叶わぬ恋の神頼み！？

４５

＊



 『冴子、起きてる？』

 遼ちゃんからのLINEだった。



 『起きてるよ。』

 『今日は疑ってすまなかった。』



 （え？）



 『こちらこそ、不愉快な想いをさせてごめんね。
でも、あの人は本当に彼氏でもなんでもないんだ。
いろいろとお世話にはなってるけど、二股とかそういうのじゃないから。』

 『わかってるよ。
 俺の方こそ、かっとなって本当に済まなかった。』



どういうことだろう？
どうして、遼ちゃんはわかってくれたんだろう？



 （もしかしたら、クニさんが？）



 遼ちゃんがわかってくれたことは嬉しかった。でも……



＊



 「本当に良いのかい？」

 「はい。」

 私にはもう迷いはなかった。



 「何なら、私が遼ちゃんに会って説明しようか？」

 「え？」



ってことは、クニさんじゃないんだ。
だったら、一体誰が…？



 「あ、あの…遼ちゃんはもうわかってくれたので大丈夫なんです。」

 「そうなんだ、それは良かった。
でも、じゃあ、どうして帰りたいんだい？」

 「それは……」



 昨夜、一晩、じっくりと考えた。
そしてわかったんだ。
 私に恋愛はまだ早いってことが…



遼ちゃんのことが好きだっていうのは間違いないけど、考えてみれば、私、遼ちゃんのことを何も知らなかった。
 遼ちゃんの好きなものや、嫌いなものもほとんど知らなくて…
でも、好きなんだけど、それってもしかしたら、恋に恋してただけなのかな？って気が付いたんだ。
 橘さんの意地悪にもすぐにくじけちゃったし、私は、あまりにも恋愛スキルが低過ぎる。



 「クニさん、短い間でしたが、私、とっても貴重な体験をさせてもらいましたし、強がりでもなんでもなく、やっぱり、遼ちゃんと付き合うのは私じゃなくて凛子だなって思ったし、本当に元の世界に戻りたいんです。」

 「そう…わかった。
 君が納得しているのなら、私は何も言うことはないから。」

 「はい、お願いします。」

クニさんは微笑み、深く頷いた。



 （あ……）



 急に世界がぐるんと回った。
そして……