人生の歯車を大きく動かすことになるとは、この時の小夜は知る由もなかった。
小夜は自身の身の安全が守られていることを知っていた。しかし、その安寧が、都で苦しむ無数の人々の犠牲の上に成り立っていることに、胸を締め付けられるような思いを抱いていた。湯殿で肌を清め、清らかな衣を纏うたびに、外の泥にまみれ、病に苦しむ人々の姿が脳裏をよぎる。食膳に並べられた豪華な料理も、喉を通らなかった。
「姫様、どうかお召し上がりくださいませ。これではお体が弱ってしまいます」
乳母のお芳は、心配そうに小夜の顔を覗き込んだ。お芳は、小夜の身の安全と健康を何よりも案じていた。彼女にとって、この災厄は「もののけ」の仕業であり、小夜のような清らかな姫君が外界の穢れに触れることなど、あってはならないことだった。
「お芳、わたくしは…」
小夜は言葉を選んだ。どう説明すれば、この胸の内にある、抑えきれない衝動を理解してもらえるだろう。
「この屋敷の中で、ただ無力に座していることが、わたくしには耐えられませぬ。外では、多くの人々が苦しんでいるというのに…」
「姫様!そのようなことを口になさってはなりません。貴族の姫君が、市井の穢れに触れることなど、あってはならぬこと!それが姫様の定め、そしてこの少納言家の務めなのです!」
お芳は、厳しい口調で小夜を諭した。彼女の声には、小夜への深い愛情と、家門の伝統を守る者としての強い責任感が滲んでいた。小夜もまた、お芳の気持ちが痛いほどに理解できた。それでも、彼女の心は、決して平静を保つことができなかった。
小夜は、兄の朝臣が、疫病対策のために市井に出向くことを知っていた。朝臣は毎日、早朝から屋敷を出て、夜遅くに疲労困憊の様子で戻ってくる。彼が持ち帰る、都の惨状の断片的な話を聞くたびに、小夜の胸の内では、ある思いが強く膨らんでいった。
ある日の夕暮れ、小夜は自身の部屋で、一首の和歌を詠んでいた。それは、いつもの雅やかな恋歌や四季の歌ではなかった。
「水底(みなそこ)に 沈む命の 泡沫(うたかた)か 浮き世の闇に 光見えざり」
この歌は、疫病によって失われていく命の儚さ、そして、闇に覆われた都の絶望を表していた。しかし、歌を詠むほどに、小夜の心は「光」を求める思いで満たされていく。ただ嘆いているだけでは何も変わらない。自分に何ができるかはわからなくとも、この目で真実を見たい。そして、もしできることならば、何かを成したい。
その夜、小夜は決意を固めた。兄の朝臣が明日、再び市井の疫病患者の小屋を視察に行くことを知っていたからだ。彼女は、お芳が寝静まるのを待ち、ひそかに自身の部屋を抜け出した。高価な十二単ではなく、侍女たちが普段着るような簡素な小袖を選び、顔を隠すために薄い羅の布を身につけた。足元は、普段履き慣れない草履だった。
屋敷の奥から、慣れない足取りで廊下を進む。足音を立てぬよう、息を潜めて、庭の奥にある通用口へと向かった。夜の闇に包まれた庭は、昼とは全く異なる表情を見せていた。風に揺れる木々のざわめきが、まるで誰かの囁き声のように聞こえ、池の水面が月明かりを反射して不気味に揺らめく。普段なら、こんな夜に一人で庭に出るなど、小夜には考えられないことだった。しかし、今は、胸の奥から湧き上がる衝動が、彼女を突き動かしていた。
通用口の戸は、警戒が厳しくなっているとはいえ、屋敷の奥で暮らす姫君が逃げ出すとは誰も思わないため、意外にも簡単に開いた。外に出た瞬間、小夜は鼻腔を刺激する、それまで嗅いだことのない様々な匂いにたじろいだ。泥と埃、人々の汗、そして、どこか遠くから漂ってくる、生と死の混じり合ったような、形容しがたい匂い。彼女がこれまで知っていた都は、雅やかな香と、清らかな水音、そして美しい花々の香りしか存在しなかった。しかし、今、目の前にあるのは、五感を全て使い、ありのままを受け止めなければならない、真実の都の姿だった。
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