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温泉へ行こう
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大学を卒業し、入社した会社は怒号飛び交う体育会系のブラック企業だった。
のんびりとした田舎から上京して、大学生活ものほほんと過ごした俺は、不眠不休で倫理観ゼロの会社にて、ものの3年足らずであっという間に精神崩壊、希死念慮の発生、立ち上がる事すらできなくなった。
すんでのところで家族や友人達に救われて、つい先日ブラック企業を退職した。
嫌味を言われながらたっぷり残った有給を使い、消えてなくなった一年分にイラつきながらも惰眠を貪る毎日だったが、ただでさえ社畜の精神が消え切れない俺は何もしていない事に不安を感じ始める。
今日も今日とてSNSを流し見ると、ある広告が目に入った。
有名温泉街で日帰り旅行を楽しもう!
「そうだ、温泉へ行こう」
面倒な会社とのアポもない。資料作成の必要もない。社内用、社外用、分ける必要もないし、形だけの稟議書を作成する前に話を通さなくてもいい。
定時10分前にメールや電話が来る事もないし、金曜の夜に月曜の朝まで完成させろなんて言われる事もない。
平日休めるって最高じゃね?
途端に俺は強気になった。
都合の悪い時にだけ居なくなる同期も、九割やらせて後はやっとくよ!と自分の手柄にする先輩も、定例ミーティングで俺にだけネチネチ嫌味をいう部長もいないんだ。
この三年間、仕事、仕事でろくに金も使わなかった。
服装も仕事着以外は何も買ってない。
せっかくだし、贅沢しちゃお。
何も海外へ行くってわけじゃないんだ。
二泊三日のプチ贅沢、クーポンもある。
5%かよ、しけてんな。とは思うけど、この時期だから紅葉目当ての客もいるんだろう。
思い立ったが吉日。
家族には旅行するとだけ伝えとけばいいや。
とりあえず、予約予約。
「……と、非日常を求めておひとり様しようってのに、何であき君がいるわけ?」
「まーまー、俺も有給余ってたしさ、二人の方が割り勘できていいじゃん」
あき君こと陽臣兄ちゃんは、地元の近所の子供の頃からの顔見知りの兄ちゃんで、血の繋がりは皆無である。
眉目秀麗、成績優秀、俺より一足先に上京し、有名外資企業に就職。
俺よりも二つ上だがもう管理職にという話も出ている。
小さい頃からずっと面倒を見てくれて、俺が大学に行って、働き始めた時も、たまにご飯に誘ってくれた。
だんだんと忙しさから時間が取れず、ご飯に行くのも辛くなってげっそり痩せた俺を見て、あき君は、無理にでも俺ん家に引っ張ってくればよかった。と後悔したそうだ。
俺の仕事の問題だし、あき君が気に病む事ないとは言ったのに、飯屋に連れて行かれる事も増えた。
多分俺が小さい頃、コロコロに太っていたからそのイメージが強いんだと思う。
コロコロむくむくだったのは小学生の頃なのに、会う度に神妙な面持ちで「痩せたか…?」なんて言うもんだから、訂正するのも最初の数回で諦めた。
気晴らしに温泉に行くつもりだと家族に言うと、あき君も行きたいそうよ。
と、あっという間に予約完了。
今こうして隣同士に仲良く特急電車に乗っている。
久しぶりに早起きしてちょっとグロッキーな俺の背中をさすりながら、あき君は世話を焼いてくれるので申し訳なくなってくる。
「仕事ないからって朝起きないのはよくないぞー?」
「うー、頭では分かってるんだけど、つい夜更かししちゃうんだよね」
意味もなく、ネットの海に溺れ、気づいたら午前2時。
仕事がある日は結局眠れず…なんて事もあった。
今は仕事がないから昼過ぎまで寝て、0時より前に寝れなくなってまた午前2時なんてのを繰り返していた。
「それよりも、俺なんかと行くより会社の人と出かけた方がいいんじゃないの?」
あき君は、かっこよくて、優しくて、モテるから俺なんかより、すごくて仲良い人がいっぱいいるはず。
週末はバーベキューしたりして、綺麗な奥さんと、同期や大手勤めの大学の友人達と、可愛い子供にペットも飼ったりなんかして。
典型的な核家族。
うっ、何だか惨めになってきた。
「ウチの会社はほぼリモートだから仕事帰りに飲みに行こうなんて絡みないし、出社日も周りは投資と女と腕時計や車の話しかしないからつまんないよ。それよりも俺はノーベル賞受賞したら会社立ち上げて俺を雇ってくれるってしょうちゃんの話の方が好きだな」
ちなみにこれは子供の頃ならまだしも、酔っ払いの与太話だったりする。
「酒の席での話を持ち出さなくても……」
「ふふっ、養ってくれるんだろ?」
***
駅に着き、バスで乗り換えて宿泊先に向かった俺たちは、まだチェックイン前だが荷物だけ先に置かせてもらって、身軽になった。
石畳と時折香る硫黄の臭い。
「うおー!旅行って久しぶりだからテンション上がる!!」
「ね。思ったより整備されてて、若者向けの店もあるね。あ、ほらあそこミシュランで有名なんだって」
その後、ぶらぶら散歩してロープウェイに乗る事にした。
平日なのに人はそこそこで、ちらほら30代くらいの夫婦が居たりして、あの人達、俺たちみたいに有給消化じゃないよな?何の仕事してるんだろ……なんて話しながらロープウェイに乗った。
紅葉にはまだ早く、緑が青々としている。
「どうせなら紅葉の時期の方が良かった?」
俺は眼下の新緑を眺めるあき君に問いかける。
「紅葉ピークならこんなにゆったりできないし今くらいがちょうどいいよ」
「そんなもん?」
「そんなもん」
せっかく来たのだから、あき君に満足して帰ってもらいたい。
何かお返しをしたいんだ。頼むからさせてくれ。
***
「おぉ……いい部屋!」
「ちょうど人気の部屋がキャンセル出たみたいでさ、速攻で予約したよ」
畳の部屋と仕切られた寝室に、何と露天風呂が備え付けだ。
あき君はお得なお値段で⭐︎5ランクの部屋をさらりと予約してくれた。
「もう少ししたら懐石料理が来るらしいから、先に温泉入っちゃう?大浴場がいいならそれでもいいけど」
「大浴場も気になるけどせっかく備え付けだし露天を楽しもうよ!」
「りょーかい。じゃあ、浴衣は……これかな?」
いそいそと服を脱ぎ、風呂場へ向かう。
思ったよりコンパクトで、二人入るのはギリギリかも?
掛け湯をしていると、後からあき君が入ってきた。
「お、来たな。だけど星が……見えない!!暗い!残念」
「あはは、ま。都会から離れてと言っても1~2時間じゃあ普通に市街地だよね。満天の星空はもっと田舎じゃないと」
「でも解放的でいいねぇ」
「だね、自分ちの風呂よりは全然温泉ぽい」
中身のない会話をしながらふと、あき君の身体に目が行った。
すごい。
無駄な贅肉がない。ムキムキマッチョでもない適度な体型。
対して自分は血色の悪い青白い肌に、脇腹が若干浮いたヒョロガリである。
不眠症でまともに眠れなかったから前よりはマシになったが隈ができている。
「ん?どうかした」
しまった。じろじろ見すぎただろうか。
「あき君、引き締まってて、何か運動してるのかなって」
「ああ、朝はウォーキングするようにしてるかな?」
「へぇ、何時起き?」
「7時とか?ウォーキングして、シャワー浴びて、朝食作って、9時半から仕事スタート」
「うっひゃー!すげえ丁寧な暮らし!!俺ならギリギリまで寝ちゃう」
「しょうちゃんの方は?隈……ちょっとは薄くなった?ちゃんと寝れてるんだよね?」
あき君は親指で俺の目元をなぞる。
濡れた前髪をかきあげて、綺麗な顔が更に近づきドキドキした。
「う、うん。薬出してもらってるしぐっすりだよ」
「……そっか。飲みすぎないようにね」
「そだね、効きすぎて怖いから適度に飲んで、やめてこうと思う」
気まずい沈黙が流れる。
「……ねえ、しょうちゃん。有給終わったらどうするか決めた?」
「んーと、とりあえずハロワに行って、失業保険の手続きして、後はまだ何も考えてないや」
ふぅん。とあき君は深く追求も強要もしてこない。
「じゃあさ、俺んトコ来なよ。部屋も余ってるし交通の便も悪くないし、ご飯は自炊で作りすぎちゃうから好きに食べていいし。節約にもなるよ」
やっぱりこれが狙いだったか。
仕事を辞める直前、部屋から出られなくなった俺を訪ねてきたのはあき君だった。
近くに住んでる人が居ないとかで、いつのまにか実家に預けたスペアキーを持って、遮光カーテンに遮られ、空気のこもった部屋に明かりをつけたのはこの人だった。
まるで自分のことのように泣きそうな顔をして、ろくに風呂に入っていない俺を抱きしめて、間に合って良かっただなんて大袈裟な事を言って。
いつも何かを与えてくれるこの人についていく為に、俺は必死だってのに。
あっという間に飛び越えてくるんだから。
「どうせ母さん達に何か言われたんでしょ?」
「そんなんじゃないよ。俺がしょうちゃんと住んだら楽しいだろうなって思っただけ」
そう言ってあき君はそろそろ上がろうか。と出て行った。
***
「ふぅ~食った食った!満足!!」
風呂から出て少し経つと、懐石の準備ができていると声がかかった。
新鮮な魚や季節の野菜に舌鼓を打ち、ちょっとだけ酒もあおって二人ともご満悦だ。
今の時間はまったりしながら心地よい睡魔と戦い、明日の予定を立てている。
「そうだ。マッサージしてあげるよ、ほらしょうちゃん。寝て寝て」
あき君が突如マッサージをしてあげるなどと言い出すではないか。
くすぐったいから苦手だけど、肩こりはずっと酷くて頭痛もするからなんとかしたいと思ってはいた。
無下にする訳にもいかないし素直にお願いする。
「うわー。しょうちゃん、首、肩、腰ガッチガチ。全体的に張ってるけど、よくこんなんで我慢してきたね。そりゃ眠れなくもなるって」
天性の器用さを誇るあき君は俺の気持ちいいところを執拗にもみほぐしている。
「んおっ、おっ、う、う、お゛!お゛!お゛っ」
「…………」
「お゛ぉ゛ッ!お゛ッ!おん゛ッ!オ゛っ!うッ、おぉんっ!……オ゛ッ」
あき君がピタリと手を止めた。
「……しょうちゃん。わざとやってる?」
「あ゛っ、わざ、とじゃ、ない」
「ほんと?痛くはない?」
ゴリっと腰と尻の間くらいの筋肉をほぐす。
「ぎもぢいぃ、からぁ!や゛め、な゛い゛で!!」
あき君の手がまたピタリと止まる。
「フゥーーーー」
「何してんの?」
「精神統一」
「?????」
その後もあき君に丁寧に身体中を揉みほぐされた。
早起きをしたせいもあり次第に眠気が襲う。
「寝ていいよ」
ふわふわと頭を撫でられまどろんでいった。
***
「んー?」
目を覚ますと身体の自由がきかない。
「えっ、え?何で?!???」
なんとあき君が俺を抱き抱えて眠っている。
騒がしくしたせいであき君も目が覚めたらしい。
「ん…おはよ」
顔整いは寝起きすら美しいのか。
「どういう状況?」
「昨日の晩、しょうちゃんがうなされてたからさ、こうして抱っこしてたら落ち着いたみたいで。そのまま俺も寝ちゃった」
そう言いながらも離してくれない。力つええな。
「どおりで、今日は悪夢見なかったな。いつもうなされてたんだ、俺」
「悪夢?」
「大した事ないよ。寝過ごして会社に遅れる夢とか、大事な会議を忘れる夢とか、納期間違える夢とかリアルなやつ。まだ脳が辞めた事を受け入れてないんだろうね」
あき君の手に力がこもる。
「あき君が気にすることじゃ……って、うっ……」
「何?どうかし……!!」
寝起きのあき君で全く気づいていなかったけれど、俺、朝勃ちしている。
この様子だとあき君にもバレている。泣きたい。
「あ、あはは……。昨日お風呂入って、マッサージしてもらって血行が良くなったからかなぁ……なんて」
「抜こうか。スッキリするよ」
え、いきなり何言い出すの?
俺の戸惑いをよそに、あれよあれよという間にあき君に後ろから抱き抱えられる形で俺のブツを抜き始めた。
「あっ……なん、で……わざわざ、はっ、ここでえっちなことッ……んっ!しなくていいじゃん」
「せっかくいい部屋なんだからゆっくりしようよ」
浴衣の隙間からするりと手をそわせ、あっという間に帯を緩めた。
そして、乳首をちょっと強くつねりながら、下履きに手をかける。
「あっ!」
ぶるんと硬くなった俺の肉茎が顕になる。
「すごいね、長い事触ってなかった?」
「うあ!そ、れは……。か、のじょも仕事してる時は、いなかったし」
人はあまりにくたびれると、性欲もどうでも良くなってくる。
疲れマラのその向こうは虚無なのだ。
土日出勤やサービス残業で彼女の相手なんてもちろんできないし、はっきり言うとそういう行為はご無沙汰であった。
「あ、あっ、は、き、きょうは!朝から山に、ハイキング、イって、足湯行、ん゛っ!て、たべ、歩きするっ、つもり、だ!……たッ、のに゛」
「ははっ、この調子だと山は無理だな」
後ろから抱き寄せられ、甲斐甲斐しくしこしこと朝勃ちした俺の逸物を優しく丁寧にこすりあげる。
俺の反応を見て、どこが感じるかを瞬時に察するこの人は、やっぱり有能でバリバリ仕事できるんだろうななんて考えたりして。ここで改めて気付きたくなかったんだけど。
「痛くない?」
肩に顎を乗せ、耳元であき君の声がする。
「気持ち、いい……」
久しぶりの人の体温と、自分より大きい兄ちゃんの体に包まれて、響く心地良い声は、腹の奥を揺らす。
毎日ウォーキングしてるって言ってたな、近所にジムもあって、ああクソ!持ってる男は違うな、羨ましいよ純粋に。
あき君が俺のカリをぬこぬこと輪にして抜きながら、グリッと鈴口を軽く指先で掻いた。
「ああっ!あき、にいちゃ…、それやだ、出る、でるぅ」
「……っ」
快感から逃れようと腰をそらすも、ビクビクと暴れる身体をすぐさま引き戻され、ガッチリ腕に絡め取られた。
仙骨のあたりに硬いものが当たっているが気にしている余裕がない。
「んあっ!だめ、ダメだって!!イクから離して!」
涙目になりながら懇願するも許可は出そうになかった。
「ダメ、布団汚れるから。俺の手に出して」
「んうう……でるぅ、イク、うあ!!あぁ……」
ふわりと身体が浮いたような感覚になり、あき君の手の中に自らの白濁を吐き出した。
はぁはぁと息を荒くして、脱力感が全身を覆い、トロンとした目であき君を見つめていると、あき君が優しい顔をして見つめ返してくる。
子供の頃から俺に見せるあき君のこの顔が好きだ。ぼんやりと思っていると……
何だろう、顔が近いな。
「あき、にい、ちゃん?」
するとあき君は、ハッとした顔をして顔を離した。
「俺もゆっくり準備するから、しょうちゃんはもう少し寝てな。先にお風呂使わせてもらうね」
そう言ってあき君は脱衣所へ向かった。
***
「ほらこれ美味しそうだよ。買っとく?」
「うん」
「見てほら、クラフトビールだって。夜に飲まない?」
「ん……」
「あ、お土産屋さん……は、荷物になるから帰りにしよっか」
何で普通なんだ。
冷静になって考えると、いや冷静じゃなくても。今朝のアレはおかしいだろ。
いくら仲が良くて、昔から知っている間柄とは言え、さすがに抜くまではしないって。
気を使ってあき君が話しかけてくれるのが余計に居た堪れない。
こんな時、俺は何もできない。
あーあ、俺って何もかもダメなやつ。
気づけば音もなく涙が流れていた。
ぼろぼろと涙を流す俺を見て、あき君がギョッとする。
「疲れた?もう帰ろっか」
周りの視線が気になる。
こくりと頷くと、あき君は手を握ってきた。
手を引かれ、泣きながら帰ると、幼い日を思い出した。
盛大にコケて泣いた時も、こんなふうに手を引いてくれてたっけ。
「ごめん、無神経だったね」
違う、そんなんで泣いてるんじゃない。
あき君の事は大好きだし責めてるんじゃない。
必死になって頭をふるふる横に振って意図が伝わるよう努力した。
「しょうちゃんが入水自殺した文豪の橋が近くにあるとこに旅行に行きたがってるからっておばさんが連絡してきてさ」
はぁ?と気の抜けた声が出てしまった。
「母さん、何言ってんだか。そんなのする訳ないのに。変なこと気にしすぎだって」
「気にしすぎなんかじゃない!!」
あき君が抱きしめてきたが、手が震えている。
「あの日、しょうちゃんの賃貸に行った時。今までの俺は最低だったと思った」
「へ?なんで?むしろ助けてくれたけど?」
「本音を言えば、病んでる時のしょうちゃんに会いたくなかった。どんどん顔色が悪くなっていくのに、何もできない不甲斐ない俺を思い知らされるのが怖かった。昇進とか、出張とか、色々理由をつけて、仕方ないって思い込んで。だから俺のせいで、しょうちゃんが死んじゃったらどうしようって……」
「何言ってんだよ?悪いのは会社のやつら!」
あき君がぽんぽんと背中を叩いて、赤ちゃんをあやすみたいにしてきた。
「いつも俺の後ろを歩いていたのに、安心してたらいつのまにか一人でどっか行っちゃうから。もう帰ってこないかもって。今更自分の気持ちに気付いて……」
ぎゅっと抱き寄せられた腕に力がこもる。
「もう、一人で行かないで」
「本当は横に歩きたいんだけどな」
だって今までみたいについていくだけじゃ、何も変わらない。
何で陽臣君が君なんかと仲良くしているの?と聞かれても、何も答えられないから。
「そっか、俺はしょうちゃんのいい兄貴分でいなきゃいけないって、期待されてるって思ってたけど、そんなんじゃないんだ」
「頼りになるあき君は好きだけど、ぼんやりしてて食べ物の事しか考えてないあき君もいいと思う」
「俺、そんなに食べ物の事しか考えてない?」
二人で顔を見合わせ笑い合った。
-fin-
のんびりとした田舎から上京して、大学生活ものほほんと過ごした俺は、不眠不休で倫理観ゼロの会社にて、ものの3年足らずであっという間に精神崩壊、希死念慮の発生、立ち上がる事すらできなくなった。
すんでのところで家族や友人達に救われて、つい先日ブラック企業を退職した。
嫌味を言われながらたっぷり残った有給を使い、消えてなくなった一年分にイラつきながらも惰眠を貪る毎日だったが、ただでさえ社畜の精神が消え切れない俺は何もしていない事に不安を感じ始める。
今日も今日とてSNSを流し見ると、ある広告が目に入った。
有名温泉街で日帰り旅行を楽しもう!
「そうだ、温泉へ行こう」
面倒な会社とのアポもない。資料作成の必要もない。社内用、社外用、分ける必要もないし、形だけの稟議書を作成する前に話を通さなくてもいい。
定時10分前にメールや電話が来る事もないし、金曜の夜に月曜の朝まで完成させろなんて言われる事もない。
平日休めるって最高じゃね?
途端に俺は強気になった。
都合の悪い時にだけ居なくなる同期も、九割やらせて後はやっとくよ!と自分の手柄にする先輩も、定例ミーティングで俺にだけネチネチ嫌味をいう部長もいないんだ。
この三年間、仕事、仕事でろくに金も使わなかった。
服装も仕事着以外は何も買ってない。
せっかくだし、贅沢しちゃお。
何も海外へ行くってわけじゃないんだ。
二泊三日のプチ贅沢、クーポンもある。
5%かよ、しけてんな。とは思うけど、この時期だから紅葉目当ての客もいるんだろう。
思い立ったが吉日。
家族には旅行するとだけ伝えとけばいいや。
とりあえず、予約予約。
「……と、非日常を求めておひとり様しようってのに、何であき君がいるわけ?」
「まーまー、俺も有給余ってたしさ、二人の方が割り勘できていいじゃん」
あき君こと陽臣兄ちゃんは、地元の近所の子供の頃からの顔見知りの兄ちゃんで、血の繋がりは皆無である。
眉目秀麗、成績優秀、俺より一足先に上京し、有名外資企業に就職。
俺よりも二つ上だがもう管理職にという話も出ている。
小さい頃からずっと面倒を見てくれて、俺が大学に行って、働き始めた時も、たまにご飯に誘ってくれた。
だんだんと忙しさから時間が取れず、ご飯に行くのも辛くなってげっそり痩せた俺を見て、あき君は、無理にでも俺ん家に引っ張ってくればよかった。と後悔したそうだ。
俺の仕事の問題だし、あき君が気に病む事ないとは言ったのに、飯屋に連れて行かれる事も増えた。
多分俺が小さい頃、コロコロに太っていたからそのイメージが強いんだと思う。
コロコロむくむくだったのは小学生の頃なのに、会う度に神妙な面持ちで「痩せたか…?」なんて言うもんだから、訂正するのも最初の数回で諦めた。
気晴らしに温泉に行くつもりだと家族に言うと、あき君も行きたいそうよ。
と、あっという間に予約完了。
今こうして隣同士に仲良く特急電車に乗っている。
久しぶりに早起きしてちょっとグロッキーな俺の背中をさすりながら、あき君は世話を焼いてくれるので申し訳なくなってくる。
「仕事ないからって朝起きないのはよくないぞー?」
「うー、頭では分かってるんだけど、つい夜更かししちゃうんだよね」
意味もなく、ネットの海に溺れ、気づいたら午前2時。
仕事がある日は結局眠れず…なんて事もあった。
今は仕事がないから昼過ぎまで寝て、0時より前に寝れなくなってまた午前2時なんてのを繰り返していた。
「それよりも、俺なんかと行くより会社の人と出かけた方がいいんじゃないの?」
あき君は、かっこよくて、優しくて、モテるから俺なんかより、すごくて仲良い人がいっぱいいるはず。
週末はバーベキューしたりして、綺麗な奥さんと、同期や大手勤めの大学の友人達と、可愛い子供にペットも飼ったりなんかして。
典型的な核家族。
うっ、何だか惨めになってきた。
「ウチの会社はほぼリモートだから仕事帰りに飲みに行こうなんて絡みないし、出社日も周りは投資と女と腕時計や車の話しかしないからつまんないよ。それよりも俺はノーベル賞受賞したら会社立ち上げて俺を雇ってくれるってしょうちゃんの話の方が好きだな」
ちなみにこれは子供の頃ならまだしも、酔っ払いの与太話だったりする。
「酒の席での話を持ち出さなくても……」
「ふふっ、養ってくれるんだろ?」
***
駅に着き、バスで乗り換えて宿泊先に向かった俺たちは、まだチェックイン前だが荷物だけ先に置かせてもらって、身軽になった。
石畳と時折香る硫黄の臭い。
「うおー!旅行って久しぶりだからテンション上がる!!」
「ね。思ったより整備されてて、若者向けの店もあるね。あ、ほらあそこミシュランで有名なんだって」
その後、ぶらぶら散歩してロープウェイに乗る事にした。
平日なのに人はそこそこで、ちらほら30代くらいの夫婦が居たりして、あの人達、俺たちみたいに有給消化じゃないよな?何の仕事してるんだろ……なんて話しながらロープウェイに乗った。
紅葉にはまだ早く、緑が青々としている。
「どうせなら紅葉の時期の方が良かった?」
俺は眼下の新緑を眺めるあき君に問いかける。
「紅葉ピークならこんなにゆったりできないし今くらいがちょうどいいよ」
「そんなもん?」
「そんなもん」
せっかく来たのだから、あき君に満足して帰ってもらいたい。
何かお返しをしたいんだ。頼むからさせてくれ。
***
「おぉ……いい部屋!」
「ちょうど人気の部屋がキャンセル出たみたいでさ、速攻で予約したよ」
畳の部屋と仕切られた寝室に、何と露天風呂が備え付けだ。
あき君はお得なお値段で⭐︎5ランクの部屋をさらりと予約してくれた。
「もう少ししたら懐石料理が来るらしいから、先に温泉入っちゃう?大浴場がいいならそれでもいいけど」
「大浴場も気になるけどせっかく備え付けだし露天を楽しもうよ!」
「りょーかい。じゃあ、浴衣は……これかな?」
いそいそと服を脱ぎ、風呂場へ向かう。
思ったよりコンパクトで、二人入るのはギリギリかも?
掛け湯をしていると、後からあき君が入ってきた。
「お、来たな。だけど星が……見えない!!暗い!残念」
「あはは、ま。都会から離れてと言っても1~2時間じゃあ普通に市街地だよね。満天の星空はもっと田舎じゃないと」
「でも解放的でいいねぇ」
「だね、自分ちの風呂よりは全然温泉ぽい」
中身のない会話をしながらふと、あき君の身体に目が行った。
すごい。
無駄な贅肉がない。ムキムキマッチョでもない適度な体型。
対して自分は血色の悪い青白い肌に、脇腹が若干浮いたヒョロガリである。
不眠症でまともに眠れなかったから前よりはマシになったが隈ができている。
「ん?どうかした」
しまった。じろじろ見すぎただろうか。
「あき君、引き締まってて、何か運動してるのかなって」
「ああ、朝はウォーキングするようにしてるかな?」
「へぇ、何時起き?」
「7時とか?ウォーキングして、シャワー浴びて、朝食作って、9時半から仕事スタート」
「うっひゃー!すげえ丁寧な暮らし!!俺ならギリギリまで寝ちゃう」
「しょうちゃんの方は?隈……ちょっとは薄くなった?ちゃんと寝れてるんだよね?」
あき君は親指で俺の目元をなぞる。
濡れた前髪をかきあげて、綺麗な顔が更に近づきドキドキした。
「う、うん。薬出してもらってるしぐっすりだよ」
「……そっか。飲みすぎないようにね」
「そだね、効きすぎて怖いから適度に飲んで、やめてこうと思う」
気まずい沈黙が流れる。
「……ねえ、しょうちゃん。有給終わったらどうするか決めた?」
「んーと、とりあえずハロワに行って、失業保険の手続きして、後はまだ何も考えてないや」
ふぅん。とあき君は深く追求も強要もしてこない。
「じゃあさ、俺んトコ来なよ。部屋も余ってるし交通の便も悪くないし、ご飯は自炊で作りすぎちゃうから好きに食べていいし。節約にもなるよ」
やっぱりこれが狙いだったか。
仕事を辞める直前、部屋から出られなくなった俺を訪ねてきたのはあき君だった。
近くに住んでる人が居ないとかで、いつのまにか実家に預けたスペアキーを持って、遮光カーテンに遮られ、空気のこもった部屋に明かりをつけたのはこの人だった。
まるで自分のことのように泣きそうな顔をして、ろくに風呂に入っていない俺を抱きしめて、間に合って良かっただなんて大袈裟な事を言って。
いつも何かを与えてくれるこの人についていく為に、俺は必死だってのに。
あっという間に飛び越えてくるんだから。
「どうせ母さん達に何か言われたんでしょ?」
「そんなんじゃないよ。俺がしょうちゃんと住んだら楽しいだろうなって思っただけ」
そう言ってあき君はそろそろ上がろうか。と出て行った。
***
「ふぅ~食った食った!満足!!」
風呂から出て少し経つと、懐石の準備ができていると声がかかった。
新鮮な魚や季節の野菜に舌鼓を打ち、ちょっとだけ酒もあおって二人ともご満悦だ。
今の時間はまったりしながら心地よい睡魔と戦い、明日の予定を立てている。
「そうだ。マッサージしてあげるよ、ほらしょうちゃん。寝て寝て」
