タイムトリップはいかがですか?

神在琉葵(かみありるき)

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タイムトリップ

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(あぁ、疲れた…)



しばらくぐうたらしていたせいか、久しぶりの仕事はけっこう堪える。
だが、それは気持ちの良い疲れでもあった。 



あいつの誕生日まではあと三ヶ月弱。 
バンドの練習以外は休まないで働けば、それなりに稼げるはずだ。 



俺は毎日真面目に働いた。 
一ヶ月が経ち…二ヶ月、三ヶ月… 
あいつが出勤した後に家を出て、あいつが帰って来る前には必ず家に戻った。
俺が働いていることをあいつは少しも気付いていない。
あいつの前では、俺は相変わらずのヒモ野郎を演じていた。 
だが、そんな茶番もあと少しだ。







俺は金を握り締め、宝石店に走った。 



プロポーズにはやっぱりダイヤだろう。
俺は、有り金をはたいて小振りなダイヤの指輪を買った。 
繊細なカットのおかげで、その指輪はキラキラと輝いていた。



これを明日の誕生日に渡すんだ! 
そうすれば、俺達は変われる! 
幸せになれるんだ!



「あ、明日は早く帰って来てくれ。」

「え?でも…私、仕事が…」

「ミーティングをしにケイジ達が来るんだ。
それなのに、何も出さないってわけにはいかないだろ。俺の顔を潰す気か?」

「……わかったわ。」



これで良い。
明日は、ケーキを買い、あいつの帰りを待とう。



俺は希望ではちきれそうな胸をどうにか抑え込み、眠りについた。 


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