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4章 求められる英雄、欲しない英雄
51話 貴族のあの無駄に高いプライドはどうにかならないかと男は呆れる
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短く纏められた青髪を振り払うように早歩きする眼鏡をかけた少女が、兵士が慌ただしくする中を進む。
連日、面会要請をして、事ある事に手が離せない、などと言われたが漸く、面会が出来る事になって苛立ちを隠さずにある天幕に入る。
「これはどういう事ですか、ドジル将軍!」
「……なんだ、トリルヴィか。こちらは見ての通り、大忙しだ。お前はお前の任務に従事せよ」
天幕に入るなり、怒鳴るトリルヴィにまったく動じた様子を見せないドジル将軍は面倒臭そうに対応して手を振って追い出そうとしてくる。
ドジル将軍の周りの取り巻きに失笑されるがトリルヴィは意にも返さずに言い返す。
「その任務を妨害された事に抗議に来たのです! ゴブリン神を単独撃破した者を味方に引き入れるのを待たずにワイバーンに攻撃を始めた理由をお聞かせ頂こうか!」
「何を言ってるのだ? 陛下はお前に調査するのを許可しただけで、報告を待って軍を動かすとは仰ってない。元々、こういう手順だった、それだけだ」
淡々と語るドジル将軍の口の端が上がるのを見て、トリルヴィは悔しげに唇を噛み締める。
確かに思い出してみれば、許可されただけで待つという一言はなかった。
つまり、単純に見つかれば、噂通りなら戦力の補強になるだろうと思われただけだ。
トリルヴィは、最初からアテにされてなかったという事である。
取り巻き達の嘲笑う様子とドジル将軍のハナからこちらに興味を示さず、感情的にならないのも頷けた。
そうだとしても引き下がれないと目の前のテーブルを力一杯叩く。
「どうか、今からでも軍をお引きください! この戦力でワイバーンに挑むのは愚策です。仮に倒せても、近くの街、プリットが無事に済みません」
「作戦には犠牲は付きモノ。だが、我等がワイバーンを見事討伐してみせよう」
「そうだ、ドジル将軍の仰る通り、我等の軍は精鋭揃いだ! いつまでも昔の常識を当て嵌めるな!」
無関係な戦えない住人を犠牲にする気を否定しない将軍に、将軍をヨイショする者、根拠の分からない自信に酔う馬鹿達を見て、トリルヴィは愕然とする。l
思わず、この愚か者! と叫びそうになるが奥歯を噛んで耐える。
次なる説得の言葉を口にしようとした時「失礼します」と若い兵士の声がする。
「入れ」
ドジル将軍がそういうと1人の兵士が天幕に入り、敬礼をした後、話し始める。
「ワイバーンへの攻撃が開始されました」
「よし、そのまま一気に押し込んで空飛ぶトカゲを駆逐しろ、と伝えよ」
ハッ! と敬礼した兵士が出ていくのをトリルヴィは、口をパクパクさせて見送る。
驚くトリルヴィに取り巻き達が失笑するが本人はそれどころではないと再び、テーブルを叩く。
「これはどういう事だ! ワイバーンへの攻撃は2週間先の話、これは陛下が仰ってた事だろう!」
「そう仰っていた。だが、一任されたのは私だ。斥候の報せで数頭のワイバーンが飛び立つのを目撃した。臨機応変に私が判断した」
臨機応変? 何を馬鹿な事を! とトリルヴィは思う。
明らかに勇み足であるし、戦力ダウンというのは間違いないがそのワイバーンがいつ戻るのか、戻る前にワイバーンを倒せる、追い込める算段があるのか、楽天家過ぎると拳を握り締めすぎて手が白くなる。
漸くトリルヴィと面会する事を許可したのは、作戦を開始したから。
動き始める前に面会していたら、調査官であるトリルヴィに止められたら面倒極まりないとはぐらかされてた事を知る。
調査官の言葉はそれぐらいには将軍にも効力がある。
だからこそ、煙たかられるし、嫌われる。
特にトリルヴィは貴族ではあるが準男爵の二女で、本来なら嫁ぐ事で家の繁栄の道具になるはずの女がメキメキと結果を上げて、遂には将軍にすら意見が言える立ち場になったものだから、周りの者から嫌われていた。
取り巻き達はきっと胸がすく思いなのだろう。
「ドジル将軍! 今すぐ、作戦の中止を上申します! 軍の一時撤退を!」
身を乗り出して、反応を示さないドジル将軍に同じ事をもう一度言う。
興味がなさそうにするドジル将軍が感情を見せずに用意してた言葉と言いたげに返事する。
「既に作戦は動き始めている。ここから先は君が口を出せる権限はない」
「なっ!?」
絶句するトリルヴィを見て、ドジル将軍はトリルヴィの背後にいた兵士2人に顎で外を示す。
「トリルヴィ調査官のお帰りだ。丁寧にな」
「「ハッ!」」
そう返事した兵士が左右から腕を掴むと引きずり始める。
まだ話は終わってないと暴れるトリルヴィに反応を返さない兵士が天幕から放りだす。
投げられた時に着地が出来ずに顔から地面に転がる。
再び、天幕に戻ろうとするが兵士が入口を塞ぐ。
「2度目の入室の許可は頂いてません」
そう言って入室を拒否してくる兵士を無視して入ろうとすると腰にある剣に手を触れられる。
そこでトリルヴィも気付く。
初めからドジル将軍の計画通りだったという事に。
並行して行動をすると分かった時から練られてたのだろう。
いかにトリルヴィが悔しがり、自分達が上げる成果、を楽しむかをだ。
つまり、初めからの計画であったのなら、これ以上、何を言っても意味がない。
悔しさが隠せないが、どうする事も出来ないトリルヴィが背を向ける天幕の中からドジル将軍の笑い声に追従する取り巻き達の笑い声も響き渡った。
トリルヴィは、馬に乗ってワイバーンと戦う軍の様子を見に走らせた。
高い所から見渡すと状況が良く見えた。
「何、拮抗ですらない? これは……」
トリルヴィの瞳に写された光景は、既に敗走一歩前という有様であった。
天幕にやってきた兵士が始まってから報告に来たとして、ここまでの移動時間を考えると2~3時間しか経ってないはずだ。
ジリジリと追い詰められる軍は、一斉に踵を返して退却を始める。
「はい!? 何が、精鋭よ! 通説より劣る軍じゃない。それなのに自慢げに良く言ったものよ!」
少し胸がすく思いは出来たが、求めてたのはこういう結果ではなく、ドジル将軍の失策の理由にする為に兵士達が命を落とす事を望んでいる訳はない。
かと言って、一時撤退ではなく、恐慌から纏まりのない敗走してる兵士に言う事を聞かせる事もここから挽回のアイディア、無事に逃げるアイディアも浮かばない。
「仮に聞く余裕が生まれたとしても、変にプライドが高いあの人達が私の言う事を聞いたとは思えないけど……どうしましょう、私がすべきことは」
考え込むトリルヴィは、ブツブツと呟きながら耽る。
「出来る事、被害を最小限にする為にプリットの住人を避難させる為に戻ろう」
兵士達は命令だったのだろうが、巣穴を突っついたので自業自得でそれが職業である兵士の務めだと言い聞かす事は出来るがプリットに住む住人は別なのは当然である。
馬を引き返すようにしたら、強い風を感じて前を見ると小型のワイバーンがいた。
まだ年若いワイバーンなんだろう。
「――ッ!?」
絶句するトリルヴィが見つめる先に巣の反対側からやってきたワイバーンを見て思う。
このワイバーンは、おそらくドジル将軍が言っていた飛び立ったワイバーンへの1匹だろう。
いくら通説より弱かった軍であったが勝てない相手に小柄な少女であるトリルヴィでは勝負にならない。
「どうしてこうなるの! 私は弱い人達を守る為に、必死に出世して漸く、手が届くと思ってたのに!」
「自分一人でなんとか出来ると思ってしまったのが不味いのだろうな」
「そうだね、最初から腹を割って話をしてたらこんな問題にはなってないとウチも思う」
トリルヴィの呟きに応えられて驚く目の前には口許だけ解放されたお面を被る金髪ショートヘアのビキニアーマーからはみ出しそうな体つきをした少女が槍で一呼吸で数十発をワイバーンに放ち吹っ飛ばす。
吹っ飛ばした先にいた同じように口許だけ晒した仮面を被るサイドテールのへそ出し短パンの少女が飛んでくるワイバーンに蹴り上げる。
上空高く上げられ、悲鳴を上げるように鳴くワイバーンを見てサイドテールの少女は、空に足がかりがあるかのように飛び跳ねていき、追いつくと両手を握り締めて地面に叩きつけるように握った両手を振り上げて叩きつける。
叩きつけて地面に凄い速度で落下するワイバーンへの先にいつの間にかいたのか分からない、汚い外套を羽織る剣を抜いた口許も隠す仮面を被り、皮でつくられた軽装鎧を見に纏う少年がいた。
「危ない!」
思わず叫ぶトリルヴィに仮面を付けた少年が笑う。
まったく逃げる様子がない少年は気負いもしない動きで落下してくるワイバーンを真っ二つにした。
目を見開いてトリルヴィに歩み寄る仮面の少年は近づいてくる。
「あ、貴方がゴブリン神を単独撃破した……」
「そんな事よりすべき事を思い付いたんじゃないのか?」
仮面で籠ったせいか、それとも意識的に作ったのか分からないが、枯れた声、無駄に低い声で話し始めた。
その言葉を聞いて、ハッとしたトリルヴィであったが、目の前の仮面の少年も気になって一瞬の躊躇をみせたが被り振る。
「感謝する。私はプリットの者達に警告をしてくる」
「そうするといい」
トリルヴィは仮面を被る3人の存在に後ろ髪を引かれながらも、街の危機を伝える為に馬を走らせた。
連日、面会要請をして、事ある事に手が離せない、などと言われたが漸く、面会が出来る事になって苛立ちを隠さずにある天幕に入る。
「これはどういう事ですか、ドジル将軍!」
「……なんだ、トリルヴィか。こちらは見ての通り、大忙しだ。お前はお前の任務に従事せよ」
天幕に入るなり、怒鳴るトリルヴィにまったく動じた様子を見せないドジル将軍は面倒臭そうに対応して手を振って追い出そうとしてくる。
ドジル将軍の周りの取り巻きに失笑されるがトリルヴィは意にも返さずに言い返す。
「その任務を妨害された事に抗議に来たのです! ゴブリン神を単独撃破した者を味方に引き入れるのを待たずにワイバーンに攻撃を始めた理由をお聞かせ頂こうか!」
「何を言ってるのだ? 陛下はお前に調査するのを許可しただけで、報告を待って軍を動かすとは仰ってない。元々、こういう手順だった、それだけだ」
淡々と語るドジル将軍の口の端が上がるのを見て、トリルヴィは悔しげに唇を噛み締める。
確かに思い出してみれば、許可されただけで待つという一言はなかった。
つまり、単純に見つかれば、噂通りなら戦力の補強になるだろうと思われただけだ。
トリルヴィは、最初からアテにされてなかったという事である。
取り巻き達の嘲笑う様子とドジル将軍のハナからこちらに興味を示さず、感情的にならないのも頷けた。
そうだとしても引き下がれないと目の前のテーブルを力一杯叩く。
「どうか、今からでも軍をお引きください! この戦力でワイバーンに挑むのは愚策です。仮に倒せても、近くの街、プリットが無事に済みません」
「作戦には犠牲は付きモノ。だが、我等がワイバーンを見事討伐してみせよう」
「そうだ、ドジル将軍の仰る通り、我等の軍は精鋭揃いだ! いつまでも昔の常識を当て嵌めるな!」
無関係な戦えない住人を犠牲にする気を否定しない将軍に、将軍をヨイショする者、根拠の分からない自信に酔う馬鹿達を見て、トリルヴィは愕然とする。l
思わず、この愚か者! と叫びそうになるが奥歯を噛んで耐える。
次なる説得の言葉を口にしようとした時「失礼します」と若い兵士の声がする。
「入れ」
ドジル将軍がそういうと1人の兵士が天幕に入り、敬礼をした後、話し始める。
「ワイバーンへの攻撃が開始されました」
「よし、そのまま一気に押し込んで空飛ぶトカゲを駆逐しろ、と伝えよ」
ハッ! と敬礼した兵士が出ていくのをトリルヴィは、口をパクパクさせて見送る。
驚くトリルヴィに取り巻き達が失笑するが本人はそれどころではないと再び、テーブルを叩く。
「これはどういう事だ! ワイバーンへの攻撃は2週間先の話、これは陛下が仰ってた事だろう!」
「そう仰っていた。だが、一任されたのは私だ。斥候の報せで数頭のワイバーンが飛び立つのを目撃した。臨機応変に私が判断した」
臨機応変? 何を馬鹿な事を! とトリルヴィは思う。
明らかに勇み足であるし、戦力ダウンというのは間違いないがそのワイバーンがいつ戻るのか、戻る前にワイバーンを倒せる、追い込める算段があるのか、楽天家過ぎると拳を握り締めすぎて手が白くなる。
漸くトリルヴィと面会する事を許可したのは、作戦を開始したから。
動き始める前に面会していたら、調査官であるトリルヴィに止められたら面倒極まりないとはぐらかされてた事を知る。
調査官の言葉はそれぐらいには将軍にも効力がある。
だからこそ、煙たかられるし、嫌われる。
特にトリルヴィは貴族ではあるが準男爵の二女で、本来なら嫁ぐ事で家の繁栄の道具になるはずの女がメキメキと結果を上げて、遂には将軍にすら意見が言える立ち場になったものだから、周りの者から嫌われていた。
取り巻き達はきっと胸がすく思いなのだろう。
「ドジル将軍! 今すぐ、作戦の中止を上申します! 軍の一時撤退を!」
身を乗り出して、反応を示さないドジル将軍に同じ事をもう一度言う。
興味がなさそうにするドジル将軍が感情を見せずに用意してた言葉と言いたげに返事する。
「既に作戦は動き始めている。ここから先は君が口を出せる権限はない」
「なっ!?」
絶句するトリルヴィを見て、ドジル将軍はトリルヴィの背後にいた兵士2人に顎で外を示す。
「トリルヴィ調査官のお帰りだ。丁寧にな」
「「ハッ!」」
そう返事した兵士が左右から腕を掴むと引きずり始める。
まだ話は終わってないと暴れるトリルヴィに反応を返さない兵士が天幕から放りだす。
投げられた時に着地が出来ずに顔から地面に転がる。
再び、天幕に戻ろうとするが兵士が入口を塞ぐ。
「2度目の入室の許可は頂いてません」
そう言って入室を拒否してくる兵士を無視して入ろうとすると腰にある剣に手を触れられる。
そこでトリルヴィも気付く。
初めからドジル将軍の計画通りだったという事に。
並行して行動をすると分かった時から練られてたのだろう。
いかにトリルヴィが悔しがり、自分達が上げる成果、を楽しむかをだ。
つまり、初めからの計画であったのなら、これ以上、何を言っても意味がない。
悔しさが隠せないが、どうする事も出来ないトリルヴィが背を向ける天幕の中からドジル将軍の笑い声に追従する取り巻き達の笑い声も響き渡った。
トリルヴィは、馬に乗ってワイバーンと戦う軍の様子を見に走らせた。
高い所から見渡すと状況が良く見えた。
「何、拮抗ですらない? これは……」
トリルヴィの瞳に写された光景は、既に敗走一歩前という有様であった。
天幕にやってきた兵士が始まってから報告に来たとして、ここまでの移動時間を考えると2~3時間しか経ってないはずだ。
ジリジリと追い詰められる軍は、一斉に踵を返して退却を始める。
「はい!? 何が、精鋭よ! 通説より劣る軍じゃない。それなのに自慢げに良く言ったものよ!」
少し胸がすく思いは出来たが、求めてたのはこういう結果ではなく、ドジル将軍の失策の理由にする為に兵士達が命を落とす事を望んでいる訳はない。
かと言って、一時撤退ではなく、恐慌から纏まりのない敗走してる兵士に言う事を聞かせる事もここから挽回のアイディア、無事に逃げるアイディアも浮かばない。
「仮に聞く余裕が生まれたとしても、変にプライドが高いあの人達が私の言う事を聞いたとは思えないけど……どうしましょう、私がすべきことは」
考え込むトリルヴィは、ブツブツと呟きながら耽る。
「出来る事、被害を最小限にする為にプリットの住人を避難させる為に戻ろう」
兵士達は命令だったのだろうが、巣穴を突っついたので自業自得でそれが職業である兵士の務めだと言い聞かす事は出来るがプリットに住む住人は別なのは当然である。
馬を引き返すようにしたら、強い風を感じて前を見ると小型のワイバーンがいた。
まだ年若いワイバーンなんだろう。
「――ッ!?」
絶句するトリルヴィが見つめる先に巣の反対側からやってきたワイバーンを見て思う。
このワイバーンは、おそらくドジル将軍が言っていた飛び立ったワイバーンへの1匹だろう。
いくら通説より弱かった軍であったが勝てない相手に小柄な少女であるトリルヴィでは勝負にならない。
「どうしてこうなるの! 私は弱い人達を守る為に、必死に出世して漸く、手が届くと思ってたのに!」
「自分一人でなんとか出来ると思ってしまったのが不味いのだろうな」
「そうだね、最初から腹を割って話をしてたらこんな問題にはなってないとウチも思う」
トリルヴィの呟きに応えられて驚く目の前には口許だけ解放されたお面を被る金髪ショートヘアのビキニアーマーからはみ出しそうな体つきをした少女が槍で一呼吸で数十発をワイバーンに放ち吹っ飛ばす。
吹っ飛ばした先にいた同じように口許だけ晒した仮面を被るサイドテールのへそ出し短パンの少女が飛んでくるワイバーンに蹴り上げる。
上空高く上げられ、悲鳴を上げるように鳴くワイバーンを見てサイドテールの少女は、空に足がかりがあるかのように飛び跳ねていき、追いつくと両手を握り締めて地面に叩きつけるように握った両手を振り上げて叩きつける。
叩きつけて地面に凄い速度で落下するワイバーンへの先にいつの間にかいたのか分からない、汚い外套を羽織る剣を抜いた口許も隠す仮面を被り、皮でつくられた軽装鎧を見に纏う少年がいた。
「危ない!」
思わず叫ぶトリルヴィに仮面を付けた少年が笑う。
まったく逃げる様子がない少年は気負いもしない動きで落下してくるワイバーンを真っ二つにした。
目を見開いてトリルヴィに歩み寄る仮面の少年は近づいてくる。
「あ、貴方がゴブリン神を単独撃破した……」
「そんな事よりすべき事を思い付いたんじゃないのか?」
仮面で籠ったせいか、それとも意識的に作ったのか分からないが、枯れた声、無駄に低い声で話し始めた。
その言葉を聞いて、ハッとしたトリルヴィであったが、目の前の仮面の少年も気になって一瞬の躊躇をみせたが被り振る。
「感謝する。私はプリットの者達に警告をしてくる」
「そうするといい」
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