41 / 42
41
しおりを挟む
*
「ただいま。」
夜が更け、人々が眠りに就く頃になって、疲れた様子のローランが帰宅した。
「父さん…?いないの?」
いつもなら、すぐに返って来る「おかえり」の声がないことを不審に思ったローランは、そのまま奥へ進み、そこで予想さえしなかった異常な事態を目にする。
「と…父さん!!」
ローランは、一目でミカエルがすでに死んでいることに気付いた。
「母さん…なにがあったんだ!
ど、どうしてこんなことに……!」
ローランは震える声で、アニエスに問いかけた。
「……この人が私を裏切ったからよ。」
血の海に座り込み、虚ろな目をしたアニエスが、小さな声で答えた。
「裏切る?父さんが何を……
ま、まさか!!母さん…父さんがあの人と会おうとしていることを知って……」
「ええ、そうよ!
私、知ってるんだから!
あの人が私を捨てて、あの絵の女性の所へ行こうとしていたことを……」
アニエスは、顔を上げてローランを睨みつけ、高ぶった声で叫んだ。
「か、母さん、何を言ってるんだ…!
確かに、父さんはエレナさんに会いたがっていた。
でも、それは母さんが思ってるようなことじゃない!
エレナさんに謝るためだって言ってた。
彼女に昔、何かとても酷いことをしてしまったんだって。
僕も最初は母さんと同じようなことを考えた。
だから聞いたんだ。
そしたら、父さん、大きな声で笑って……
……確かにエレナさんは恋人だった人だけど、今は、母さん以外に愛してる人はいないって。
母さんはかけがえのない人だって言ったんだよ!」
「……そ、そんなの嘘よ……!」
アニエスは急に落ち着きを失い、両手で頭を抱え込んだ。
「ただいま。」
夜が更け、人々が眠りに就く頃になって、疲れた様子のローランが帰宅した。
「父さん…?いないの?」
いつもなら、すぐに返って来る「おかえり」の声がないことを不審に思ったローランは、そのまま奥へ進み、そこで予想さえしなかった異常な事態を目にする。
「と…父さん!!」
ローランは、一目でミカエルがすでに死んでいることに気付いた。
「母さん…なにがあったんだ!
ど、どうしてこんなことに……!」
ローランは震える声で、アニエスに問いかけた。
「……この人が私を裏切ったからよ。」
血の海に座り込み、虚ろな目をしたアニエスが、小さな声で答えた。
「裏切る?父さんが何を……
ま、まさか!!母さん…父さんがあの人と会おうとしていることを知って……」
「ええ、そうよ!
私、知ってるんだから!
あの人が私を捨てて、あの絵の女性の所へ行こうとしていたことを……」
アニエスは、顔を上げてローランを睨みつけ、高ぶった声で叫んだ。
「か、母さん、何を言ってるんだ…!
確かに、父さんはエレナさんに会いたがっていた。
でも、それは母さんが思ってるようなことじゃない!
エレナさんに謝るためだって言ってた。
彼女に昔、何かとても酷いことをしてしまったんだって。
僕も最初は母さんと同じようなことを考えた。
だから聞いたんだ。
そしたら、父さん、大きな声で笑って……
……確かにエレナさんは恋人だった人だけど、今は、母さん以外に愛してる人はいないって。
母さんはかけがえのない人だって言ったんだよ!」
「……そ、そんなの嘘よ……!」
アニエスは急に落ち着きを失い、両手で頭を抱え込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】その約束は果たされる事はなく
かずきりり
恋愛
貴方を愛していました。
森の中で倒れていた青年を献身的に看病をした。
私は貴方を愛してしまいました。
貴方は迎えに来ると言っていたのに…叶わないだろうと思いながらも期待してしまって…
貴方を諦めることは出来そうもありません。
…さようなら…
-------
※ハッピーエンドではありません
※3話完結となります
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる