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次の日、二人はいつもより早くに目を覚ましました。
赤ん坊のことがどうにも気になって、ゆっくり眠ることが出来なかったのです。
「ついに今日ね。
ねぇ、アベル…呪文のことだけど……」
「僕もそのことが気になってたんだ。
どうしよう?
呪文を唱えないと、赤ちゃんは出てこないのかな?」
朝食を口に運びながら、二人は夜のことを話し合います。
「でも、どうして呪文が書いてないのかしら?
そんな大切なことを書き忘れたりするかしら?」
そう呟きながら、マリオンは魔女の本に手を伸ばし、ぼんやりとページをめくりました。
「そうだよね。
いくらうっかり者の魔女だとしても……」
「アベル!!」
突然大きな声を上げたマリオンに、アベルは手に持ったパンをあやうく落としそうになりました。
「ど、どうしたんだよ。」
「アベル!見て!
呪文が……!!」
マリオンは、ページを開いてアベルの前に差し出しました。
「あっ!!」
今までに二人が何度も見た最後のページに、昨夜まではなかった呪文が書いてあったのです。
「良かった!これでもう心配ないわね!」
素直に喜ぶマリオンとは裏腹に、アベルは背筋に寒いものを感じていました。
これが本当に魔女の書いたものだと、アベルはこの時確信しました。
それと同時に、何かとても不安な気持ちにかられました。
魔女のことはおとぎ話や伝説でしか聞いたことがありませんが、アベルにはどちらかというと悪い印象の方が強く、本当にこんなことをして良いのかと、今頃になって心配になって来たのです。
「マリオン……今夜の儀式のことだけど……」
「楽しみだわ!
0時になるのが待ちきれない!」
マリオンの弾けんばかりの笑顔を見ていると、アベルは自分の不安を話すことは出来ませんでした。
赤ん坊のことがどうにも気になって、ゆっくり眠ることが出来なかったのです。
「ついに今日ね。
ねぇ、アベル…呪文のことだけど……」
「僕もそのことが気になってたんだ。
どうしよう?
呪文を唱えないと、赤ちゃんは出てこないのかな?」
朝食を口に運びながら、二人は夜のことを話し合います。
「でも、どうして呪文が書いてないのかしら?
そんな大切なことを書き忘れたりするかしら?」
そう呟きながら、マリオンは魔女の本に手を伸ばし、ぼんやりとページをめくりました。
「そうだよね。
いくらうっかり者の魔女だとしても……」
「アベル!!」
突然大きな声を上げたマリオンに、アベルは手に持ったパンをあやうく落としそうになりました。
「ど、どうしたんだよ。」
「アベル!見て!
呪文が……!!」
マリオンは、ページを開いてアベルの前に差し出しました。
「あっ!!」
今までに二人が何度も見た最後のページに、昨夜まではなかった呪文が書いてあったのです。
「良かった!これでもう心配ないわね!」
素直に喜ぶマリオンとは裏腹に、アベルは背筋に寒いものを感じていました。
これが本当に魔女の書いたものだと、アベルはこの時確信しました。
それと同時に、何かとても不安な気持ちにかられました。
魔女のことはおとぎ話や伝説でしか聞いたことがありませんが、アベルにはどちらかというと悪い印象の方が強く、本当にこんなことをして良いのかと、今頃になって心配になって来たのです。
「マリオン……今夜の儀式のことだけど……」
「楽しみだわ!
0時になるのが待ちきれない!」
マリオンの弾けんばかりの笑顔を見ていると、アベルは自分の不安を話すことは出来ませんでした。
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