55 / 58
後日談
君を甘やかしたいから
しおりを挟む
仕事が終わったイグニスは、寝る準備をしたあとベッドへ入ってソワソワしていた。
理由は一つだけ。非番だったグラキエスが、またも魔法薬部で何か怪しい薬を作っていたと部下から聞いたからだ。
経験上。グラキエスの性格からして完成したらすぐイグニスへ持ってきていた。そして、即試す。イグニスが寝ていようと関係なく寝室へ侵入して、起きるのを待って勝手に添い寝する男だ。
だが、日頃の疲れから睡魔に抗えず瞼は閉じていく――。
月明かりだけが照らす暗い部屋で、誰かの視線を感じて薄っすらと瞼を開いた。
寝ぼけていることもあって、ぼんやり暫く眺めてしまう顔が急に破顔する。一気に頭が覚醒すると、肩を揺らして布団ごと飛び起きた。
「なっ……てめぇ、また不法侵入しやがって」
「えー? 恋人の夜這いなんて可愛いものでしょ?」
「……まったく可愛くねぇ」
いつから添い寝していたのか分からない男の顔は眠気など一切感じられないほど据わっている。これは魔法薬が成功して興奮したときのグラキエスだった。本人曰く、体の熱が沸騰したように燃えているのだと言う。
恋人になったことで前より調子に乗っている男は悪びれた様子もなく、だらしのない笑顔を向けた。
但し、スッと布団の中から取り出された緑色の薬物が入った小瓶を見て、冷ややかな眼差しを向ける。
「そんな顔しないでよー。今回のはイグニスのために作ったし。間違った薬じゃないからさ」
「……危ない薬を作るんじゃねぇ」
またも実証済みだと言って、じりじりと体を近づけてきた。明日はイグニスの非番だが、まだ朝でもなく眠たい思考を奮い起こす。
「これ、人体に影響しないよう作ったから少し時間かかるからさー。ね? これ飲んでから朝まで寝よう?」
「ふざけ――んぐっ!?」
イグニスの嫌なことはしないと言った口はどの口か……。
夜の営み以外で強引なことをする男じゃなかったが、興奮してタガが外れているようだった。
思い切り口から流し込まれ、少量だったためゴクンと飲み込んでしまう。しかし、薬に睡眠促進剤でも入っているのか、瞼が重くなり頭が揺れた。
サッと伸ばされた長い手に抱き締められ、薄い胸板へ頬が触れる。
「……大丈夫だよ。僕も飲んだから、一緒に朝まで寝ようねー?」
空になった二つの小瓶を揺らして見せられ、そのままベッドへ横たわらされると、抱きしめられたまま思考を手放した。
翌朝、小鳥の囀りと大きな窓から溢れる陽の光で目を覚ましたイグニスは体を起こす。
暫くぼんやりして白い布団を眺めていると、横を向いた。
確かに昨日の深夜に夜這いしてきた男の影すらない。
しかし今日は非番なため、ゆっくりベッドから這い出て姿見で自分を映す。特別変わった変化はなく、次第に思考が鮮明となり着替えを済ませた。
確か、今日はグラキエスの仕事も書類だけで多忙じゃない。
自然と恋人の予定を頭で考えながら欠伸を零す。そのときだった。軽く扉を叩く音で、視線を向ける。
イグニスが起きる時間を把握したかのような訪問は一人しかない。
「……開けていいぞ」
「おはよう、イグニス~。元気ー? 眠そうだね」
「……誰のせいだと思ってんだ……」
「それよりも、何か変化はない?」
変化と言われて再び自分を見てみるが、気になる部分はなかった。グラキエスの手には朝食と紅茶の入った銀のトレーがある。それから、見慣れない魔法具を持っていた。
少しだけ警戒するイグニスに笑って近づくグラキエスは、当然副団長の服装をしている。
私服のイグニスは同じ団服姿じゃないことに少しだけ動揺していた。小さな変化すら見逃さない男はクスッと笑う。
「なーにー? イグニスって、もしかして……制服好きなの?」
「なっ……ちげぇよ。なんか、俺のが下に感じるような……」
「実はコレ。年齢を測る魔法具なんだよー」
ベルトのような形をした魔法具に、また怪しい拘束具かと思っていたイグニスは拍子抜けた顔をした。疑う眼差しへ気づいたグラキエスが手本を見せるように細い腕に嵌めて見せてくる。
なんの変哲もないベルト型の魔法具は薄っすらと光って数字が浮かんだ。年齢を表すと言っていたのが本当なら少しだけ間違っている。
魔法具が表した数字は二十七だった。
「……それ、壊れてねぇか?」
「え? 成功だよ? それじゃあ、次はイグニスねー」
サッと取り外して付けられる。本来なら二十七と表示されるだろう数字は二十五だった。
自分たちの年齢が逆になっているのではないかと混乱する中、終始笑顔のグラキエスは魔法具を取り外す。
