迷える恋の大奔走!?~たい焼きはシッポまで甘く…

神在琉葵(かみありるき)

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「……はい。」

 「ありがとう。」

 森本君が、自販機のところまで走って、温かいココアを買って来てくれた。
 私達は、ベンチに腰掛けて、ココアを飲む。
 飲んでる間は黙っていられるから、私はいつもよりゆっくりと飲んだ。
 森本君は、まだ飲み干していない缶を横に置いて、ぽつりぽつりと話し始めた



「凛子の噂のこと…もちろん知ってるよな?」



 (『凛子』…?)



 呼び捨てにすることは珍しいことじゃないけど…
森本君が言った『凛子』という呼び方に、私の心はなぜだか揺らいだ。
 私のことは『三好』と呼ぶのに…



「……どうかした?」

 「え?あ…ごめん。
うん、噂…聞いてるよ。」

 「あんなの…全然、嘘だからな。」

 森本君は吐き捨てるようにそう言った。



 「でも…凛子と会ってるのは本当だよね?」

 言った後で、自分でも驚いた。
 私によくもそんな勇気があったものだと。



 「うん、それは確かだ。
でも、二股とかそういうんじゃない。
 凛子が好きなのは、瀬名だけだから。」

 「……そうかな?
 凛子は、森本君の話を良くするし、森本君のことしょっちゅうほめてるよ。」

 「凛子がどんなことを言ってるかわからないけど、仮にほめてくれてたとしても、そんなの恋愛感情じゃないから!」

それは、森本君らしくない、すごく感情的な声だった。
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