虚実の時

神在琉葵(かみありるき)

文字の大きさ
24 / 42

24

しおりを挟む
「プロポーズは僕の方からしたかったから。
 本当なら、せめて薔薇の花束でも準備してからの方が良かったんだけど……君が答えを急くからだよ。」

 「ミカエルったら…!」

 泣いてるのか笑っているのかわからない顔で、アニエスはミカエルの胸に飛び込んだ。
 老人の話が完全な勘違いだとわかっていながら黙っていることには罪悪感を感じていたが、きっとあんな風に勘違いをしてくれたのも運命なのだと思い込んで……



「アニエス…もしもこれから先、僕の記憶が戻って、僕の過去に何か悪いことがあったら…その時は僕と別れて……」

 「いやよ!
 私は別れない!
……ミカエル、言ったでしょう?
あなたの過去にどんなことがあったとしても、そんなことは関係ない。
 私は今のあなたを好きになったんですもの。
だから、絶対に別れないわ…!
 一生あなたと添い遂げて、二人で幸せになるのよ。」

ほとばしる程のアニエスの情熱に、ミカエルは圧倒されそうになりながら、彼女の華奢な身体を強く抱き締めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幸せになれると思っていた

里見知美
恋愛
18歳になったら結婚しよう、と約束をしていたのに。 ある事故から目を覚ますと、誰もが私をいないものとして扱った。

あなたが決めたことよ

アーエル
恋愛
その日は私の誕生日パーティーの三日前のことでした。 前触れもなく「婚約の話は無かったことにしよう」と言われたのです。 ‪✰他社でも公開

【完結】その約束は果たされる事はなく

かずきりり
恋愛
貴方を愛していました。 森の中で倒れていた青年を献身的に看病をした。 私は貴方を愛してしまいました。 貴方は迎えに来ると言っていたのに…叶わないだろうと思いながらも期待してしまって… 貴方を諦めることは出来そうもありません。 …さようなら… ------- ※ハッピーエンドではありません ※3話完結となります ※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

聖女エーステリアの死

倉真朔
恋愛
聖女エーステリアはなぜ最愛の人に断罪されたのか。切ない物語です。 この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。

処理中です...