22 / 80
2章 危険を冒す者である事を知る
20話 目を背けたくないから男は立ち上がる
しおりを挟む
俺達は背中を向け合いながら生乾きの衣服を着始めていた。
情事の後とか、裸をとかではなく、お互い変なテンションでヤッた事が妙に恥ずかしかったりしてこんな感じになっていた。
うぐぐぐ……俺の女、嫁になれ、とか言う言葉の指示して叫ぶとか本気でないわ~
まあ、確かに俺の願望なのは間違いないんだけどさ? 自分でも良く分からない興奮状態だったしな……しかも、前の世界に居る時に機会などないと思っていたお外でするというレベルの高い事をしたせいもある!
みんなは気を付けろ? 変な扉が開いちゃうかもしれないから!
多分、俺は手遅れかもしれないと思う。何故なら、現時点、ちょっとムラムラしてるからです!!
パメラさんも俺が指示した言葉以外の『孕んで』とか付け加えるぐらいには興奮したのだろうか……いけねぇ、これだけの想像だけで3回はやれそうだ。
えっ? 何がって、何かかな?
色々、興奮したせいか疲労を感じる。結構、HPがまだ回復しきってない状態でハッスルしたからな……
ヒール
魔法を唱えた瞬間、スッと身に沁み込むような心地よさと共に疲れが吹っ飛ぶ。
ふぅ、魔法が使える状態になったな、やはりスキルを使いこなせてないせいなんだろうか……
使いこなせるように努力するのは必須だろうが命に関わるところだからなんとかする方法がないかな? と思いながらチラっと振り返るとパメラも着替え終えていた。
振り返ってパメラに手を翳す俺の行動を見て、少し身を硬くするが回復魔法を行使する。
「ヒール」
「あ、有難う、助かる。しかし、先程の戦いの時使わなかったんだ?」
「はっはは、恥ずかしい話だけど魔力制御に失敗してて……状態異常とかに阻まれて」
本当は痛くて集中出来なかっただけなんだけど、言えないやん?
それなのにパメラは申し訳なさそうに「すまない」と言ってくる。
あれ、絶対に要らない事聞いたとか自分を責めてるパターンやん! パメラさんが悪い訳じゃないよ?
ピコン ピコン
その音を聞いた瞬間、俺は半眼で自然に口を真一文字に絞る。
魔力制御
全状態異常耐性
おい、スキル製造機……俺がさっき、命に関わるから何とかする方法ないかな? とか悩んだ時、ノーリアクションだったよな?
なのにパメラさんが罪悪感を感じてるかもしれないとなったらスーパーマッハ対応かよ、オオゥ!
やっぱり、お前には説教が必要だ! 宿に戻ったら正座だかんな!
……
くぅ、コイツは俺を舐め腐ってるな、饒舌な時は色んな事を説明し始めるのに、このスキルの説明すらないしな!
まあ、だいたいどんなスキルかは見たまんまだろうけど、これで魔法行使を失敗する要因をほとんど潰せたんじゃないだろうか?
これは慣れとか関係ないからMAX振りだ!
椎名 (シーナ) Lv10
HP:3000/3000 MP:5900/6000
ちから:500 みのまもり:300
きようさ:60 すばやさ:550
かしこさ:40 うん:3
スキルポイント:44
スキル:剣術Lv5 盾術Lv5 身体強化Lv5
雷魔法Lv3 回復魔法Lv5 探査Lv3
威圧Lv5 魔力制御Lv10 全状態異常耐性Lv10
共通語 解体 危険探知
HP自動回復 MP自動回復 挑発
巨根 精力増大 スキルポイント取得倍増
成長促進 鑑定 スキルポイント管理
ふむ、なんとなく想像はしてたけど上限は10か。
不安要素が1つ潰れたので次の行動を考え始めないとな。
早速、探査を使うと俺達がいる辺りから北方向にゴブリンの集落があるようだ。更に北方向らしき反応があり、交戦中のようだ。
ジリジリと押していってるように見えるが……おかしい、探査で見えるゴブリン達の動きが冒険者達を釣って包囲しようとしてるように見える。
こないだ戦った感じではゴブリンにそこまで知恵があるようには思えなかったが……仮にあったら俺はここに存在してなかったような気がする。
嫌な予感がしたので、まだ落ち込み中のパメラの両肩を掴んでこちらに顔を向けさせる。
「パメラさん、知恵を貸して欲しい。俺の探査で周囲の状況を確認してたら警備隊、冒険者達が集落に攻め込んでいるようだ」
「ならば、私達も!」
立ち上がろうとしたパメラであったが掴んでた両手を離さずに立つのを邪魔する。
「慌てないで! 急ぎたい気持ちは分かる。だが、ゴブリンの動きがおかしい。攻めるみんなが釣られて包囲され始めているような動きをしてるんだ。だけど、俺が戦ったゴブリンはそんな知恵があるように見えなかった。何か心当たりはないか?」
嫌な予感がするんだ、と告げる俺は着々と動くゴブリンが統制が取られ、俺が予測しているような形にどんどん近づいていってるように見える。
一瞬、考え込む様子を見せたパメラであったが何かに思い当たったらしく、ハッと上げた顔は真っ青で目の焦点もあやしかった。
「ま、まさか……確かに集落の規模がおかしいとは思っていたが、いや、それは……」
「何か心当たりがあるんだな、教えてくれ!」
ぶつぶつ呟くパメラを強く揺さぶり、気をしっかりさせようとするが上手くいかない。
こうなったらショック療法だ。
キスをして舌をねじ込む。いきなりな事でびっくりしたパメラが暴れようとするが俺がギュッと抱き締めて暴れるのを阻止する。
しばらくバタバタしていたが徐々に落ち着いていったパメラの瞳に理性の光が宿り、そっと俺の背中をポンポンと叩いてくるので解放する。
「すまない、取り乱した」
「いや、いいんだ。それで心当たりを教えてくれないか?」
俺が説明を求めると頷いてくたパメラの話はこんな感じであった。
ゴブリンの集落は大中小と大きさがあり、10を超えるぐらいの集団、小規模のはゴブリンの亜種、ホブゴブリンや少し魔法が使えるゴブリンシャーマンと呼ばれる。
中規模、30~50の集団のが言われ、ゴブリンジェネラルが統率するらしい。
最後に大規模100クラスの集団がゴブリンキングやゴブリンクィーンがいると言われていた。
ん? 100? おかしくないか、数の誤差の範囲じゃない気がするが……
「なぁ? 俺が倒したとされるゴブリンで50匹、こちらに向かう時にプリットに襲撃してきた数が200匹がいた。数がおかしくないか?」
「そんなにプリットに行ったのか? 私は逃げるので精一杯でそこまで気付かなかったが……となるとあの話しか……でまかせの類だと思っていたのだが」
俺はパメラに続きを促す。
しかし、口を閉ざすパメラだが、言いたくないというより言って現実になる事を嫌っているような雰囲気があった。
これってかなり不味い感じか?
意を決したパメラが口を開く。
「もしかしたら伝説のゴブリン神が生まれたのかもしれない」
「神だと! 本当に神様だとか言うのか?」
一瞬、シズクなどと同列とされるゴブリンなのかと勘違いしかけたが、実際は違うらしい。
ゴブリンキングの希少種らしく、人、それも戦上手な将軍のようにゴブリンを扱うようだ。
単体でも強く、下位ドラゴンの地竜なみの戦闘力を有するが一番厄介なのが前に述べた戦術を駆使するところである。
それを込みで考えると成竜を相手にするような手強さになると記録で見たそうだ。
俺は探査で確認すると俺達寄りにいる他のゴブリンとは格が違う反応を示すのがある。
おそらくこれがゴブリン神と言われるヤツだろう。
「これが私の見立て通りだった場合、包囲を切り抜けたとしてゴブリン神に出張られた時点で終わりだ……」
絶望的なピンチなようだ。
パメラは打つ手がないとばかりに俯いて美しい顔を歪めて、今にも泣いてしまいそうだ。そりゃ、そうだろう、惚れた腫れたはなかったかもしれないが気心が知れた同僚、先輩がいる警備隊、冒険者達の中にはパメラの知己もいたかもしれない。
さあ、ここにいるヒロインは絶望に染まろうとしている。前線にも俺を想ってくれる良い女、ヒロインもいる。
俺はここで諦めるのか?
