ステータス表記を変えて貰ったら初期設定に戻ってたー女神公認のハーレム漫遊記ー

ささやん

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4章 求められる英雄、欲しない英雄

50話 保険と聞くと男はビクッとなる

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 苛立ちが隠せない俺は舌打ちをしながらメインストリートを早歩きしていた。

「しまった、特定されるのを嫌って適当にトリルヴィを相手した事が裏目に出たな、これは!」

 俺は情報屋に言われた言葉を思い出し、悔しくて下唇を噛み締める。

 英雄、王国が言うには俺の事だが、俺を求めた理由は戦力なのは間違いないが居たからと言って被害ゼロだとは思ってないと断言された。

 必ず、飛び火する、火の粉を被る者が出ると……

「火の粉を被る者?」
「そうだ、住処を襲ってきた者達を襲うのは当然で、ワイバーンは怒り狂うと見境がない。必ず、身近の弱き者を蹂躙しにくる」
「――ッ!」

 そう、ダワンダ山脈から最も近い戦えない者がが集まる場所、プリットに襲撃をかけるワイバーンがいる、と情報屋に言われる。

 ワイバーンはドラゴンのように頭は良くないが、目の前の敵が倒しにくいなら代替品を求めて、それで鬱憤を解消するらしい。

 くそう、これは露店の店主が話してる時からアヤシイって思ってたのに、もっと深く考えなかったんだ、俺!

 そのうえ、情報屋の最後に言った言葉が本当ならマジでヤバい。

「何故か、王国は焦ってる。王国軍はまともにぶつかればワイバーンに消耗戦で負けると踏んで、プリットを撒きえにするつもりだ」

 正直、信じたくない。

 俺がこの世界に降り立ってから、この世界は優しかった。強いて少し酷いと思ったのも港町のロッカクの異国人嫌いぐらいだ。あれも理由が分かれば強く責めれないと思えるものだった。

 そこまで代償を覚悟をしてまでする必要がある事なのか?

 いや、どんな崇高なモノがあろうとそれは容認出来ない。

 リモメ王国は腐ってるのか?

 考えたくない可能性だが、情報屋のリアクションが肯定してくる。

 わざわざ、ゴブリン神を倒したのは俺だと知っていると遠回しに言われ、英雄が誰かとは売る気もない、と言ってた。

 それなのにどうして、あんな言い回しをした?

 無駄に装飾して、俺に印象強く残るような言い回しにしたのか。単独撃破が出来ないゴブリン神を倒したとわざとらしく宣伝するように言った?

 特に理由がないのであれば

「王国軍のお目当ては『英雄様』らしいぜ」

 などと言ってきそうだが、現実は違う。

 第三者から見て、勘繰られる恐れを推して言ったのか……

「また頼むのは気が引けるが……助けてくれ、英雄!」

 きっとそう言いたかったんだと思う。

 何故、素直に言わなかったって? 言えないだろう? 命がかかっているとはいえ、たった1つの命のリスクで救われるから死地に云ってくださいってよ?

 まして、感謝している相手にだ。

 本当は言いたくなかったはずだ、しかし、それでも言った。

 情報屋はきっと確信に近いものを感じているんだろう。王国軍は命令なら迷いもなくやるだろうと。

 軍が相手でも太刀打ち出来ないかもしれない相手をどうにかする存在に伝えたかったのがヒシヒシと胸に響いた。

 届いたぜ、SOS! ここでケツを捲ったらシズクに愛想を尽かされるわ!

「情報屋よ、どうせなら美人とかに言われたらもっとやる気出るんだから、キャスティングぐらいしろよ!」

 人通りが少なくなってきたので、早歩きを止めてターニャ達がいると思われる農場を目指して走り出す。

 そして、気付けば俺の口の端が上がっていた。


 農場に着くと昼食の準備をしていたターニャ達の姿を発見する。

 ターニャ達の下へと近づきながら、ワイバーン相手だからスキルを弄りながら歩く。


 椎名 (シーナ) Lv87

 HP:456000/456000
 MP:1075000/1075000

 ちから:49600  みのまもり:28300
 きようさ:350  すばやさ:60100
 かしこさ:40  うん:3
 スキルポイント:360

 スキル:剣術Lv5 盾術Lv5 身体強化Lv5

     雷魔法Lv3 回復魔法Lv5 探査Lv3

     威圧Lv5 魔力制御Lv10 全状態異常耐性Lv10

     薬品調合Lv4 風魔法Lv10 結界術Lv10

     土魔法Lv10 火魔法Lv4

     共通語 解体 危険探知

     HP自動回復 MP自動回復 挑発

     御者Lv3 性技Lv10

     魔法剣 エロ魔法 飛行

     巨根 精力増大 スキルポイント取得倍増

     成長促進 鑑定 スキルポイント管理

     血の盟約者:スイ


 ふむ、空飛ぶ相手だから、飛ぶ相手だから飛行と風魔法のMAXレベル上げでいいかな?

「ターニャ、パメラ、ちょっと時間をくれ」
「なになに?」

 首を捻るターニャと腕を組んで目をパチクリさせる。

 俺は情報屋から聞かされた内容で英雄の件は流して、問題児が聞き耳立てているが時間が惜しいのでその場で説明した。

 説明を聞いたターニャが満足そうに頷いて、俺の顔を両手で挟むように掴む。

「偉い、シーナ。今度は突っ走らないでウチ達に協力を求めにきたんだよね?」
「まあな、相談する余裕がある場合は勿論するさ。してる余裕がない時と分かっている場合は恩赦だな……」
「そんな事はどうでもいいんだ、それでシーナはどうしたいと思っているんだ?」

 おい、パメラさん、ここぞって時にターニャには刷り込んでおかないとポンポン叩かれたら、頭は悪くなるし、鼻だって1cm縮んでるだからね!

 なのに、パメラにそんな事はどうでもいいんだって言われたお!

 誰も突っ込んでくれないから、終わりが見えないぜぇ……

「確かに情報屋が調べた結果から弾かれたもっとも有り得る可能性だが、今は情報を拡散するのは危ない。パニックになるか、万が一があった場合、事前の段階で馬鹿馬鹿しいと思われていたら初動が遅れるかも」
「となると警備隊と冒険者ギルドに協力を仰ぐレベルで止めておいた方がいいな」
「そうね、ウチもそう思う。パメラは警備隊に、ウチは冒険者ギルドに行ってくる」

 走り去ろうとする2人を掴まえて引き寄せる。

 あんまりスキル製造機に頼らない方がいいんだろうが、躊躇して後で嘆くぐらいならやっとく。

 俺は了解を得ずにターニャの唇を奪うと一瞬、驚いて身を硬くするがすぐに身を委ねてくれた。


 ターニャ  Lv27

 HP:330 MP:101

 ちから:530 みのまもり:400
 きようさ:200 すばやさ:970
 かしこさ:11 うん:60
 スキルポイント:0


 スキル:格闘術Lv3 身体強化Lv3 生活魔法

     縮地 空中歩行

     幸運 調理Lv5 裁縫Lv2

     成長促進

     

 好感度:計測不能  対象 シーナ


 よし、無事に格闘術と身体強化のスキルを上げれたな。相手は何せ空飛ぶトカゲ対策に、ターニャの戦闘スタイルなら空中歩行があれば使いこなせるだろ。

 キスを止めると夢現だったターニャが我に返る。

「もう……そういう事?」

 ちょっと拗ねた表情を見せるターニャは、スキルに手を加えた事を感じ取ったのか手を開けたり、閉じたりしてちょっと不満そうだ。

「ちょ、ちょっと待て、うれし、じゃなくて……ムムムッ」

 パメラも俺がやろうとしている事を理解したようだが、人目を気にして身を固くした。


 パメラ  Lv24

 HP:310 MP:110

 ちから:410 みのまもり:380
 きようさ:80 すばやさ:360
 かしこさ:30 うん:42
 スキルポイント:0


 スキル:槍術Lv4 剣術Lv3 身体強化Lv3

     土魔法Lv3 裁縫Lv5

     成長促進


 好感度:計測不能  対象 シーナ


 パメラは、スキルの底上げ、槍術、剣術、身体強化、土魔法の4つを引き上げた。

 2人とも、もっとスキルを上げても使いこなせそうな気がしなくもない。

 キスを終え、2人の鑑定結果を見て、ちゃんと覚えて貰えた事に頷いているとターニャとパメラは頬を染めながら拗ねているようだ。

「シーナ、やりたい事は分かるし、感謝もしてる。だがな……」
「そう、義務っぽい! 愛が足らない!」

 な、なんだと、この緊急事態に更に難関の問題が発生か!

 どうした、シーナ、お前はここで終わる奴なのか~

 あっ、あれは!!

 ターニャとパメラが左頬を微かに突き出してないか?

 そうか、わかったぞ、ばっちゃんの知恵袋の名にかけて謎は解けた!

 ままよ。

 俺は2人の左頬にキスをしていくと嬉しそうに微笑む姿あった。

 そして、上機嫌な2人が冒険者ギルドにと警備隊に連絡を入れる為に走り出した。

「イタッ!」

 左右、両方の首筋、僅かに痛みを感じた俺が振り返るとスイとキャウが噛みついていた。

「スイは噛む意味は分からなくないが、キャウは意味ないだろ?」
「ふみゅみゅっほ、ふひゅ」
「何を言ってるか分からんけど、擽ったいぞ」

 むぅ、と眉を寄せるキャウとスイは本当に血を吸っている。いや、スイの力を覚醒状態に持っているなら高い戦力だ。

 キラキラと瞳で見つめるエルは「あれが大人のキスか」と照れ臭いのか、ピョンピョンと跳ねている。

 レティアが俺を指差して金髪を掻き上げる。

「不潔よ、不潔! 英雄様の爪の先の垢を煎じて飲めばいいんです」

 ごめんよ? それ誇大表現になってる俺の事だと思うんだよね。

「そうだそうだ……でもさ、ラフィ姉達が言ってたんだけど、シーナ先輩とスルと凄く気持ちいいって。

 思わずと言った様子で言ったマロンの言葉でその場は絶対零度と化した。
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