ステータス表記を変えて貰ったら初期設定に戻ってたー女神公認のハーレム漫遊記ー

ささやん

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5章 表舞台へ、静かに階段を上る

70話 泣く事すら許されないと男は呟く

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 ティテールと俺は情報屋からの調査で分かっているティテールの弟、ザスがいる場所へと向かって走っている。

 先行する俺はチラリと後ろを振り返り、思い詰め過ぎて破裂しそうになっているティテールの表情を見て眉を寄せて溜息を吐きそうになったがかろうじて耐えた。

 今の俺に溜息を吐く資格はないよな……

 キュッと口を真一文字に引き絞って、自分がした清算の時か、と駆けていた足をゆっくりと減速して止めた。

 勢いで俺を抜いたティテールが足を止めて怪訝な表情で振り返ってくる。

「どうした! ここが目的地じゃないだろう。まだ半分の……」

 まだ半ばと言いたいティテールに俯いた俺は掌を向ける事で話の途中で黙る。

 言え、あの時から避けて通れない事を分かってて言ったんだ。

 俯いてた顔をゆっくり上げるとティテールはビクッと後ずさる。俺の無表情、いや感情を殺した顔に驚いたようだ。

 俺は少しでも引け目を感じさせる事は許されないからこれでいい。

 さあ、言え!!

 ティテールが下がった一歩、同じように前に詰めると俺は口を開いた。

「到着する前に伝えておかなければならない事がある。言ってない事があるんだ」

 俺がそう言うと何が言いたげだったが気圧されたティテールが口籠る。

 ティテール、お前が少しでも急いで行きたいのは分かる。

 でも、手遅れなんだ。

 俺はティテールを真っ直ぐに見詰めてゆっくりと口を開く。

「……ザンを助ける術はない」
「――ッ!!」

 そう言われたティテールがキョトンとした表情になり、ワナワナと体を震わせ始め、犬歯を徐々に剥き出しにして、そして吼える。

「ザンが救えるんじゃないのかっ! 『取り返しがつかなくなる』と言っただろうがぁ!!」

 飛び付くように俺の胸倉を掴みかかるティテールが眼前に迫り、今にも噛みつきそうな形相で俺を睨む。

 そうされてもピクリとも表情を動かさない俺は淡々と答える。

「ああ、『取り返しがつかなくなる』、ティテールの命がな」
「な、なんだと……騙したのか」

 俺の言葉に脱力した掴む手をぞんざいに振り払って解く。

 振り払われた事で我に返ったティテールが振り返ってザンがいる場所へと駆け出そうとしたが一足飛びで先回りした俺が足払いしてこかす。

 倒れて、すぐ立ち上がろうとしたティテールが暴れる背から両肩を動かないように両手で押さえ付けた。

「無策で飛び出してどうする? 助ける術はなく、弟を楽にしてやる事も出来ないだろう?」
「決め付けるなっ! まだ救える術があるかもしれないっ!」
「散々、試したんだろう? 自分で助けたいと思って、思って……傷だらけになって、どうにもならないと分かったから俺に頼ろうとしたんだろうが!」

 俺の言葉に反論が出来ずに歯を食い縛り、一瞬、動きを止めたティテールだったが、言葉にならない叫び声を上げて先程と比べ物にならない力強さで暴れ始める。

 くっ、なんて力だ、押さえるのが難しい!

 いや、このまま動けないように押さえ続ける事は出来る、だが、それはティテールの体を壊すのを辞さない覚悟があった場合だ。

 このままだと不味い、ティテールの体、精神すら保てないかもしれない。

 どうやって落ち着かせる?

 当て身で? 無理だ、こんなにアドレナリンが大量に分泌してる相手がそれぐらいで止まるとは思えない。

 スキル製造機に眠らせるスキルを……駄目だ、同じ理由で大量のアドレナリンを分泌させる興奮状態では……

 ピコン

 えっ?

 この状況でスキル製造機から提案……無茶苦茶嫌な予感しかしない。

『変換』

 そうスキル製造機が告げてくる。

 なぁ、なんか凄い嫌な感じがするんだけど大丈夫なんかよ?

『嫌なら聞き流しを。しかし、彼女をこのまま無事に抑えられる自信がお有りですか? 手遅れにならないといいですね』

 くぅ、ど、どうしよ、確かにこのまま抑えておくのは難しい。

 俺がそう悩んでいる最中、ティテールを抑えている腕から骨が軋む音が聞こえてくる。

 悩んでる時間はもうないかっ!

 南無三っ

「変換」

 俺はスキル製造機から提案された変換を取得してヤケクソ気味に使う。

 すると暴れていたティテールの動きがピタリと止まり、おとなしくなって俺はホッと溜息を零す。

 本当にたまに良い仕事するな、スキル製造機。

『私は優秀でいつも良い仕事しかしません』

 言ってろ、と思わなくはないが結果オーライと流す事にした俺。

 俺は抑えていた両肩から手を離して話しかける。

「乱暴な事してすまない。確かに助ける事は出来ないが……」

 言葉を続けようとした俺だったが急にガバッと起き上がったティテールに今度は逆に両肩を掴まれ押し倒される。

「へっ?」

 間抜けな声を洩らす俺は油断していた事であっさり地面に押し倒されてしまう。

 目を血走らせているティテールに唇を奪われる。

「ジュルル、ピチャピチャ……」

 なんで俺、キスされてるん!?

 ティテールはキスをしながら俺の服を脱がすのもまどろっこしいとばかりにシャツを捲り上げて胸がさらけ出されるとすぐに胸に舌を這わせる。

「チュッチュ、レロレロ」

 おお、なんか分からんけど俺の息子がおっきしちゃうぅ!

 慌てて勃起制御をしようとした俺に待ったをかけるスキル製造機。

『待ってください。このまま彼女を放置すると気が狂うと思われます』

 ど、どうしたらええの!

『悲しみに全変換される危惧はしてましたが性欲になったようです。このまま彼女の好きさせてあげて発散してあげてください』

 あ、あかんやろ! もう一度、変換を使って……

『この様子だと悲しみに変換された場合、自死の可能性大ですがよろしいですか? どのみち連続使用は出来ませんが』

 万事休す、打つ手ないやん。

 ティテールは自分のビキニを巻くし上げると俺の手を掴んで形の良い胸を触らせてくる。

「うぐぅ、い"い"い"い"ぃぃぃ、もっと、もっとぉぉぉ!」

 少し乳首に触れた程度だったのに仰け反ってエビなりになるティテール。

 俺は悲しそうにティテールを見る。

「すまない、打つ手が思い付かなくてこれしか出来なかった。君とこういう関係になるなら正気な時にしたかったよ」

 俺のズボンを擦り下ろすとそこには制御をしなかった勃起したマイサンの姿が。

 涎を垂らすティテールはバレオは勿論パンツも脱ぐのも我慢出来ないらしくパンツをずらすとマイサンにあてがう。

 躊躇なく腰を下ろしたティテールは処女膜が破れた瞬間、舌を突き出して身を震わせる。

 高まる性欲のせいで破瓜の傷みすら快感に変換されているようで激しくイッたようだ。

 ゆっくり俺のマイサンを埋没させるティテール。

「イ"グぅ、イ"グぅ、イ"グぅ」

 奥に到達すると涎だけでなく涙まで流して歓喜の声を上げる。

 こんな美人とするというのは本来男として喜ぶところであるが俺は喜べない。

 意図した事ではないが彼女の意思を捻じ曲げてこうしてしまったのが自分だからだ。

 思わず、再び、すまないと言いかけたが俺は飲み込む。

 これ以上は自分を救う許しを得る為の謝罪になってしまうと感じるから。当然、俺に泣く資格すらない。

 正気に戻った後の彼女からの罵詈雑言、制裁を甘んじて受けようと俺は心に決める。

 静かな森に肉と肉がぶつかり合う音と彼女の嬌声が響き渡る。

 だが、彼女の嬌声は俺には泣いているようにしか聞こえなかった。



 それからどれくらいの時間が経ったか分からないが何度目、いや、何十回というティテールが絶頂をしたか分からないが正気に戻った彼女は俺の上からどくと近くでペタリと女の子座りをする。

 正気に戻っても慌てる様子がない。おそらく俺としてる最中の記憶もちゃんと残っているのだろう。

 ティテールが乱れた服を静かに黙って直すのを倣うように俺も身嗜みを整える。

 整え終えると話しかけたいがティテールのタイミングを待つ為、黙って近くに座ったままジッとする俺。

 俺に対してであればどんな対応されようとも受け止めるつもりだった俺はある意味、死刑宣告を待つ罪人の気持ちでその時を待っていたが予測は外れた。

「助ける事は出来ないが、の続きは何?」

 俺に背を向けたティテールがそう切り出してくるのに驚いていた俺だが一呼吸吐くと答える。

「助ける事は出来ない。だけど救う事は出来る。それには君の力がいる、俺を信じてくれるか?」
「……思えば、貴方は最初から私を助けてくれていた。こちらが協力的だったらもっと話は簡単だったと思う。だから助ける事は出来ないが救う方法を私に教えて」

 振り返って俺を見つめるティテールの瞳には理性的な光があった。

 経緯はともかく冷静になってくれたティテールに俺は頷き、立ち上がるとティテールに手を差し伸べる。

「行こう。君の弟のザンを救う為に」
「お願い、ザンを救うのを手伝って」

 立ち上がったティテールと頷き合った俺はザンを救う術の説明を始めた。
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