ステータス表記を変えて貰ったら初期設定に戻ってたー女神公認のハーレム漫遊記ー

ささやん

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1章 異世界で生活を始める

4話 男は再検証して素晴らしさに気付く

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 街に向かって走り、城門が見えるとどうやら閉門しようとしてる動きに気付く。

「待ってくれ~、野宿したくないから入れて~」

 手持ちに食糧はないわ、といった準備がまったくない状態で野宿なんてノ―サンキュだ。

 閉門しようとしてたらしい2人が俺に気付いてくれたようで手招きしてくれるのにホッとして更に加速する。

 だいぶ近づき、2人を視認出来る距離に来た瞬間、その片割れに対して俺は直感が働いた。

 下腹部、そう、股の間にキュピーンって感じだ!

 クワッと目を見開いて自分が見た物を確認しながら走り続ける。だが、いくら凝視しても俺の視覚情報はヒャッハーと言ってくる。

 俺が向かう先にあったのはビキニアーマー、もち、サブリガ着用!

 まだ距離があるから顔は分からないが夕陽に照らされる肌は褐色で金髪ショートである事が分かる。
 分かる範囲で一番重要なのはビキニアーマーを素で着るという事、すなわち!

 俺を中心に宇宙が広がり、第七感が覚醒した。

 遂に言える日が来たか……

「君は……オッパイを感じた事があるかっ!」

 ついに俺もセブンオッパイに目覚める事が出来たらしい。

 そこにはビキニアーマーである事が許されるオッパイがあるという事!

 ビバ、おっぱ……もとい、ビキニアーマー!

 えっ? 前回、ビキニアーマーをディスってた? 知らんな~

 そんな事を考えている内にビキニアーマーの主の顔が確認出来た。

 報告します、軍曹殿! 美女であります! 気が強そうで怒らせたら怖そうですが最高です!

 キリリとした鋭い瞳にやや眉間に皺を寄せるのがデフォになってそうではあるが間違いなく美人。警備兵のようだが騎士だったら敵に負けて襲われて「心だけは屈しない」とか言いそうな……思いのほかグッとくるな!

 報告終わり!

 俺は城門ではなく褐色美女目掛けて走り続ける。この辺りで褐色美女も隣に居る巨漢の警備兵もおかしいと感づき始める。

 あかん、警戒されたら終わる!

 俺は細心の注意を払って距離を観測しながら走り続ける。

 褐色美女まで3mを切った瞬間、俺は綺麗に踏み切って跳ぶ。

「おっと足が滑ったぁぁ!!」
「なっ!」

 褐色美女が突然の俺の行動にビックリしたらしく硬直したようだ。

 両手を広げて跳ぶ俺は幸せ一杯な顔をして滑空する。

 管制塔、管制塔! 本機シーナはオパーイに着陸する。データYOROぉ!

 僅かのズレも許されないとばかりに微調整された俺は見事に着陸を果たす。

「キャアアアァァァ!!」

 悲鳴を上げながら尻モチを着く褐色美女に抱き着き、足は勿論、カニばさみである。

 ビキニアーマーが許される豊かな谷間に顔を突っ込む。

「ここどこっ! 真っ暗で見えないよぉ!!」

 顔を左右に振って仕事終わりのせいか少し汗が滲むオッパイを堪能する。

 うひょぉぉぉ! フィーバータイムが開催だぁ!!

 ガスガスと頭を強く叩かれているが痛みを感じてる場合じゃない!

「くぅぅ! こ、この馬鹿野郎……ンッ!」

 むむむ、今の少し鼻にかかってて甘い響きしてなかったか、まさか感じてくれてるのか!?

 ……

 ボク、ガンバル!

 更に頑張ろうとした俺であったが首根っこをネコのように抓み上げられて外される。

「おいおい、命知らずな兄ちゃんだな? まあ、男として気持ちは分かるがな」

 そう言って俺を覗き込むのは厳つい2mはあろうかというマッチョなオッサンであった。

 ネコのようにされている俺から尻モチを着いたまま胸を抱くようにして荒い息を吐きながら顔を真っ赤にさせる褐色美女に視線を向ける。

「今日は面白いもんが2つも見れたな。お前があんな女みたいな悲鳴を上げるとは思わんかったな。言い寄ってくる男や強硬な手段に来た奴等を返り討ちにして鉄壁に男を寄せ付けない鉄処女(アイアンメイデン)のパメラらしくねぇな?」
「ふ、不意を突かれただけだっ!」
「そうか? この兄ちゃん、正面から飛び込んできたぜ?」

 うむ、我ながら後先考えずに勢いでやってしまったな……反省せねば!

 テヘペロ♪

 一人反省会をしてる俺を余所にオッサンの言葉にクッと言葉を詰まらせてソッポ向く褐色美女、パメラを見てオッサンが驚く。

 そして、俺だけに聞こえる声で囁いてくる。

「兄ちゃん、この街の住人じゃないよな? しばらくここの街で住む気があるならパメラを口説き落としてみる気ねぇか?」
「いきなり、何を言い出すんだよ?」

 オッサンにいきなり女に跳び付いてオッパイを蹂躙するヤツにだけは言われたくないと言われて俺は毅然とオッサンから目を逸らした。

 持ち上げてた俺を下ろすと背中をバンバンと叩き、首に腕を廻して内緒話をするように耳に手を添えて話しかけてくる。

「まあ、真面目な話、パメラはあの容姿で19にもなるのに男と付き合った事もない。言い寄る男は多いんだが全部返り討ちにするんでな。だが、兄ちゃんはちょっと違うみたいだな」
「なんで?」

 オッサンと話してるのをキッと睨みつけてくるパメラはフンッと鼻を鳴らすと立ち上がり城門をくぐる為に離れて行く。

 ああ、プリッとしたお尻も素晴らしい。

 その素晴らしい後ろ姿を眺めているとオッサンが顎でしゃくる。

「あの行動もおかしい。普段のアイツが本当に不覚を取ったんなら剣を抜いて騒動になると思った。まあ、それから兄ちゃんを守ってやろうと思って引き剥がしたんだがいらん世話だったかもしれん」
「ま、まさかイケメン過ぎる俺にホレ……」
「ねぇーな、それだけはねぇーよ」

 俺の両肩に手を置きながら残念そうに顔を横に振られる。

 泣いてなんかないからねっ!!

 目から青春の汗が流れてるだけの俺は腕で拭う。

 でも、あの美女であるパメラは俺のどこが引っ掛かったんだろうな?

「まあ、その辺りは追々でな? なるようになるだ。それより、兄ちゃんはプリットには仕事しに来たのか?」
「えっ、ああ、そうそう。俺でも出来そうな仕事あるかな?」
「あるぞ、なかでも手っ取り早いのはギルドに所属する事だな」
「ギルド?」

 オッサンが説明してくれた内容は冒険、商業、細かいのを上げれば鍛冶や練金などの物作りギルドもあるらしい。

 おお、なんかファンタジー感があるな! 何がいいだろう?

 むむむ、と悩む俺にオッサンが顎に手を添えながら言ってくる。

「さっきパメラに跳び付いた時、良い動きしてたから戦えるんだろ? 冒険者ギルドで仕事したらどうだ?」
「えっと、モンスター退治から配達までの何でも屋だっけ?」

 オッサンからさっき説明された内容を思い出しながら言うとソレだと言われる。

 うーん、物作りとかにも興味はあるけど、やっぱり戦えるスキルがあるんだしな!

「オッサン、俺、冒険者ギルドで仕事するよ」
「オッサン言うな、ザンギエフ、ザンでいいぞ。城門を閉めたら案内してやる」

 俺にそう言ってくれたオッサンことザンは着いてこいと手で示す。素直に俺もその後ろを着いていく。

 ザンが城門を閉めるのを横目に通りを歩く人々の姿を見つめる。

 人と言ったが良く見ると頭頂部に獣耳がある獣人などが結構混じっている。少しだがドワーフも見かけられた。

 ファンタジーものの映画でもお馴染みな種族がいるな……

 更に辺りをキョロキョロするが目的のモノが見当たらない。

 そう、長い耳が尖った森の住人、エルフの姿がないのである。

 いないんだろうか、残念だ。

 肩を落として溜息を吐いていると景気良く背中を叩かれる。

「待たせたな、じゃ、行くか」

 不意を突かれて咳き込む俺を見てガハハと笑うザンを恨めしそうに見上げるが相手にされない。

 まあいいか、と思わせる豪快な笑いをするザンに毒気を抜かれたので先導する為に前を歩くザンを追って歩き出した。



 しばらく歩くとある建物の前でザンが立ち止まる。

 俺はその背にぶつかりそうになるが寸で耐えた。

 あぶねぇ! 汗臭そうなオッサンの背中にぶつかるところだった!

 来る途中でもエルフがいないか見ていたので前方不注意になっていた。ちなみにエルフは発見出来なかった。

 振り返ったザンが親指で後ろにある建物を指差して「ここだぜ」と言ってくる。

 指された場所を見ると周りと比べても大きく立派であるが印象がどこか役場ぽい。

「なんか酒場ぽい場所ってイメージがあったんだけどな……」
「似たようなもんなら中にあるぞ。酒も出す軽食の店ならな」

 あるんだ……と苦笑いをしてるとザンが何かを思い出した様子を見せると意地の悪い笑みを浮かべて俺に言ってくる。

「そうそう、兄ちゃん。1つ忠告しとく。妖精に食われるなよ?」
「ヘッ?」
「まあ、俺から言えるのはそれぐらいだ。頑張れよ、兄ちゃん」

 言いたい事を言い終えると俺を置き去りにして去っていくザン。

 見えなくなったザンを見送った俺は振り返って冒険者ギルドを見上げる。

「ここってそんなに危ない場所なん?」

 思わず尻込みしそうになったがここで棒立ちしていても意味がないと奮起する。

 よしっ! と意気込む俺は警戒しながら冒険者ギルドの扉を開き始めた。
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