竜の里

神在琉葵(かみありるき)

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「早く決めろよ!」

ふたりがぐずぐずしていると、痺れを切らしたトーマスが声を荒げました。



 「わ、私が行きます!」

トーマスに怯えたせいか、姉のレイナが自分が行くと言い出しました。 



 「そ、そんな…ダメよ!」

 「ううん、森の中を通って帰ろうって言い出したのは私だから…」

 「そんなこと、関係ないわ!」

 「ううん、こんなことになったのは、私のせいよ。だから、私が行く。」

レイナの決意は固いものでした。



 「決まったようだな。
おまえが行くんだな?」

 「はい。」

レイナは深く頷きました。



 「じゃあ、おまえを森の外に連れて行ってやろう。
あ、その前にもうひとつ頼みたいことがある。」

 「な、なんですか?」

トーマスは、ライアに黒い丸薬を差し出しました。



 「これは…?」

 「以前、酒場で知り合ったある男が死に際に言ったんだ。
これは不老不死の薬だって。
でも、そんなはずがない。
 不老不死になれる薬なんてあるはずがない。」

 「そ、そんな危険なもの…」

 「大丈夫だって。この感じじゃ、大方、胃腸薬かなんかだろ。
さ、飲んでみろ。」

トーマスはにやにやしながら、ライアを見ていました。
ライアは、いやだということも出来ず、言われるままに恐る恐るその薬を飲みこみました。
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