そして、どこか年上のような含みのある顔で笑ってみせた。グラキエスを見て、いつもとは違う感覚に気づく。
いつもなら何かしら年下であるグラキエスの世話をしていた。気持ちの面でも。その気持ちが一切なくなっていた。
「まさかと思うが……」
「あっ、分かったー? 正解は、僕とイグニスの年齢を逆にする薬でしたー」
以前飲まされた体の入れ替わりよりは優しそうな薬だったが、同時に疑問が浮かぶ。年齢を逆にしてなんの意味があるのかと……。
だが、いままで何度か話した内容を思い出す。
「……もしかして、年下から同じか年上になりたかったって」
「うん、そうだよー? 僕たちの二年じゃ肉体的な変化は分からないけど……ちゃんとイグニスは年下だから」
思ったよりも子供らしい理由に面食らったイグニスは、呆れてため息を漏らした。
そこまで明確に言い切られると、どこかそわそわした気持ちになってくる。
体が年齢に引っ張られているような不思議な感覚だった。たかが二歳と思っていたイグニスは、事実それを気にしていたわけで複雑な顔をする。
まず初めに朝食の変化だった。注がれる紅茶を渡されて感謝を口にする。いつもと変わらない光景のはずなのに、なぜかむず痒さがあった。それは年上にしてもらっている感覚。年下にされていたのもどうかと思っていたが、何かが違った。甘やかされている感覚に襲われる。
「あー……なんか、変な感じがする」
「んー? そうなの? じゃあ、朝食も僕が食べさせてあげよっか」
「なっ……ふざけたこと言ってんじゃねぇ」
「……イグニスー? 口が悪いよ?」
なぜか優しい注意に対して肩が揺れた。いつもは年上だったことで気にしたことがなかった言葉遣いである。しかも、グラキエスは敢えてわざとらしくイグニスの真似をして感じられた。
そして、それは本人の意志と反して自然と口から漏れる。
「わ、悪い……え?」
「ふふっ……良い子だね、イグニスは――」
優しく頭を撫でられると胸がほっこりした。食事が済んで少し経ったあと、イグニスは自分の精神と格闘する。
なぜか無性にグラキエスへ甘えたい衝動に駆られていた。普段なら年下を良いことに無理難題を言ってきたり、行動するグラキエスが一切何もしてこない。それがかえってイグニスの精神を煽っていた。
「ぐっ……たかが二歳だぞ。これは、薬のせいだ……きっと、副作用……」
「イグニス、どうかした? 僕の休憩もあと三十分はあるから、して欲しいことあったらしてあげるよ?」
「……調子に乗るな」
三十分というタイムリミットに悶々するイグニスを知ってか知らない振りをするグラキエスは優雅なお茶を嗜んでいる。
いつもより大人っぽく見えるのも年齢逆転によるものなのか分からない。次第に頭が混乱してきたイグニスは、ソファーから立ち上がろうとしてふらついた。
足がもつれて危なくテーブルへ倒れかけたのを、抱きしめる形で受け止められる。
「あぶなー……大丈夫? イグニスは、たまにおっちょこちょいだよね」
「うぐっ……違……」
グラキエスの薄い胸板へ顔を埋める形になったイグニスは顔が熱くなっていった。「てめぇのせいだ」と言いたい言葉を飲み込んで、ドクンと聞こえてくる規則正しい心音へ目を細めてしまう。
いまは、肩の力を抜いて甘えていいのだと言われているようで、顔を上げたイグニスはグラキエスの肩へ額を擦りつけた。
思っていなかった行動だったのか、満面の笑みを浮かべるグラキエスが頭を撫でてくる。何度かイグニスがしてきたことだった。
「――いまは、僕に甘えてくれていいんだよ」
「……これは、薬の影響だ……」
「……うん。イグニス、いつもお疲れさま。格好良くて、可愛い僕の愛しい人――」
膝に置いていた片手を取られると触れるだけの口づけをされる。それに対して羞恥心や嬉しさのような感情よりも、自然な笑みを浮かべて目を閉じた。
理由は一つだけ。非番だったグラキエスが、またも魔法薬部で何か怪しい薬を作っていたと部下から聞いたからだ。
経験上。グラキエスの性格からして完成したらすぐイグニスへ持ってきていた。そして、即試す。イグニスが寝ていようと関係なく寝室へ侵入して、起きるのを待って勝手に添い寝する男だ。
だが、日頃の疲れから睡魔に抗えず瞼は閉じていく――。
月明かりだけが照らす暗い部屋で、誰かの視線を感じて薄っすらと瞼を開いた。
寝ぼけていることもあって、ぼんやり暫く眺めてしまう顔が急に破顔する。一気に頭が覚醒すると、肩を揺らして布団ごと飛び起きた。
「なっ……てめぇ、また不法侵入しやがって」
「えー? 恋人の夜這いなんて可愛いものでしょ?」
「……まったく可愛くねぇ」
いつから添い寝していたのか分からない男の顔は眠気など一切感じられないほど据わっている。これは魔法薬が成功して興奮したときのグラキエスだった。本人曰く、体の熱が沸騰したように燃えているのだと言う。
恋人になったことで前より調子に乗っている男は悪びれた様子もなく、だらしのない笑顔を向けた。
但し、スッと布団の中から取り出された緑色の薬物が入った小瓶を見て、冷ややかな眼差しを向ける。
「そんな顔しないでよー。今回のはイグニスのために作ったし。間違った薬じゃないからさ」
「……危ない薬を作るんじゃねぇ」
またも実証済みだと言って、じりじりと体を近づけてきた。明日はイグニスの非番だが、まだ朝でもなく眠たい思考を奮い起こす。
「これ、人体に影響しないよう作ったから少し時間かかるからさー。ね? これ飲んでから朝まで寝よう?」
「ふざけ――んぐっ!?」
イグニスの嫌なことはしないと言った口はどの口か……。
夜の営み以外で強引なことをする男じゃなかったが、興奮してタガが外れているようだった。
思い切り口から流し込まれ、少量だったためゴクンと飲み込んでしまう。しかし、薬に睡眠促進剤でも入っているのか、瞼が重くなり頭が揺れた。
サッと伸ばされた長い手に抱き締められ、薄い胸板へ頬が触れる。
「……大丈夫だよ。僕も飲んだから、一緒に朝まで寝ようねー?」
空になった二つの小瓶を揺らして見せられ、そのままベッドへ横たわらされると、抱きしめられたまま思考を手放した。
翌朝、小鳥の囀りと大きな窓から溢れる陽の光で目を覚ましたイグニスは体を起こす。
暫くぼんやりして白い布団を眺めていると、横を向いた。
確かに昨日の深夜に夜這いしてきた男の影すらない。
しかし今日は非番なため、ゆっくりベッドから這い出て姿見で自分を映す。特別変わった変化はなく、次第に思考が鮮明となり着替えを済ませた。
確か、今日はグラキエスの仕事も書類だけで多忙じゃない。
自然と恋人の予定を頭で考えながら欠伸を零す。そのときだった。軽く扉を叩く音で、視線を向ける。
イグニスが起きる時間を把握したかのような訪問は一人しかない。
「……開けていいぞ」
「おはよう、イグニス~。元気ー? 眠そうだね」
「……誰のせいだと思ってんだ……」
「それよりも、何か変化はない?」
変化と言われて再び自分を見てみるが、気になる部分はなかった。グラキエスの手には朝食と紅茶の入った銀のトレーがある。それから、見慣れない魔法具を持っていた。
少しだけ警戒するイグニスに笑って近づくグラキエスは、当然副団長の服装をしている。
私服のイグニスは同じ団服姿じゃないことに少しだけ動揺していた。小さな変化すら見逃さない男はクスッと笑う。
「なーにー? イグニスって、もしかして……制服好きなの?」
「なっ……ちげぇよ。なんか、俺のが下に感じるような……」
「実はコレ。年齢を測る魔法具なんだよー」
ベルトのような形をした魔法具に、また怪しい拘束具かと思っていたイグニスは拍子抜けた顔をした。疑う眼差しへ気づいたグラキエスが手本を見せるように細い腕に嵌めて見せてくる。
なんの変哲もないベルト型の魔法具は薄っすらと光って数字が浮かんだ。年齢を表すと言っていたのが本当なら少しだけ間違っている。
魔法具が表した数字は二十七だった。
「……それ、壊れてねぇか?」
「え? 成功だよ? それじゃあ、次はイグニスねー」
サッと取り外して付けられる。本来なら二十七と表示されるだろう数字は二十五だった。
自分たちの年齢が逆になっているのではないかと混乱する中、終始笑顔のグラキエスは魔法具を取り外す。
そして、どこか年上のような含みのある顔で笑ってみせた。グラキエスを見て、いつもとは違う感覚に気づく。
いつもなら何かしら年下であるグラキエスの世話をしていた。気持ちの面でも。その気持ちが一切なくなっていた。
「まさかと思うが……」
「あっ、分かったー? 正解は、僕とイグニスの年齢を逆にする薬でしたー」
以前飲まされた体の入れ替わりよりは優しそうな薬だったが、同時に疑問が浮かぶ。年齢を逆にしてなんの意味があるのかと……。
だが、いままで何度か話した内容を思い出す。
「……もしかして、年下から同じか年上になりたかったって」
「うん、そうだよー? 僕たちの二年じゃ肉体的な変化は分からないけど……ちゃんとイグニスは年下だから」
思ったよりも子供らしい理由に面食らったイグニスは、呆れてため息を漏らした。
そこまで明確に言い切られると、どこかそわそわした気持ちになってくる。
体が年齢に引っ張られているような不思議な感覚だった。たかが二歳と思っていたイグニスは、事実それを気にしていたわけで複雑な顔をする。
まず初めに朝食の変化だった。注がれる紅茶を渡されて感謝を口にする。いつもと変わらない光景のはずなのに、なぜかむず痒さがあった。それは年上にしてもらっている感覚。年下にされていたのもどうかと思っていたが、何かが違った。甘やかされている感覚に襲われる。
「あー……なんか、変な感じがする」
「んー? そうなの? じゃあ、朝食も僕が食べさせてあげよっか」
「なっ……ふざけたこと言ってんじゃねぇ」
「……イグニスー? 口が悪いよ?」
なぜか優しい注意に対して肩が揺れた。いつもは年上だったことで気にしたことがなかった言葉遣いである。しかも、グラキエスは敢えてわざとらしくイグニスの真似をして感じられた。
そして、それは本人の意志と反して自然と口から漏れる。
「わ、悪い……え?」
「ふふっ……良い子だね、イグニスは――」
優しく頭を撫でられると胸がほっこりした。食事が済んで少し経ったあと、イグニスは自分の精神と格闘する。
なぜか無性にグラキエスへ甘えたい衝動に駆られていた。普段なら年下を良いことに無理難題を言ってきたり、行動するグラキエスが一切何もしてこない。それがかえってイグニスの精神を煽っていた。
「ぐっ……たかが二歳だぞ。これは、薬のせいだ……きっと、副作用……」
「イグニス、どうかした? 僕の休憩もあと三十分はあるから、して欲しいことあったらしてあげるよ?」
「……調子に乗るな」
三十分というタイムリミットに悶々するイグニスを知ってか知らない振りをするグラキエスは優雅なお茶を嗜んでいる。
いつもより大人っぽく見えるのも年齢逆転によるものなのか分からない。次第に頭が混乱してきたイグニスは、ソファーから立ち上がろうとしてふらついた。
足がもつれて危なくテーブルへ倒れかけたのを、抱きしめる形で受け止められる。
「あぶなー……大丈夫? イグニスは、たまにおっちょこちょいだよね」
「うぐっ……違……」
グラキエスの薄い胸板へ顔を埋める形になったイグニスは顔が熱くなっていった。「てめぇのせいだ」と言いたい言葉を飲み込んで、ドクンと聞こえてくる規則正しい心音へ目を細めてしまう。
いまは、肩の力を抜いて甘えていいのだと言われているようで、顔を上げたイグニスはグラキエスの肩へ額を擦りつけた。
思っていなかった行動だったのか、満面の笑みを浮かべるグラキエスが頭を撫でてくる。何度かイグニスがしてきたことだった。
「――いまは、僕に甘えてくれていいんだよ」
「……これは、薬の影響だ……」
「……うん。イグニス、いつもお疲れさま。格好良くて、可愛い僕の愛しい人――」
膝に置いていた片手を取られると触れるだけの口づけをされる。それに対して羞恥心や嬉しさのような感情よりも、自然な笑みを浮かべて目を閉じた。
10
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
記憶を失くしたはずの元夫が、どうか自分と結婚してくれと求婚してくるのですが。
鷲井戸リミカ
BL
メルヴィンは夫レスターと結婚し幸せの絶頂にいた。しかしレスターが勇者に選ばれ、魔王討伐の旅に出る。やがて勇者レスターが魔王を討ち取ったものの、メルヴィンは夫が自分と離婚し、聖女との再婚を望んでいると知らされる。
死を望まれたメルヴィンだったが、不思議な魔石の力により脱出に成功する。国境を越え、小さな町で暮らし始めたメルヴィン。ある日、ならず者に絡まれたメルヴィンを助けてくれたのは、元夫だった。なんと彼は記憶を失くしているらしい。
君を幸せにしたいと求婚され、メルヴィンの心は揺れる。しかし、メルヴィンは元夫がとある目的のために自分に近づいたのだと知り、慌てて逃げ出そうとするが……。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
【完結】スローテンポで愛して
鈴茅ヨウ
BL
平凡な日常を送る三上日和(みかみ・ひより)は、自宅のマンションのゴミ捨て場に打ち捨てられている派手な男、副島隆弘(そえじま・たかひろ)を介抱したことがきっかけで、友人になって欲しいと言われる。
友人として副島の経営するバーに通いながら、交流を深めていると、副島から『三カ月のお試し期間を置いた上で、恋人関係になって欲しい』と告白され――。
四十五歳×三十三歳の、大人の年の差ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる