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「初めまして。私、大谷と申します。
弁護士をしております。」
「初めまして、山本です。」
弁護士というのを聞いて、私はぼんやりと思った。
きっと、事故の事なんだ…と。
「早速で申し訳ないのですが…この方に見覚えがありますか?」
大谷さんの影に、男性が二人いて、若い方の男性が前に進み出た。
「あ…あなたは…!」
そう、それは、あの日車を運転していた者だったのだ。
その顔にははっきりと見覚えがあった。
「あ、あの…山本様…実は今日はお願いがあってやって参りました。」
「お願い…ですか?」
その内容は驚きべきことだった。
あの時、運転してたのはその若い男ではなく、もうひとりの中年の男だということにしてほしいと言うのだ。
さっき、若い男が前に出たのは、私が運転手の顔を覚えてるかどうか試したのだろう。
私が覚えてなかったら、一体どうするつもりだったのか…
しかも、あの時は青信号ではなく、赤信号だったということにしてくれと言われた。
とても承服出来る話ではなかった。
だけど、その後も話は続き、もし、そのようにしてくれるなら、治療費はもちろんのこと、一生、生活の面倒をみると言って来たのだ。
確かにそれは良い話かもしれない。
だから、こんなに立派な病室に入ってたんだと得心した。
でも、簡単にはいと言える話でもない。
私は一晩考えさせてほしいとお願いした。
「初めまして。私、大谷と申します。
弁護士をしております。」
「初めまして、山本です。」
弁護士というのを聞いて、私はぼんやりと思った。
きっと、事故の事なんだ…と。
「早速で申し訳ないのですが…この方に見覚えがありますか?」
大谷さんの影に、男性が二人いて、若い方の男性が前に進み出た。
「あ…あなたは…!」
そう、それは、あの日車を運転していた者だったのだ。
その顔にははっきりと見覚えがあった。
「あ、あの…山本様…実は今日はお願いがあってやって参りました。」
「お願い…ですか?」
その内容は驚きべきことだった。
あの時、運転してたのはその若い男ではなく、もうひとりの中年の男だということにしてほしいと言うのだ。
さっき、若い男が前に出たのは、私が運転手の顔を覚えてるかどうか試したのだろう。
私が覚えてなかったら、一体どうするつもりだったのか…
しかも、あの時は青信号ではなく、赤信号だったということにしてくれと言われた。
とても承服出来る話ではなかった。
だけど、その後も話は続き、もし、そのようにしてくれるなら、治療費はもちろんのこと、一生、生活の面倒をみると言って来たのだ。
確かにそれは良い話かもしれない。
だから、こんなに立派な病室に入ってたんだと得心した。
でも、簡単にはいと言える話でもない。
私は一晩考えさせてほしいとお願いした。
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