独立不羈の幻術士

ムルコラカ

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第三章

第五十六話 親友からの肯定

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 シェーナは一体何を言い出すのか。

 私が、素晴らしい? 親友が口にした言葉はあまりに実感から遠く、すぐには自分のことを指しているのだということすら飲み込めなかった。

 的外れだ、よしみからくる贔屓目だ、……頭の中では真っ向から否定する言葉が飛ぶ。

 しかし、それらはぐるぐると思考の内側を巡るばかりで、ただの一言も口からは出てこなかった。

 あの、いつも聡明で凛々しく、決して他人に弱みを見せないシェーナが……泣いている。

 その事実が、普段決して目にすることのない親友の涙が、私の舌を麻痺させて言葉を奪ってしまっていたのだ。

「聴いてシッスル。私、この間も言ったよね? 私達が出会った時の、シッスルとサレナさんに助けられたって話」

 覚えている。エルフ――リョス・ヒュムであることを理由に他の子供達から虐められていた幼いシェーナを、通りがかった私と師匠で助けたことだ。

 グランドバーン支部で荒れた冒険者達と一悶着を起こして、危ういところをシェーナに助けてもらった後に、彼女からしみじみとその話を語られた。

 シェーナの原点。この【幽幻世界】における私と彼女の出会いであり、終生の友人として私と共に在る為にシェーナが守護聖騎士を目指す切っ掛けになった出来事でもある。

 枕を並べて寝ながら初めて親友が打ち明けてくれた、大切な思い出だ。忘れる筈が無い。だけど、こうして改めて口にされるまで、私の中では既に色褪せつつあった。

「シェーナには悪いけど……あの時も、私は成り行きで割って入っただけだよ。師匠が居なかったら、きっと……見て見ぬふりをしてたと思う」

「そんなことは分かっているわ」

 シェーナは意外なことを言った。顔を涙で歪めながらも私の目を真っ直ぐ見つめる親友が、全てお見通しとばかりに不器用な笑みを作る。

「私もあなたも、まだほんの子供だったんだから。誰だって、多数を相手に反対の声を上げるのは怖いわ。サレナさんという後ろ盾があったからこそ、あの時のシッスルは勇気を出してくれたんだって、ちゃんと理解してる」

「それなら、どうして……?」

「たとえ状況次第であの結果が変わっていたとしても、あの時のあなたの行動は本物だった」

 その言葉は。

 震えも嗚咽も一切混じらない、揺るがぬ確信の響きが伴っていた。

 意識の全てが、霧が晴れるように研ぎ澄まされてゆく。ずっと見えなかったものが、シェーナの言葉で僅かにその輪郭を覗かせていた。

「虐められていた私を助けようとしてくれたのは、シッスル。いじめっ子達に最初に立ち向かってくれたのは、シッスル。エルフと呼ばれて忌み嫌われた私を、最初に受け入れてくれたのは――シッスルなんだよ」

「でも……! それは……!」

「それに、シッスルはミレーネさん捜索の時も、私達の肩を持ってくれた!」

 なおも抗弁しようとする私に覆いかぶせるように、シェーナは西のダンジョンで起きたことを持ち出した。

「私達だけを先遣隊として送ることを渋っていた団長を、説得してくれた! その後にオーガと遭遇した時だって、防戦一方の私達を命懸けで援護してくれたわ!」

「あれは、シェーナ達の尻馬に乗っかったってだけだし……! オーガの時だって、結局役に立たなくて、デイアンさんを犠牲に……!」

「でも、私はそれで助かった!」

 シェーナはきつく眦を吊り上げ、怒りを含む口調で断言した。

「シッスルの勇気で、最悪の事態は防げた! オーロラの調査の時も、ダール丘陵での戦いの時もよ! 誰が否定しようと、たとえシッスル自身が認められなくても、私は知ってる! あなたの勇気が、どれだけ周りに力を与え、どれだけ周りの助けになってくれたのかを!」

「シェー、ナ……!」

 『勇気』――。私にとって一番必要で、でも決して手に入らないと思っていたもの。自分の人生を選び取るのに、最も重要な心の働き。

 逃げてばかりいるから、無縁のものなのだとずっと思っていたし、今もそうだ。

 それでもシェーナは、私にそれがあると言ってくれるのか?

「シッスル、私はあなたを信じる。あなたが言った通り、この世界が夢で、このまま滅びてしまってもみんな現実に帰還するだけなんだとしたら、このまま此処で時を見送っているのも悪くないわ。どんな結末を迎えようとも、あなたと二人で最後まで共に居たい。だって私は、あなたの騎士で――親友ですもの」

 滂沱の涙を流しながらも、シェーナはクシャクシャになった笑みを無理やり浮かべて見せる。

「シッスルの好きなように、心の赴くままにしてほしい。でもただひとつだけ、考えるのを拒否して、立ち尽くすことだけはしてほしくない。進むも、戻るも、立ち止まるも、全てあなたが自分で考えて、ちゃんとその上で決断してほしいの。あなたの勇気が、導き出した答えに私は殉じたい」

 自分で考えて、自分で答えを決める――。その為の勇気が、私の中にもちゃんと備わっている。

 シェーナの言葉が、閉ざされた私の心を塗り替えてゆく。何もない闇から、鮮やかな色彩に満ちた場所へと私の意識を引っ張り出す。

 不思議なものだった。シェーナの望みを、私に掛ける期待を、私はもう重荷には感じなくなっている。これまでずっと見たことがなかった、彼女の涙を見たせいだろうか。

「あ、はは……! シェーナ、普段の美人が台無しだよ」

「構いやしないわ、シッスルしか見てないもの」

 魔灯石の青い光だけが照らす秘密通路で、私とシェーナは不格好な泣き笑いをお互いに向け合う。繋いだ手の平からじんわりと熱が広がり、私達二人を満たしてゆく。

 そのぽかぽかとした温かさが、凝り固まった私の心をついに解きほぐした。

「……うん、分かったよシェーナ。私に、全てを委ねてくれてありがとう。まだ、全部をちゃんと素直に受け止めきれたわけじゃないけど、シェーナの言いたいことはちゃんと伝わった」

 シェーナは何も言わず、ただ満足気に頷いた。これ以上、言葉は要らない。

 ――行こう。無言の内に私達は通じ合い、手を繋いだままどちらともなく駆け出した。

 この道の先にある、最後の運命を決める場所へと。


◆◆◆


 どれだけの時間、走っていただろうか。

 五分、十分……実際はそこまでいかなかったかも知れない。

 何処までも長く伸びているような印象を受けた秘密通路も、ついに終わりに差し掛かる。

 魔灯石の光によって浮かび上がる、突き当りの階段。降りてきた時と殆ど同じ構造をしていたそこを、私とシェーナは一目散に駆け上がった。

 階段を踏むと自動的にそうなるような仕掛けが施されていたのか、特に開閉装置らしきものを操作せずとも頭上の闇に切れ込みが入り、徐々にスライドしてその口を広げてゆく。

 地下のカビ臭い空気と入れ代わるように流れ込んできたのは、外の新鮮な空気と――。

「……戦闘の音!? 誰か、そこで戦っているの!?」

 断続的に響く怒号と剣戟。新鮮だと思った空気にも、濃厚な血と肉の生臭さが混じっていると気付く。

「シッスル、下がって!」

 頼れる騎士の顔に戻ったシェーナが素早く私を背後に押し戻し、慎重に外の様子を伺う。

「あれは、粛正隊!? 魔族と戦っているの!?」

 シェーナの声が、端的に状況を伝えてくれる。私はシェーナの制止を押し退けて、一気に外へと躍り出た。

「大鐘楼……!」

 天を衝くかのように伸びる高塔と、その頂上に吊り下げられた巨大な鐘がすぐさま目の中に飛び込んでくる。ブロム団長の教えてくれた隠し通路は、大鐘楼のすぐ近くまで繋がっていたのだ。

「シッスル、あそこ!」

 目的地に目を奪われていた私は、シェーナの声でようやくその状況に気付いた。

 大鐘楼と中央神殿を繋ぐ渡り廊下、すなわち先日私達が通った夢幻回廊の外壁に大きな穴が空いていた。コウモリのような翼を生やした人型の魔族と、そいつが従えていると思しき大量の黒い鳥型の魔物が、そこから中へ侵入しようと群がっている。

 人垣を作ってそれを押し留め、なんとか押し返そうとしているのは、あの派手な鎧で身を固めた騎士達だった。ユリウス大主教直属の精鋭、粛正隊――。

「シェーナ、援護しよう!」

 シェーナが口を開く前に私がそんなことを言ったので、彼女が驚きの眼差しを向けてくる。その目をしっかりと見返して、私ははっきりと告げた。

「夢幻回廊に敵を侵入させるわけにはいかないよ! 粛正隊に加勢して、あいつらを蹴散らそう!」

「……了解!」

 喜びと武者震いを同時に表して、シェーナが頷いた。

 私達は同時に飛び出して、真っ直ぐ修羅場へと突進する。

 気配に気付いた人型の魔族が振り返った。黒茶に染まった体色と毛髪の無い頭部、筋骨隆々の身体に雄々しく翼を背負った姿。

 ――デーモン。ただし小型の、いわば若い個体とでも言うべきレッサーデーモンだ。

 私は短刀を抜き、呪文を唱えて光をまとわせ、それをレッサーデーモンに向けて振り放った。

「シェーナ、一瞬だけ目を伏せて!」

 小さな偃月の孤を描いた光波がレッサーデーモンに向けて飛び立つ直前、私はシェーナにそう指示を飛ばす。

 彼女が従ってくれたかどうかを確認するゆとりは無い。しかし私が放った光波は、狙い通りレッサーデーモンと私達を結ぶ直線上を通り過ぎた。

 ほんの一瞬だが、レッサーデーモンの視界は偃月の光波に遮られて私達の姿を見失った筈だ。

「っ! 一気に決める!」

 シェーナが《スキル》を発動させて、全身に青い光をまとう。極限まで身体能力を底上げしたリョス・ヒュムの聖騎士が、神速の勢いで私を背後に置き去りにしてレッサーデーモンへと肉薄する。

 しかし彼我の距離には余裕があり、シェーナが間合いを確保する前にレッサーデーモンは迎撃の用意を整えていた。

 レッサーデーモンのかざした手の平から魔法陣が浮かび上がり、そこから幾つもの黒い光弾が発射される。一息に敵の懐へ飛び込むという一念に支配されたシェーナに、ガトリング砲の如く乱れ飛ぶ光弾を回避する余裕は無い。

 あわや黒い光弾が無情にもシェーナの全身を貫かんと、もしこの場を第三者が見ていたらそう思っただろう。攻撃を放ったレッサーデーモンも、自身の勝ちを疑っていなかったに違いない。

 しかし、実際はそうはならなかった。

 無数の黒い光弾は、シェーナを素通りして周囲の地面に着弾した。飛び散る土塊や巻き起こる土埃でシェーナの姿が隠れたものの、レッサーデーモンはすぐさま悟っただろう。

 自身が、初めから狙いを誤っていたことに。

「はああああッッ!!」

 着弾地点から左に外れること約二メートル。土埃の切れ目の辺りから、本物のシェーナが飛び出した。

 そうだ。レッサーデーモンがさっきまで視認していたシェーナは、私の幻術が生んだ偽物だ。

 術中に陥っていたことを悔やむように顔を歪めたレッサーデーモンが、急いで本物のシェーナに向き直ろうとする。……が、遅い。既にシェーナは、自らの間合いにレッサーデーモンを捉えていた。

 シェーナの袈裟斬りが、吸い込まれるようにレッサーデーモンの身体に打ち込まれた。一瞬だけ時間が硬直し、世界から全ての音が遠ざかる。

 肩から斜めに両断された身体が、ゆっくりと重力に従ってずり落ち、力無く地面の上に倒れた。

 勝負あり、シェーナの勝ちだ。

「シッスル、早くこっちに!」

 勝利の余韻に浸ることなく、シェーナは未だ上空を行き交う多数の黒い鳥の魔物を牽制しつつ私を呼ぶ。私も、魔族を討ち取ったという喜びを感じる暇もなく彼女の側へ駆け寄った。

 そのまま二人で上空からの奇襲をなんとかいなしつつ、夢幻回廊に空いた大穴まで辿り着く。

「お、お前らは……!」

 私達の姿を認めた粛正隊の面々が、複雑そうな表情を浮かべる。まあ、上司と私達の関係性からして無理もないだろう。

「守護聖騎士シェーナ、魔術士シッスルを聖下の元へ送り届ける為に参上した。通してもらおう」

 声に厳しさを含めたシェーナが、穴を塞ぐように固まっている彼らを押し分けて夢幻回廊の中へと入る。

 私も彼女の後に続いて彼らの間を潜った。彼らからの抵抗も特に無かった。私達より厄介なものが、未だ上空から敵意を向けているからかも知れない。

「ユリウス大主教猊下はどちらに?」

 粛正隊が此処に居るということは、彼らを率いるユリウス大主教も居るということだ。しかし、ざっと夢幻回廊の中を見渡したところ、彼らしい姿は見えない。

「猊下は……」

 粛正隊のひとりがそう言いかけたが、途中で口をつぐんで下を向いてしまった。心なしか、周囲の空気が重い。【闇】の侵食に打ち負けそうになっているから、というのとはちょっと違う感じがした。

 嫌な予感がする。

「まさか……!」

 と、私が声を上げた時、それに抗議するかのように激しい咳が奥側から聴こえた。

「ゴホッ……! ガハッ……! ガッ、ハァッ……! ハァハァ、……勝手に殺すな。わしはまだ生きておる」

 そう言いつつ奥の闇からのそりと姿を現したのは、左右を粛正隊の騎士達に支えられ、土気色の顔に大粒の汗を浮かべて息も絶え絶えとなった、当のユリウス大主教だった。
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