あき君が突如マッサージをしてあげるなどと言い出すではないか。
くすぐったいから苦手だけど、肩こりはずっと酷くて頭痛もするからなんとかしたいと思ってはいた。
無下にする訳にもいかないし素直にお願いする。
「うわー。しょうちゃん、首、肩、腰ガッチガチ。全体的に張ってるけど、よくこんなんで我慢してきたね。そりゃ眠れなくもなるって」
天性の器用さを誇るあき君は俺の気持ちいいところを執拗にもみほぐしている。
「んおっ、おっ、う、う、お゛!お゛!お゛っ」
「…………」
「お゛ぉ゛ッ!お゛ッ!おん゛ッ!オ゛っ!うッ、おぉんっ!……オ゛ッ」
あき君がピタリと手を止めた。
「……しょうちゃん。わざとやってる?」
「あ゛っ、わざ、とじゃ、ない」
「ほんと?痛くはない?」
ゴリっと腰と尻の間くらいの筋肉をほぐす。
「ぎもぢいぃ、からぁ!や゛め、な゛い゛で!!」
あき君の手がまたピタリと止まる。
「フゥーーーー」
「何してんの?」
「精神統一」
「?????」
その後もあき君に丁寧に身体中を揉みほぐされた。
早起きをしたせいもあり次第に眠気が襲う。
「寝ていいよ」
ふわふわと頭を撫でられまどろんでいった。
***
「んー?」
目を覚ますと身体の自由がきかない。
「えっ、え?何で?!???」
なんとあき君が俺を抱き抱えて眠っている。
騒がしくしたせいであき君も目が覚めたらしい。
「ん…おはよ」
顔整いは寝起きすら美しいのか。
「どういう状況?」
「昨日の晩、しょうちゃんがうなされてたからさ、こうして抱っこしてたら落ち着いたみたいで。そのまま俺も寝ちゃった」
そう言いながらも離してくれない。力つええな。
「どおりで、今日は悪夢見なかったな。いつもうなされてたんだ、俺」
「悪夢?」
「大した事ないよ。寝過ごして会社に遅れる夢とか、大事な会議を忘れる夢とか、納期間違える夢とかリアルなやつ。まだ脳が辞めた事を受け入れてないんだろうね」
あき君の手に力がこもる。
「あき君が気にすることじゃ……って、うっ……」
「何?どうかし……!!」
寝起きのあき君で全く気づいていなかったけれど、俺、朝勃ちしている。
この様子だとあき君にもバレている。泣きたい。
「あ、あはは……。昨日お風呂入って、マッサージしてもらって血行が良くなったからかなぁ……なんて」
「抜こうか。スッキリするよ」
え、いきなり何言い出すの?
俺の戸惑いをよそに、あれよあれよという間にあき君に後ろから抱き抱えられる形で俺のブツを抜き始めた。
「あっ……なん、で……わざわざ、はっ、ここでえっちなことッ……んっ!しなくていいじゃん」
「せっかくいい部屋なんだからゆっくりしようよ」
浴衣の隙間からするりと手をそわせ、あっという間に帯を緩めた。
そして、乳首をちょっと強くつねりながら、下履きに手をかける。
「あっ!」
ぶるんと硬くなった俺の肉茎が顕になる。
「すごいね、長い事触ってなかった?」
「うあ!そ、れは……。か、のじょも仕事してる時は、いなかったし」
人はあまりにくたびれると、性欲もどうでも良くなってくる。
疲れマラのその向こうは虚無なのだ。
土日出勤やサービス残業で彼女の相手なんてもちろんできないし、はっきり言うとそういう行為はご無沙汰であった。
「あ、あっ、は、き、きょうは!朝から山に、ハイキング、イって、足湯行、ん゛っ!て、たべ、歩きするっ、つもり、だ!……たッ、のに゛」
「ははっ、この調子だと山は無理だな」
後ろから抱き寄せられ、甲斐甲斐しくしこしこと朝勃ちした俺の逸物を優しく丁寧にこすりあげる。
俺の反応を見て、どこが感じるかを瞬時に察するこの人は、やっぱり有能でバリバリ仕事できるんだろうななんて考えたりして。ここで改めて気付きたくなかったんだけど。
「痛くない?」
肩に顎を乗せ、耳元であき君の声がする。
「気持ち、いい……」
久しぶりの人の体温と、自分より大きい兄ちゃんの体に包まれて、響く心地良い声は、腹の奥を揺らす。
毎日ウォーキングしてるって言ってたな、近所にジムもあって、ああクソ!持ってる男は違うな、羨ましいよ純粋に。
あき君が俺のカリをぬこぬこと輪にして抜きながら、グリッと鈴口を軽く指先で掻いた。
「ああっ!あき、にいちゃ…、それやだ、出る、でるぅ」
「……っ」
快感から逃れようと腰をそらすも、ビクビクと暴れる身体をすぐさま引き戻され、ガッチリ腕に絡め取られた。
仙骨のあたりに硬いものが当たっているが気にしている余裕がない。
「んあっ!だめ、ダメだって!!イクから離して!」
涙目になりながら懇願するも許可は出そうになかった。
「ダメ、布団汚れるから。俺の手に出して」
「んうう……でるぅ、イク、うあ!!あぁ……」
ふわりと身体が浮いたような感覚になり、あき君の手の中に自らの白濁を吐き出した。
はぁはぁと息を荒くして、脱力感が全身を覆い、トロンとした目であき君を見つめていると、あき君が優しい顔をして見つめ返してくる。
子供の頃から俺に見せるあき君のこの顔が好きだ。ぼんやりと思っていると……
何だろう、顔が近いな。
「あき、にい、ちゃん?」
するとあき君は、ハッとした顔をして顔を離した。
「俺もゆっくり準備するから、しょうちゃんはもう少し寝てな。先にお風呂使わせてもらうね」
そう言ってあき君は脱衣所へ向かった。
***
「ほらこれ美味しそうだよ。買っとく?」
「うん」
「見てほら、クラフトビールだって。夜に飲まない?」
「ん……」
「あ、お土産屋さん……は、荷物になるから帰りにしよっか」
何で普通なんだ。
冷静になって考えると、いや冷静じゃなくても。今朝のアレはおかしいだろ。
いくら仲が良くて、昔から知っている間柄とは言え、さすがに抜くまではしないって。
気を使ってあき君が話しかけてくれるのが余計に居た堪れない。
こんな時、俺は何もできない。
あーあ、俺って何もかもダメなやつ。
気づけば音もなく涙が流れていた。
ぼろぼろと涙を流す俺を見て、あき君がギョッとする。
「疲れた?もう帰ろっか」
周りの視線が気になる。
こくりと頷くと、あき君は手を握ってきた。
手を引かれ、泣きながら帰ると、幼い日を思い出した。
盛大にコケて泣いた時も、こんなふうに手を引いてくれてたっけ。
「ごめん、無神経だったね」
違う、そんなんで泣いてるんじゃない。
あき君の事は大好きだし責めてるんじゃない。
必死になって頭をふるふる横に振って意図が伝わるよう努力した。
「しょうちゃんが入水自殺した文豪の橋が近くにあるとこに旅行に行きたがってるからっておばさんが連絡してきてさ」
はぁ?と気の抜けた声が出てしまった。
「母さん、何言ってんだか。そんなのする訳ないのに。変なこと気にしすぎだって」
「気にしすぎなんかじゃない!!」
あき君が抱きしめてきたが、手が震えている。
「あの日、しょうちゃんの賃貸に行った時。今までの俺は最低だったと思った」
「へ?なんで?むしろ助けてくれたけど?」
「本音を言えば、病んでる時のしょうちゃんに会いたくなかった。どんどん顔色が悪くなっていくのに、何もできない不甲斐ない俺を思い知らされるのが怖かった。昇進とか、出張とか、色々理由をつけて、仕方ないって思い込んで。だから俺のせいで、しょうちゃんが死んじゃったらどうしようって……」
「何言ってんだよ?悪いのは会社のやつら!」
あき君がぽんぽんと背中を叩いて、赤ちゃんをあやすみたいにしてきた。
「いつも俺の後ろを歩いていたのに、安心してたらいつのまにか一人でどっか行っちゃうから。もう帰ってこないかもって。今更自分の気持ちに気付いて……」
ぎゅっと抱き寄せられた腕に力がこもる。
「もう、一人で行かないで」
「本当は横に歩きたいんだけどな」
だって今までみたいについていくだけじゃ、何も変わらない。
何で陽臣君が君なんかと仲良くしているの?と聞かれても、何も答えられないから。
「そっか、俺はしょうちゃんのいい兄貴分でいなきゃいけないって、期待されてるって思ってたけど、そんなんじゃないんだ」
「頼りになるあき君は好きだけど、ぼんやりしてて食べ物の事しか考えてないあき君もいいと思う」
「俺、そんなに食べ物の事しか考えてない?」
二人で顔を見合わせ笑い合った。
-fin-
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