Rebirth

神在琉葵(かみありるき)

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水商売くらいのことで、それほど驚かれるとは思わなかった。

 部屋の中には気まずい沈黙が流れた。



 「……さち、何か悩みでもあるんか?」

 「え…どうして?」

 「だって…顔変えたり、水商売したり…
何かあったんか?
なんでも俺に話してくれ。」

 「信ちゃん……」



 彼が、本気で心配してくれていることはよくわかった。
 信ちゃんは子供の頃から頼りになる存在だった。
 正義感が強くて、面倒見も良くて…
彼は、所謂『良い人』なのだ。



その気持ちはありがたいけど…
今の私には不必要な…はっきり言ってしまえば、ありがた迷惑なものでしかなかった。



 「信ちゃん…私、悩みなんてないよ。
 都会で楽しく生きてるから。」

 「でも…整形したことは、親御さんにも言ってないんだろ?」

 「言ったら、怒るに決まってるから言ってないよ。
 信ちゃんが言いたかったら言ったら?」

 「俺は、そんなこと言わない…」



 信ちゃんは嘘を吐く人じゃないから、言わないと言ったらきっと言わないと思う。
でも、信ちゃんに弱みを握られたみたいで、なんだか嫌な気がした。



 「借金でもあんのか?」

 「ないよ、そんなの。」

 「じゃあ、良くない男と付き合ってるんか?」

 「今は誰とも付き合ってないよ。」

 「だったら…田舎に帰って来いよ。
 俺と一緒にならないか?」



やっぱりこの人は何もわかってない。
 私は田舎のつまらない暮らしがいやで、だからこそ、親と喧嘩してまで出て来たというのに…
しかも、今の私は何不自由ない生活をしている。
 信ちゃんに対しても、恋愛感情のようなものはない。
そりゃあ確かに、私達は幼馴染だし、中学の時に告白されて、一応付き合ってはいたけれど、たまに一緒に街に遊びに行ったくらいのものだ。
 高校は別々のところに行ったから、その付き合いも自然消滅した。
それなのに、もしかしてこの人は、今でも私のことを自分の女のように思っているのだろうか?
そんなことを思ったら、ぞっとした。

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