叶わぬ恋の神頼み!?

神在琉葵(かみありるき)

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「せ、瀬名君…」

 橘さんの声が急にか細いものに変わり、目が泳ぐ。



 「俺が冴子の代わりに答えた。
もう良いか?」

 「え…ええ。」

 橘さん達は、私の傍からすごすごと離れて行った。
それと同時に、私に向けられてたみんなの視線も、示し合わせたようにあちこちに散らばった。



 「遼ちゃん…」

 「ごめんな、冴子。
きっと誰かに見られてたんだな。」

 「そ、そうだね。」

 「……今日、返事くれるんだよな?」

 「う、うん。」

 「……そっか。じゃあ、待ってるから。」

そう言って、遼ちゃんは自分の席に向かった。



 怖かったけど…
恥ずかしかったけど…



でも、すごく嬉しかった。
 遼ちゃんに護ってもらえて、胸がきゅんとした。



 (あ……)



 乙女な気分に浸ってる場合じゃない!
 今日中に、遼ちゃんに返事しなきゃいけないんだ。



でも、どう言えば良いの?
 遼ちゃんは、本来、凛子と付き合うことになっていた。
なのに、ここでは私を好きになってる…
それで良いわけないよね。



 (……そうだ!)



とにかく、神社に行かなきゃ…!
 今日もあの人がいるかどうかはわからないけど、とにかく神社に行くしかない。



お昼になったら早退しよう。
 私は普段から真面目にしてるから、ズルだとは思われないはず。


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