46 / 50
46
しおりを挟む
*
「……ちゃん!おねえちゃんってば!」
「えっ!?」
凛子が私の顔をのぞきこんでいた。
「わっ!」
「何?お姉ちゃん、寝てたの?」
「ま、まさか…!」
「しっかりしてよ、お姉ちゃん!」
「う、うん…」
元の世界に戻って来たんだってことはすぐにわかった。
でも、今ってどういう状況?
「あ、あの、凛子…今、何の話してたっけ?」
「もう~!お姉ちゃん、やっぱり聞いてない!」
「そ、そうじゃないよ。わ、忘れただけ。」
そう言って、私は作り笑いを浮かべた。
凛子は呆れたように溜め息を吐いて…
「だからね。お姉ちゃんたちのクラスのケバイ人達に、ちょっと嫌がらせみたいなこと、言われたの。
どんな手を使ったんだとか、遼君と別れろとか…」
「そ、そうなんだ。それでどうしたの?」
「無視した。」
「む、無視?」
「うん、完全無視!まともな話なんて出来そうになかったからね。」
私はしばらくぽかんと口を開けていた。
凛子って、強いなぁ…
私とはえらい違いだ。
「凛子…無理してない?
大丈夫?」
「ううん、なんともないよ。
私、遼君のこと大好きだし、遼君と付き合うことになったら、きっとこういうことはあると思ってたし…」
「そ、そうなんだ…」
本当にすごい。
凛子はそんな覚悟まで持ってたんだ。
やっぱり、遼ちゃんと付き合うのは、私じゃなくて凛子だよ。
私は、心の底からそう思った。
「お姉ちゃん…どうかした?」
「えっ!?」
「だって…涙が…」
「え?あ…本当だ。」
これは悲しい涙じゃない。
どういう涙かはうまく説明できないけど、とにかく気持ちの良い涙だよ。
「……ちゃん!おねえちゃんってば!」
「えっ!?」
凛子が私の顔をのぞきこんでいた。
「わっ!」
「何?お姉ちゃん、寝てたの?」
「ま、まさか…!」
「しっかりしてよ、お姉ちゃん!」
「う、うん…」
元の世界に戻って来たんだってことはすぐにわかった。
でも、今ってどういう状況?
「あ、あの、凛子…今、何の話してたっけ?」
「もう~!お姉ちゃん、やっぱり聞いてない!」
「そ、そうじゃないよ。わ、忘れただけ。」
そう言って、私は作り笑いを浮かべた。
凛子は呆れたように溜め息を吐いて…
「だからね。お姉ちゃんたちのクラスのケバイ人達に、ちょっと嫌がらせみたいなこと、言われたの。
どんな手を使ったんだとか、遼君と別れろとか…」
「そ、そうなんだ。それでどうしたの?」
「無視した。」
「む、無視?」
「うん、完全無視!まともな話なんて出来そうになかったからね。」
私はしばらくぽかんと口を開けていた。
凛子って、強いなぁ…
私とはえらい違いだ。
「凛子…無理してない?
大丈夫?」
「ううん、なんともないよ。
私、遼君のこと大好きだし、遼君と付き合うことになったら、きっとこういうことはあると思ってたし…」
「そ、そうなんだ…」
本当にすごい。
凛子はそんな覚悟まで持ってたんだ。
やっぱり、遼ちゃんと付き合うのは、私じゃなくて凛子だよ。
私は、心の底からそう思った。
「お姉ちゃん…どうかした?」
「えっ!?」
「だって…涙が…」
「え?あ…本当だ。」
これは悲しい涙じゃない。
どういう涙かはうまく説明できないけど、とにかく気持ちの良い涙だよ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる