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第三章
迫る縁談、小夜の葛藤
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疫病の猛威は、確かに衰え始めていた。賀茂忠行(かも の ただゆき)をはじめとする陰陽師たちの祈祷が効を奏したのか、あるいは季節の移ろいによるものか、都を覆っていた死の影は、少しずつ薄れ始めていた。人々の顔には、わずかばかりの安堵の色が戻り、止まっていた祭事も、少しずつ再開の兆しを見せ始めていた。しかし、疫病が去った後に残されたのは、荒廃した市井の現実と、より一層強固になる身分制度の壁だった。貴族たちは再び、その格式と権威を誇示し始め、市井の人々は、その支配の下で、元の厳しい生活へと引き戻されていく。
少納言家の屋敷にも、平穏が戻りつつあった。しかし、小夜(さよ)の心には、その平穏はむしろ重くのしかかっていた。疫病の混乱が収まるにつれ、源 経隆(みなもと の つねたか)との縁談は、最終段階へと進められていた。婚儀の具体的な日程が決められ、結納の品々が届けられ、屋敷は祝言の準備で慌ただしくなっていった。女房たちは皆、姫君の素晴らしい縁談を心から喜び、小夜の周囲は祝福の言葉で満たされていた。
「姫様、ご覧くださいませ。これは源様からお納めくださった小袖でございます。織りも染めも、これほど見事なものはございませんわ」
お芳(およし)は、金糸銀糸で豪華な文様が織り出された美しい小袖を広げ、小夜の前に差し出した。その輝きは、まるで春の日の光を閉じ込めたかのようだった。しかし、小夜の目に映るのは、その輝きではなく、この衣を纏うことで、自分が貴族の姫君としての役割に、完全に縛られる未来だった。
「お芳…」
小夜は、その小袖に触れることさえできなかった。彼女の脳裏に浮かんだのは、夕霧(ゆうぎり)が身につけていた、質素な藍色の小袖だった。泥にまみれ、色褪せてはいても、そこには「生」の温かさと、強靭な生命力が宿っていた。経隆の贈る小袖は、確かに美しい。しかし、それはまるで、小夜自身の心を、完璧な形に閉じ込めてしまう箱のように感じられた。
夕食の席では、父である少納言が、満足げに経隆との縁談の進展を語った。
「経隆殿は、実に申し分のない若君だ。文武に優れ、人柄も申し分ない。帝からの信任も厚い。お前が彼の妻となれば、この少納言家の地位も揺るぎないものとなろう」
父の言葉は、小夜の耳には、自身の価値が家門の繁栄と結びつけられる、重い鎖のように響いた。小夜は、父の言葉を否定する術を持たなかった。貴族の姫君として生まれた自分は、家門のために、定められた道を歩むべきなのだと、頭では理解していた。しかし、心は、決して納得できなかった。
夜、小夜は自身の部屋で、そっと御簾を上げた。庭は月明かりに照らされ、静寂に包まれていた。しかし、小夜の心は、激しい嵐の中にいるかのようだった。
「わたくしは…本当に、これで良いのだろうか」
彼女の問いは、誰に聞かせるでもなく、夜の闇に吸い込まれていった。経隆は、確かに絵に描いたような貴公子だった。彼の和歌は優美で、言葉遣いも丁寧だった。しかし、小夜が彼の隣に立つ自分を想像すると、なぜか心が冷えていくのを感じた。彼との会話は、いつもどこか上滑りで、彼の瞳の奥に、小夜の心を真に理解しようとする光を見出すことはできなかった。彼は小夜の美しさを褒め、教養を称賛したが、小夜が市井の人々を案じる気持ちや、閉塞した貴族社会への問いかけには、全く気づいていないようだった。
「あなたの和歌には、深淵なものがございますな。まるで、この世の全てを悟っておられるかのようだ」
以前、経隆が小夜の歌を評した言葉が脳裏に蘇った。その言葉は、小夜にとっては褒め言葉ではなく、むしろ疎外感を覚えるものだった。彼の言う「深淵」とは、小夜が市井で見た苦しみや、夕霧のひたむきな生き様から感じ取った「真実」とは、かけ離れたものだと感じたからだ。
小夜は、日を追うごとに、自身の身体から活力が失われていくのを感じていた。食欲は落ち、夜は寝付けず、昼間も倦怠感がまとわりついた。お芳は、小夜の体調を心配し、侍医を呼んだり、滋養のある食事を用意したりしたが、小夜の苦しみが、身体的なものではないことを理解することはできなかった。
ある日の午後、小夜は、御簾の奥で、夕霧と交わした和歌をしたためた文をそっと広げた。墨痕鮮やかに書かれた夕霧の素朴な歌は、小夜の心を温かく包み込んだ。
「闇夜にも 星は輝く 名もなき草 踏まれし後に 花咲かすかな」
夕霧の歌は、自身の境遇を歌いながらも、そこに絶望はなく、ひたむきな希望と、困難に立ち向かう強い意志が込められていた。この歌を詠むたびに、小夜は夕霧の澄んだ瞳と、人々に寄り添う温かい手を思い出す。彼女が心を震わせたのは、経隆の洗練された歌ではなく、この素朴で、しかし力強い夕霧の歌だった。
もし、自分が経隆と結婚すれば、もう二度と夕霧に会うことはできないだろう。身分違いの交わりは、貴族社会において許されざる罪であり、家門の名を汚す行為と見なされる。お芳の厳しい監視は、疫病の収束とともに、以前にも増して厳しくなっていた。小夜が市井に出る機会は、最早皆無と言ってもよかった。
小夜は、自身が閉じ込められているこの貴族の牢獄から、どうしても逃れたいと願った。それは、単なる自由への渇望ではなかった。夕霧という、真実の光を見せてくれた存在と、共に生きたいという、切なる願いだった。
しかし、その願いを口にすれば、どれほどの波紋を呼ぶか、小夜は十分に理解していた。父は怒り、母は嘆き、そして家門全体が揺らぐだろう。何よりも、夕霧に危険が及ぶ可能性も考えられた。彼女は、自身が背負う家門の重さと、夕霧への秘めたる想いの間で、激しく引き裂かれていた。
小夜は、自らの手で、経隆から贈られた豪華な小袖を、そっと畳んで箱にしまい込んだ。その感触は、冷たく、彼女の心まで凍らせるかのようだった。結納の品々は、部屋の隅に山と積まれていく。それらが一つ増えるごとに、小夜の心に重い鎖が絡まっていくようだった。
ある日の夕暮れ、小夜は屋敷の奥深くにある、小さな祠(ほこら)へと足を運んだ。代々、少納言家の女性たちが、密かに願いをかける場所だった。小夜は、そこに静かに座り込み、目を閉じた。
「もし、この願いが叶うのであれば…」
彼女は、心の奥底で、誰にも聞かれぬように、たった一つの願いを込めて祈った。それは、この定められた運命から逃れ、夕霧と共に生きていきたいという、禁断の願いだった。しかし、その願いが、どれほど困難な道へと自分を導くことになるのか、この時の小夜は、まだ知る由もなかった。彼女の心は、まさに絶望と、かすかな希望の狭間で、激しく揺れ動いていた。
少納言家の屋敷にも、平穏が戻りつつあった。しかし、小夜(さよ)の心には、その平穏はむしろ重くのしかかっていた。疫病の混乱が収まるにつれ、源 経隆(みなもと の つねたか)との縁談は、最終段階へと進められていた。婚儀の具体的な日程が決められ、結納の品々が届けられ、屋敷は祝言の準備で慌ただしくなっていった。女房たちは皆、姫君の素晴らしい縁談を心から喜び、小夜の周囲は祝福の言葉で満たされていた。
「姫様、ご覧くださいませ。これは源様からお納めくださった小袖でございます。織りも染めも、これほど見事なものはございませんわ」
お芳(およし)は、金糸銀糸で豪華な文様が織り出された美しい小袖を広げ、小夜の前に差し出した。その輝きは、まるで春の日の光を閉じ込めたかのようだった。しかし、小夜の目に映るのは、その輝きではなく、この衣を纏うことで、自分が貴族の姫君としての役割に、完全に縛られる未来だった。
「お芳…」
小夜は、その小袖に触れることさえできなかった。彼女の脳裏に浮かんだのは、夕霧(ゆうぎり)が身につけていた、質素な藍色の小袖だった。泥にまみれ、色褪せてはいても、そこには「生」の温かさと、強靭な生命力が宿っていた。経隆の贈る小袖は、確かに美しい。しかし、それはまるで、小夜自身の心を、完璧な形に閉じ込めてしまう箱のように感じられた。
夕食の席では、父である少納言が、満足げに経隆との縁談の進展を語った。
「経隆殿は、実に申し分のない若君だ。文武に優れ、人柄も申し分ない。帝からの信任も厚い。お前が彼の妻となれば、この少納言家の地位も揺るぎないものとなろう」
父の言葉は、小夜の耳には、自身の価値が家門の繁栄と結びつけられる、重い鎖のように響いた。小夜は、父の言葉を否定する術を持たなかった。貴族の姫君として生まれた自分は、家門のために、定められた道を歩むべきなのだと、頭では理解していた。しかし、心は、決して納得できなかった。
夜、小夜は自身の部屋で、そっと御簾を上げた。庭は月明かりに照らされ、静寂に包まれていた。しかし、小夜の心は、激しい嵐の中にいるかのようだった。
「わたくしは…本当に、これで良いのだろうか」
彼女の問いは、誰に聞かせるでもなく、夜の闇に吸い込まれていった。経隆は、確かに絵に描いたような貴公子だった。彼の和歌は優美で、言葉遣いも丁寧だった。しかし、小夜が彼の隣に立つ自分を想像すると、なぜか心が冷えていくのを感じた。彼との会話は、いつもどこか上滑りで、彼の瞳の奥に、小夜の心を真に理解しようとする光を見出すことはできなかった。彼は小夜の美しさを褒め、教養を称賛したが、小夜が市井の人々を案じる気持ちや、閉塞した貴族社会への問いかけには、全く気づいていないようだった。
「あなたの和歌には、深淵なものがございますな。まるで、この世の全てを悟っておられるかのようだ」
以前、経隆が小夜の歌を評した言葉が脳裏に蘇った。その言葉は、小夜にとっては褒め言葉ではなく、むしろ疎外感を覚えるものだった。彼の言う「深淵」とは、小夜が市井で見た苦しみや、夕霧のひたむきな生き様から感じ取った「真実」とは、かけ離れたものだと感じたからだ。
小夜は、日を追うごとに、自身の身体から活力が失われていくのを感じていた。食欲は落ち、夜は寝付けず、昼間も倦怠感がまとわりついた。お芳は、小夜の体調を心配し、侍医を呼んだり、滋養のある食事を用意したりしたが、小夜の苦しみが、身体的なものではないことを理解することはできなかった。
ある日の午後、小夜は、御簾の奥で、夕霧と交わした和歌をしたためた文をそっと広げた。墨痕鮮やかに書かれた夕霧の素朴な歌は、小夜の心を温かく包み込んだ。
「闇夜にも 星は輝く 名もなき草 踏まれし後に 花咲かすかな」
夕霧の歌は、自身の境遇を歌いながらも、そこに絶望はなく、ひたむきな希望と、困難に立ち向かう強い意志が込められていた。この歌を詠むたびに、小夜は夕霧の澄んだ瞳と、人々に寄り添う温かい手を思い出す。彼女が心を震わせたのは、経隆の洗練された歌ではなく、この素朴で、しかし力強い夕霧の歌だった。
もし、自分が経隆と結婚すれば、もう二度と夕霧に会うことはできないだろう。身分違いの交わりは、貴族社会において許されざる罪であり、家門の名を汚す行為と見なされる。お芳の厳しい監視は、疫病の収束とともに、以前にも増して厳しくなっていた。小夜が市井に出る機会は、最早皆無と言ってもよかった。
小夜は、自身が閉じ込められているこの貴族の牢獄から、どうしても逃れたいと願った。それは、単なる自由への渇望ではなかった。夕霧という、真実の光を見せてくれた存在と、共に生きたいという、切なる願いだった。
しかし、その願いを口にすれば、どれほどの波紋を呼ぶか、小夜は十分に理解していた。父は怒り、母は嘆き、そして家門全体が揺らぐだろう。何よりも、夕霧に危険が及ぶ可能性も考えられた。彼女は、自身が背負う家門の重さと、夕霧への秘めたる想いの間で、激しく引き裂かれていた。
小夜は、自らの手で、経隆から贈られた豪華な小袖を、そっと畳んで箱にしまい込んだ。その感触は、冷たく、彼女の心まで凍らせるかのようだった。結納の品々は、部屋の隅に山と積まれていく。それらが一つ増えるごとに、小夜の心に重い鎖が絡まっていくようだった。
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