もう俺、シーナに逆転の目はないのか! 終わってしまうのか! ここで指を咥えて傍観するのか!
そんな訳にはいかない、絶望のシナリオなんか、逆転劇のシナリオに俺が書き変えてやる。
不謹慎だ、確かに不謹慎だが、全身が震える程に俺は滾っている。
洞穴から見える外は既に暗く、星が綺麗な夜空を眺めて俺は頭に上った血を下げる為に深呼吸をする。
夜空を眺めながらここにいない愛しい女の子に告げる。
シズクは危険な事するなって言うけど、やっぱりしちゃう事になりそうだ。だけどな、これは俺がシズクから力を得た以上、半分は責務な気がするんだ。
勿論、シズクがそんな事を考えてくれたんじゃないとは分かってる。俺が生きやすくしてくれる為と疑ってない。
そう、これは自分に力がないからと歯を食い縛って目を背けなくていいよう、俺が生きる事が辛くなく、偽善であっても正しい事を正しいと胸を張る事が出来る為……使わせて貰うな、シズク。
俺はパメラの肩を力強く掴む。
少し強過ぎたのかビックリされたが笑顔で誤魔化す。
「戦争で敵の指揮官が優秀で俺達の軍が劣勢だ。このままだと負けが見えている」
いきなり戦争の話をされて素っ頓狂な声を洩らすパメラの額に俺の額を触れさせるようにして見つめる。
「統制が取れた軍にジリジリと包囲されて逃げ場はなく、進める先には地獄への片道切符。さあ、俺達の軍の起死回生の目はないのか? 優秀な指揮官に破れるのか。打つ手がないと思った瞬間に思い出すんだ。副官と傭兵の最強の男がはぐれたままであることに」
「あっ!」
どうやら気付いたようだ。
俺は自信ありげに頷き、迷いを感じさせない瞳でパメラの瞳を覗き込みながら言う。
「俺達でゴブリン神を狩るぞ。着いてこい、パメラ」
俺にそう言われたパメラは見惚れたように見つめ、微笑を浮かべて頷いた。
情事の後とか、裸をとかではなく、お互い変なテンションでヤッた事が妙に恥ずかしかったりしてこんな感じになっていた。
うぐぐぐ……俺の女、嫁になれ、とか言う言葉の指示して叫ぶとか本気でないわ~
まあ、確かに俺の願望なのは間違いないんだけどさ? 自分でも良く分からない興奮状態だったしな……しかも、前の世界に居る時に機会などないと思っていたお外でするというレベルの高い事をしたせいもある!
みんなは気を付けろ? 変な扉が開いちゃうかもしれないから!
多分、俺は手遅れかもしれないと思う。何故なら、現時点、ちょっとムラムラしてるからです!!
パメラさんも俺が指示した言葉以外の『孕んで』とか付け加えるぐらいには興奮したのだろうか……いけねぇ、これだけの想像だけで3回はやれそうだ。
えっ? 何がって、何かかな?
色々、興奮したせいか疲労を感じる。結構、HPがまだ回復しきってない状態でハッスルしたからな……
ヒール
魔法を唱えた瞬間、スッと身に沁み込むような心地よさと共に疲れが吹っ飛ぶ。
ふぅ、魔法が使える状態になったな、やはりスキルを使いこなせてないせいなんだろうか……
使いこなせるように努力するのは必須だろうが命に関わるところだからなんとかする方法がないかな? と思いながらチラっと振り返るとパメラも着替え終えていた。
振り返ってパメラに手を翳す俺の行動を見て、少し身を硬くするが回復魔法を行使する。
「ヒール」
「あ、有難う、助かる。しかし、先程の戦いの時使わなかったんだ?」
「はっはは、恥ずかしい話だけど魔力制御に失敗してて……状態異常とかに阻まれて」
本当は痛くて集中出来なかっただけなんだけど、言えないやん?
それなのにパメラは申し訳なさそうに「すまない」と言ってくる。
あれ、絶対に要らない事聞いたとか自分を責めてるパターンやん! パメラさんが悪い訳じゃないよ?
ピコン ピコン
その音を聞いた瞬間、俺は半眼で自然に口を真一文字に絞る。
魔力制御
全状態異常耐性
おい、スキル製造機……俺がさっき、命に関わるから何とかする方法ないかな? とか悩んだ時、ノーリアクションだったよな?
なのにパメラさんが罪悪感を感じてるかもしれないとなったらスーパーマッハ対応かよ、オオゥ!
やっぱり、お前には説教が必要だ! 宿に戻ったら正座だかんな!
……
くぅ、コイツは俺を舐め腐ってるな、饒舌な時は色んな事を説明し始めるのに、このスキルの説明すらないしな!
まあ、だいたいどんなスキルかは見たまんまだろうけど、これで魔法行使を失敗する要因をほとんど潰せたんじゃないだろうか?
これは慣れとか関係ないからMAX振りだ!
椎名 (シーナ) Lv10
HP:3000/3000 MP:5900/6000
ちから:500 みのまもり:300
きようさ:60 すばやさ:550
かしこさ:40 うん:3
スキルポイント:44
スキル:剣術Lv5 盾術Lv5 身体強化Lv5
雷魔法Lv3 回復魔法Lv5 探査Lv3
威圧Lv5 魔力制御Lv10 全状態異常耐性Lv10
共通語 解体 危険探知
HP自動回復 MP自動回復 挑発
巨根 精力増大 スキルポイント取得倍増
成長促進 鑑定 スキルポイント管理
ふむ、なんとなく想像はしてたけど上限は10か。
不安要素が1つ潰れたので次の行動を考え始めないとな。
早速、探査を使うと俺達がいる辺りから北方向にゴブリンの集落があるようだ。更に北方向らしき反応があり、交戦中のようだ。
ジリジリと押していってるように見えるが……おかしい、探査で見えるゴブリン達の動きが冒険者達を釣って包囲しようとしてるように見える。
こないだ戦った感じではゴブリンにそこまで知恵があるようには思えなかったが……仮にあったら俺はここに存在してなかったような気がする。
嫌な予感がしたので、まだ落ち込み中のパメラの両肩を掴んでこちらに顔を向けさせる。
「パメラさん、知恵を貸して欲しい。俺の探査で周囲の状況を確認してたら警備隊、冒険者達が集落に攻め込んでいるようだ」
「ならば、私達も!」
立ち上がろうとしたパメラであったが掴んでた両手を離さずに立つのを邪魔する。
「慌てないで! 急ぎたい気持ちは分かる。だが、ゴブリンの動きがおかしい。攻めるみんなが釣られて包囲され始めているような動きをしてるんだ。だけど、俺が戦ったゴブリンはそんな知恵があるように見えなかった。何か心当たりはないか?」
嫌な予感がするんだ、と告げる俺は着々と動くゴブリンが統制が取られ、俺が予測しているような形にどんどん近づいていってるように見える。
一瞬、考え込む様子を見せたパメラであったが何かに思い当たったらしく、ハッと上げた顔は真っ青で目の焦点もあやしかった。
「ま、まさか……確かに集落の規模がおかしいとは思っていたが、いや、それは……」
「何か心当たりがあるんだな、教えてくれ!」
ぶつぶつ呟くパメラを強く揺さぶり、気をしっかりさせようとするが上手くいかない。
こうなったらショック療法だ。
キスをして舌をねじ込む。いきなりな事でびっくりしたパメラが暴れようとするが俺がギュッと抱き締めて暴れるのを阻止する。
しばらくバタバタしていたが徐々に落ち着いていったパメラの瞳に理性の光が宿り、そっと俺の背中をポンポンと叩いてくるので解放する。
「すまない、取り乱した」
「いや、いいんだ。それで心当たりを教えてくれないか?」
俺が説明を求めると頷いてくたパメラの話はこんな感じであった。
ゴブリンの集落は大中小と大きさがあり、10を超えるぐらいの集団、小規模のはゴブリンの亜種、ホブゴブリンや少し魔法が使えるゴブリンシャーマンと呼ばれる。
中規模、30~50の集団のが言われ、ゴブリンジェネラルが統率するらしい。
最後に大規模100クラスの集団がゴブリンキングやゴブリンクィーンがいると言われていた。
ん? 100? おかしくないか、数の誤差の範囲じゃない気がするが……
「なぁ? 俺が倒したとされるゴブリンで50匹、こちらに向かう時にプリットに襲撃してきた数が200匹がいた。数がおかしくないか?」
「そんなにプリットに行ったのか? 私は逃げるので精一杯でそこまで気付かなかったが……となるとあの話しか……でまかせの類だと思っていたのだが」
俺はパメラに続きを促す。
しかし、口を閉ざすパメラだが、言いたくないというより言って現実になる事を嫌っているような雰囲気があった。
これってかなり不味い感じか?
意を決したパメラが口を開く。
「もしかしたら伝説のゴブリン神が生まれたのかもしれない」
「神だと! 本当に神様だとか言うのか?」
一瞬、シズクなどと同列とされるゴブリンなのかと勘違いしかけたが、実際は違うらしい。
ゴブリンキングの希少種らしく、人、それも戦上手な将軍のようにゴブリンを扱うようだ。
単体でも強く、下位ドラゴンの地竜なみの戦闘力を有するが一番厄介なのが前に述べた戦術を駆使するところである。
それを込みで考えると成竜を相手にするような手強さになると記録で見たそうだ。
俺は探査で確認すると俺達寄りにいる他のゴブリンとは格が違う反応を示すのがある。
おそらくこれがゴブリン神と言われるヤツだろう。
「これが私の見立て通りだった場合、包囲を切り抜けたとしてゴブリン神に出張られた時点で終わりだ……」
絶望的なピンチなようだ。
パメラは打つ手がないとばかりに俯いて美しい顔を歪めて、今にも泣いてしまいそうだ。そりゃ、そうだろう、惚れた腫れたはなかったかもしれないが気心が知れた同僚、先輩がいる警備隊、冒険者達の中にはパメラの知己もいたかもしれない。
さあ、ここにいるヒロインは絶望に染まろうとしている。前線にも俺を想ってくれる良い女、ヒロインもいる。
俺はここで諦めるのか?
もう俺、シーナに逆転の目はないのか! 終わってしまうのか! ここで指を咥えて傍観するのか!
そんな訳にはいかない、絶望のシナリオなんか、逆転劇のシナリオに俺が書き変えてやる。
不謹慎だ、確かに不謹慎だが、全身が震える程に俺は滾っている。
洞穴から見える外は既に暗く、星が綺麗な夜空を眺めて俺は頭に上った血を下げる為に深呼吸をする。
夜空を眺めながらここにいない愛しい女の子に告げる。
シズクは危険な事するなって言うけど、やっぱりしちゃう事になりそうだ。だけどな、これは俺がシズクから力を得た以上、半分は責務な気がするんだ。
勿論、シズクがそんな事を考えてくれたんじゃないとは分かってる。俺が生きやすくしてくれる為と疑ってない。
そう、これは自分に力がないからと歯を食い縛って目を背けなくていいよう、俺が生きる事が辛くなく、偽善であっても正しい事を正しいと胸を張る事が出来る為……使わせて貰うな、シズク。
俺はパメラの肩を力強く掴む。
少し強過ぎたのかビックリされたが笑顔で誤魔化す。
「戦争で敵の指揮官が優秀で俺達の軍が劣勢だ。このままだと負けが見えている」
いきなり戦争の話をされて素っ頓狂な声を洩らすパメラの額に俺の額を触れさせるようにして見つめる。
「統制が取れた軍にジリジリと包囲されて逃げ場はなく、進める先には地獄への片道切符。さあ、俺達の軍の起死回生の目はないのか? 優秀な指揮官に破れるのか。打つ手がないと思った瞬間に思い出すんだ。副官と傭兵の最強の男がはぐれたままであることに」
「あっ!」
どうやら気付いたようだ。
俺は自信ありげに頷き、迷いを感じさせない瞳でパメラの瞳を覗き込みながら言う。
「俺達でゴブリン神を狩るぞ。着いてこい、パメラ」
俺にそう言われたパメラは見惚れたように見つめ、微笑を浮かべて頷いた。
22
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる