17 / 50
17
しおりを挟む
*
(な、何なの?)
次の日、学校に着いたら、明らかにおかしな状況になっていた。
いつもは空気みたいにスルーされてる私なのに、今日はみんなの視線が集まってるのを感じる。
さっきまではそんなことなかった。
凛子と別れて、二階に上がって来てからだ。
皆がひそひそと私を見て、内緒話をしているような…そんな気がする。
でも、どうして…?
私の気のせい?
気にはなりながらもそれを明らかにする術もなく、私は教室に入り、自分の席に着いた。
やっぱり、皆の視線を感じる。
これは思い込みでも自意識過剰でもなさそうだ。
私が見ると、相手はさっと視線をはずす。
そのことが、さらに私を落ち着かない気分にさせた。
「……三好さん。」
不意に声を掛けられ振り向くと、そこには、橘さんとその仲間がいた。
橘さんはこのクラスのマドンナ的な人。
お金持ちで、おしゃれで、スタイルも良くて、同じクラスだけど、私とは接点がなさ過ぎて滅多に話すことのない人。
「は、はい。」
「瀬名君に告られたって本当?」
私を咎めるような強い眼差し…
明らかに橘さんは怒ってる。
ど、どうしよう!?
どうして、橘さんがそんなこと知ってるんだろう?
心臓は早鐘を打ち始め、顔は爆発しそうに熱くなっていた。
「ねぇ、どうなの?」
「え…そ、それは…」
告られたのは本当だけど、でも、そんなこと言ったら、遼ちゃんに迷惑がかかるかもしれないし…
「あなたと瀬名君が幼馴染だってことは知ってるわ。
でも、告られたっていうのは嘘なの?本当なの?」
橘さんの顔がさらに険しくなっていく。
どうしよう…
恐怖に身がすくみ、情けないことに涙まで込み上げて来た。
その時…
「本当だけど、それが何か?」
教室にいたみんなが一斉に声の方を向いた。
(遼ちゃん……!)
(な、何なの?)
次の日、学校に着いたら、明らかにおかしな状況になっていた。
いつもは空気みたいにスルーされてる私なのに、今日はみんなの視線が集まってるのを感じる。
さっきまではそんなことなかった。
凛子と別れて、二階に上がって来てからだ。
皆がひそひそと私を見て、内緒話をしているような…そんな気がする。
でも、どうして…?
私の気のせい?
気にはなりながらもそれを明らかにする術もなく、私は教室に入り、自分の席に着いた。
やっぱり、皆の視線を感じる。
これは思い込みでも自意識過剰でもなさそうだ。
私が見ると、相手はさっと視線をはずす。
そのことが、さらに私を落ち着かない気分にさせた。
「……三好さん。」
不意に声を掛けられ振り向くと、そこには、橘さんとその仲間がいた。
橘さんはこのクラスのマドンナ的な人。
お金持ちで、おしゃれで、スタイルも良くて、同じクラスだけど、私とは接点がなさ過ぎて滅多に話すことのない人。
「は、はい。」
「瀬名君に告られたって本当?」
私を咎めるような強い眼差し…
明らかに橘さんは怒ってる。
ど、どうしよう!?
どうして、橘さんがそんなこと知ってるんだろう?
心臓は早鐘を打ち始め、顔は爆発しそうに熱くなっていた。
「ねぇ、どうなの?」
「え…そ、それは…」
告られたのは本当だけど、でも、そんなこと言ったら、遼ちゃんに迷惑がかかるかもしれないし…
「あなたと瀬名君が幼馴染だってことは知ってるわ。
でも、告られたっていうのは嘘なの?本当なの?」
橘さんの顔がさらに険しくなっていく。
どうしよう…
恐怖に身がすくみ、情けないことに涙まで込み上げて来た。
その時…
「本当だけど、それが何か?」
教室にいたみんなが一斉に声の方を向いた。
(遼ちゃん……!)
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる