5 / 6
第四章
断ち切る想い、夕霧の決意
しおりを挟む
疫病が去り、都に一見の平穏が戻るにつれ、市井の人々の暮らしは、むしろ以前よりも厳しさを増していた。貴族たちの監視の目は強化され、身分制度の壁は、以前にも増して高く、厚くそびえ立っていた。夕霧(ゆうぎり)が暮らす長屋の周辺も、以前のように貴族の屋敷から抜け出した者が紛れ込むことは稀になり、見慣れない監視の目が光るようになっていた。
夕霧は、小夜(さよ)との密やかな交流が途絶えてから、すでに半月以上が経っていた。最初に小夜が訪れなくなった時、夕霧はただ「忙しいのだろう」と考えていた。しかし、日が経つにつれて、彼女の胸に不安が募り始めた。小夜との時間は、夕霧にとって、貧しい生活の中で見つけた、唯一の光であり、心の安らぎだった。小夜が語る貴族の暮らしは、夕霧にはまるで別世界の物語のようだったが、その中に垣間見える小夜の純粋な心と、市井の人々への眼差しは、夕霧の閉ざされた心を少しずつ開いていった。
「夕霧姉さん、最近元気がないね」
梅(うめ)が、心配そうに夕霧の顔を覗き込んだ。源太(げんた)もまた、いつもの明るさを失った夕霧の姿に、何かを感じ取っていた。
「大丈夫だよ、梅。ただ…少し、疲れているだけさ」
夕霧は曖昧に答えた。小夜のことは、誰にも話せなかった。特に、小夜が少納言家の姫君であることは、源太や梅には決して知られてはならない秘密だった。知られれば、彼らにも危険が及ぶ。
夕霧は、日雇いの仕事で重い荷を運びながら、ひたすら小夜のことを考えていた。彼女が来なくなったのは、縁談が進んでいるからかもしれない。貴族の姫君が、自分のような身分の低い者といつまでも交わりを続けるなど、あり得ないことなのだ。頭ではそう理解しているのに、心が激しく痛む。
ある夜、夕霧は玄斎(げんさい)の庵を訪れた。玄斎は、相変わらず無口に薬草を整理していた。
「玄斎様…」
夕霧は、意を決して切り出した。
「わたくし…このままでは、いけない気がいたします」
玄斎は、ゆっくりと顔を上げた。彼の深い眼差しが、夕霧の心の奥底を見透かすようだった。
「何が、お前をそう思わせる」
玄斎は、短い言葉で促した。夕霧は、小夜との出会いからこれまでのこと、そして、小夜への想いを、初めて玄斎に打ち明けた。言葉にするたびに、胸の奥が締め付けられ、涙が溢れそうになるのを必死に堪えた。
「姫様は、わたくしに…この世には、身分だけではない、真の美しさがあると教えてくださいました。しかし、わたくしのような者が、姫様の隣にいることなど、許されるはずがございませぬ。むしろ、わたくしがそばにいれば、姫様にご迷惑をかけてしまう。わたくしは…姫様を、不幸にはしたくありません」
夕霧の言葉は、震えていた。小夜と出会ってから、彼女の心は、貧しい暮らしの中でも希望に満ちていた。しかし、その希望が、小夜を危険に晒すかもしれないという現実が、夕霧を打ちのめした。小夜の顔に悲しみの影が差すことを想像するだけで、夕霧の心は引き裂かれるようだった。
玄斎は、黙って夕霧の言葉に耳を傾けていたが、やがて、静かに口を開いた。
「世の理(ことわり)は、常に変わらぬ。貴き者は貴く、賤しき者は賤しい。それは、人の力では動かせぬ大きな流れだ。お前は、その流れに逆らおうとしている」
玄斎の言葉は、夕霧の胸に突き刺さった。それは、夕霧がこれまで生きてきた中で、何度も肌で感じてきた、残酷な現実だった。それでも、小夜と出会い、彼女の純粋な心に触れたことで、その現実を一度は忘れかけていたのだ。
「しかし、わたくしは…」
夕霧は、反論しようとしたが、言葉に詰まった。玄斎は、夕霧の視線を受け止めたまま、続けた。
「だが、人の心は、その理とは別のものだ。お前がその姫君を思う心は、偽りではない。それは、尊いものだ。しかし、その尊い心が、相手を傷つけることもある。お前が、その姫君を心から大切に思うのなら、その先に何が待っているのか、よく見極めねばならぬ」
玄斎の言葉は、夕霧の心を深く抉った。彼は、小夜への想いを諦めろとは言わなかった。しかし、その想いがもたらすであろう結果を、夕霧自身に突きつけさせたのだ。
庵を出た夕霧は、夜の闇の中を彷徨った。梅雨の晴れ間、空には朧月が浮かび、都の屋敷からは、遠く笙(しょう)の音が聞こえてくる。その音は、小夜の暮らす世界から響いているかのようだった。
夕霧は、自身がこの都の片隅で、どれほど無力な存在であるかを痛感した。自分には、小夜を守る力がない。彼女が選ぶべき道は、自分のような者とではなく、高貴な身分にふさわしい源経隆との縁談なのだ。それが、小夜の幸せに繋がる道なのだ。
夕霧は、自身の胸に手を当てた。そこには、小夜と交わした和歌が記された文が隠されていた。
「闇夜にも 星は輝く 名もなき草 踏まれし後に 花咲かすかな」
この歌を詠むたびに、小夜がどれほどその歌に心を動かされ、希望を見出してくれたかを思い出す。彼女の純粋な瞳、そして自分に向けてくれた優しい微笑み。それらが、夕霧の心を温かく包み込み、そして、激しく締め付けた。
夕霧は、覚悟を決めた。
「わたくしは…姫様を、守らなければならない。そのためならば…」
彼女は、文を強く握りしめた。その文を、このまま持ち続けることはできない。小夜への想いを、この心から断ち切らなければならない。それが、小夜を真に守る唯一の道なのだと、夕霧は自らに言い聞かせた。
夕霧は、小川のほとりへと足を向けた。夜の闇に紛れて、誰もいないことを確認する。そして、強く握りしめていた文を、ゆっくりと広げた。月明かりに照らされた紙には、小夜の美しい筆跡で、和歌が綴られている。その歌を、もう一度、目に焼き付けるように見つめた。
そして、迷いのない手つきで、その文を破り捨てた。小さな紙片は、風に舞い、小川の水の流れに乗って、闇の中へと消えていった。
夕霧の目から、一筋の涙が流れ落ちた。それは、小夜への想いを断ち切る、痛みに耐えながら流す涙だった。彼女は、自身がこの世で最も大切にしていた光を、自らの手で消し去ったのだ。
「姫様…どうか、お幸せに…」
夕霧の祈りは、夜の闇に溶けていった。しかし、その涙は、夕霧の心の中で、小夜への変わらぬ、そしてより深い愛情の証として、静かに輝き続けるのだった。彼女は、この日から、小夜への想いを秘めたまま、再び過酷な現実の中で、ただひたすらに生き抜くことを決意する。
夕霧は、小夜(さよ)との密やかな交流が途絶えてから、すでに半月以上が経っていた。最初に小夜が訪れなくなった時、夕霧はただ「忙しいのだろう」と考えていた。しかし、日が経つにつれて、彼女の胸に不安が募り始めた。小夜との時間は、夕霧にとって、貧しい生活の中で見つけた、唯一の光であり、心の安らぎだった。小夜が語る貴族の暮らしは、夕霧にはまるで別世界の物語のようだったが、その中に垣間見える小夜の純粋な心と、市井の人々への眼差しは、夕霧の閉ざされた心を少しずつ開いていった。
「夕霧姉さん、最近元気がないね」
梅(うめ)が、心配そうに夕霧の顔を覗き込んだ。源太(げんた)もまた、いつもの明るさを失った夕霧の姿に、何かを感じ取っていた。
「大丈夫だよ、梅。ただ…少し、疲れているだけさ」
夕霧は曖昧に答えた。小夜のことは、誰にも話せなかった。特に、小夜が少納言家の姫君であることは、源太や梅には決して知られてはならない秘密だった。知られれば、彼らにも危険が及ぶ。
夕霧は、日雇いの仕事で重い荷を運びながら、ひたすら小夜のことを考えていた。彼女が来なくなったのは、縁談が進んでいるからかもしれない。貴族の姫君が、自分のような身分の低い者といつまでも交わりを続けるなど、あり得ないことなのだ。頭ではそう理解しているのに、心が激しく痛む。
ある夜、夕霧は玄斎(げんさい)の庵を訪れた。玄斎は、相変わらず無口に薬草を整理していた。
「玄斎様…」
夕霧は、意を決して切り出した。
「わたくし…このままでは、いけない気がいたします」
玄斎は、ゆっくりと顔を上げた。彼の深い眼差しが、夕霧の心の奥底を見透かすようだった。
「何が、お前をそう思わせる」
玄斎は、短い言葉で促した。夕霧は、小夜との出会いからこれまでのこと、そして、小夜への想いを、初めて玄斎に打ち明けた。言葉にするたびに、胸の奥が締め付けられ、涙が溢れそうになるのを必死に堪えた。
「姫様は、わたくしに…この世には、身分だけではない、真の美しさがあると教えてくださいました。しかし、わたくしのような者が、姫様の隣にいることなど、許されるはずがございませぬ。むしろ、わたくしがそばにいれば、姫様にご迷惑をかけてしまう。わたくしは…姫様を、不幸にはしたくありません」
夕霧の言葉は、震えていた。小夜と出会ってから、彼女の心は、貧しい暮らしの中でも希望に満ちていた。しかし、その希望が、小夜を危険に晒すかもしれないという現実が、夕霧を打ちのめした。小夜の顔に悲しみの影が差すことを想像するだけで、夕霧の心は引き裂かれるようだった。
玄斎は、黙って夕霧の言葉に耳を傾けていたが、やがて、静かに口を開いた。
「世の理(ことわり)は、常に変わらぬ。貴き者は貴く、賤しき者は賤しい。それは、人の力では動かせぬ大きな流れだ。お前は、その流れに逆らおうとしている」
玄斎の言葉は、夕霧の胸に突き刺さった。それは、夕霧がこれまで生きてきた中で、何度も肌で感じてきた、残酷な現実だった。それでも、小夜と出会い、彼女の純粋な心に触れたことで、その現実を一度は忘れかけていたのだ。
「しかし、わたくしは…」
夕霧は、反論しようとしたが、言葉に詰まった。玄斎は、夕霧の視線を受け止めたまま、続けた。
「だが、人の心は、その理とは別のものだ。お前がその姫君を思う心は、偽りではない。それは、尊いものだ。しかし、その尊い心が、相手を傷つけることもある。お前が、その姫君を心から大切に思うのなら、その先に何が待っているのか、よく見極めねばならぬ」
玄斎の言葉は、夕霧の心を深く抉った。彼は、小夜への想いを諦めろとは言わなかった。しかし、その想いがもたらすであろう結果を、夕霧自身に突きつけさせたのだ。
庵を出た夕霧は、夜の闇の中を彷徨った。梅雨の晴れ間、空には朧月が浮かび、都の屋敷からは、遠く笙(しょう)の音が聞こえてくる。その音は、小夜の暮らす世界から響いているかのようだった。
夕霧は、自身がこの都の片隅で、どれほど無力な存在であるかを痛感した。自分には、小夜を守る力がない。彼女が選ぶべき道は、自分のような者とではなく、高貴な身分にふさわしい源経隆との縁談なのだ。それが、小夜の幸せに繋がる道なのだ。
夕霧は、自身の胸に手を当てた。そこには、小夜と交わした和歌が記された文が隠されていた。
「闇夜にも 星は輝く 名もなき草 踏まれし後に 花咲かすかな」
この歌を詠むたびに、小夜がどれほどその歌に心を動かされ、希望を見出してくれたかを思い出す。彼女の純粋な瞳、そして自分に向けてくれた優しい微笑み。それらが、夕霧の心を温かく包み込み、そして、激しく締め付けた。
夕霧は、覚悟を決めた。
「わたくしは…姫様を、守らなければならない。そのためならば…」
彼女は、文を強く握りしめた。その文を、このまま持ち続けることはできない。小夜への想いを、この心から断ち切らなければならない。それが、小夜を真に守る唯一の道なのだと、夕霧は自らに言い聞かせた。
夕霧は、小川のほとりへと足を向けた。夜の闇に紛れて、誰もいないことを確認する。そして、強く握りしめていた文を、ゆっくりと広げた。月明かりに照らされた紙には、小夜の美しい筆跡で、和歌が綴られている。その歌を、もう一度、目に焼き付けるように見つめた。
そして、迷いのない手つきで、その文を破り捨てた。小さな紙片は、風に舞い、小川の水の流れに乗って、闇の中へと消えていった。
夕霧の目から、一筋の涙が流れ落ちた。それは、小夜への想いを断ち切る、痛みに耐えながら流す涙だった。彼女は、自身がこの世で最も大切にしていた光を、自らの手で消し去ったのだ。
「姫様…どうか、お幸せに…」
夕霧の祈りは、夜の闇に溶けていった。しかし、その涙は、夕霧の心の中で、小夜への変わらぬ、そしてより深い愛情の証として、静かに輝き続けるのだった。彼女は、この日から、小夜への想いを秘めたまま、再び過酷な現実の中で、ただひたすらに生き抜くことを決意する。
0
あなたにおすすめの小説
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
無用庵隠居清左衛門
蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
花嫁御寮 ―江戸の妻たちの陰影― :【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】
naomikoryo
歴史・時代
名家に嫁いだ若き妻が、夫の失踪をきっかけに、江戸の奥向きに潜む権力、謀略、女たちの思惑に巻き込まれてゆく――。
舞台は江戸中期。表には見えぬ女の戦(いくさ)が、美しく、そして静かに燃え広がる。
結城澪は、武家の「御寮人様」として嫁いだ先で、愛と誇りのはざまで揺れることになる。
失踪した夫・宗真が追っていたのは、幕府中枢を揺るがす不正金の記録。
やがて、志を同じくする同心・坂東伊織、かつて宗真の婚約者だった篠原志乃らとの交錯の中で、澪は“妻”から“女”へと目覚めてゆく。
男たちの義、女たちの誇り、名家のしがらみの中で、澪が最後に選んだのは――“名を捨てて生きること”。
これは、名もなき光の中で、真実を守り抜いたひと組の夫婦の物語。
静謐な筆致で描く、江戸奥向きの愛と覚悟の長編時代小説。
全20話、読み終えた先に見えるのは、声高でない確かな「生」の姿。
花嫁
一ノ瀬亮太郎
歴史・時代
征之進は小さい頃から市松人形が欲しかった。しかし大身旗本の嫡男が女の子のように人形遊びをするなど許されるはずもない。他人からも自分からもそんな気持を隠すように征之進は武芸に励み、今では道場の師範代を務めるまでになっていた。そんな征之進に結婚話が持ち込まれる。
剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末
松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰
第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。
本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。
2025年11月28書籍刊行。
なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる