7 / 27
お引き取りください
しおりを挟む
俺がティモと出会ったのは五年前。
第二王子に干ばつの起きたトロッケ島の救援指揮を押し付けられ、赴いた時だった。
干ばつの影響で作物が取れず、食糧難の状態で、俺が島に着いた時、ティモが村の子供達とともに革靴を焼いて食べようとしていた所だった。
勿論、慌てて俺は止めた。
他の子供は革靴を食べようとするのをやめたが、ティモは最後まで粘った。
革靴は食べるもんじゃない。救援物資は持ってきたからと必死に止めたが、「これは貴重さ、食料だ。」「止めんでくれ。」とあまりにも頑なに拒否したので、俺は革靴をぶんどりぶん投げ捨てた。
初めての出会いはあまりいいものじゃなかったが、そこから救援している間に仲良くなり、最後にはティモが涙ながらに俺に会いにいく事を約束してサヨナラしたのだ。そして第六王子に押し付けられる形で再会を果たした。
ついでに何でこんな話をしているかというとティモとの出会いを語りたかった訳じゃない。ティモが変な所で頑固だという事を言いたいんだ。
「嫌です。それじゃあ、島から出てきた意味さ、ないじゃないですか。」
そう全力で拒否するティモにそんな初めて出会った頃を重ねて、苦い笑みを溢れる。
洗濯物を取り上げようとするがティモは決して洗濯物から手を離さない。
「あのさぁ、ティモ。第一妃も言ってたよね。血を吐く様な努力が必要だって。」
「勿論です。血を吐く様な努力さ、します。でも死にかける様な努力なら侍従の仕事さ、兼任してできると思います。」
「それ言葉のあやじゃなくて本気だよね!? 何時も何時も言ってるけどオーバーワークって知ってる? 侍従の仕事は当分お休み。分かる? お・や・す・みッ!! 」
互いに譲らず睨み合うが全くティモが折れる気配がない。
何故、二人で言い合いをしているかというと、今日からティモの王配としての教育が始まるからだ。
あの後、流石にこれ以上巻き込むのはまずいと、ティモに「もう付き合わなくていいよ。後は俺が何とかするから。」と告げて、終わらせようとした。
しかし、まさかの巻き込んでしまった筈のティモが「最期までお付き合いさせてください。」と頭を床に擦り付けて土下座してこようとしたので、協力を続行してもらう事になった。
実際に結婚するのは俺が学園を卒業する二年後。
それまでに俺よりも王座を押し付けられそうな人材を親戚やらの中から見つけ出す。
ティモには悪いがその間、第一妃曰く、血を吐く様な努力が必要な王配教育を受けてもらうので、侍従の仕事はしなくていい事を伝えたらこのザマだ。
「で、でも、もっとお役にさ、立ちたいですし。ツェーン殿下の侍従は私一人ですし。せめて休みの時間に侍従の仕事を…。」
「充分、お釣りを返したくなるくらい役に立ってるからこれ以上頑張んなくていいって。…後、兄達が居なくなって、人材がこっちに回してもらえる様になったからティモは安心して行ってきて大丈夫だから。」
「新たな人材!? 私さ、もう用済みですかッ!! やっぱり、この間の失敗さ、所為ですか。」
「何でそうなる!? だから、休みだって言ってんでしょ。それと王子相手に侍従が一人だけってのがそもそもおかしかったのっ!! 」
「でも…、それだとツェーン殿下といる時間さ、少なくなる……。」
スンッと鼻を啜って、愚図るティモ。
自分より四つ上なのに、何時までも人懐っこさと少年の心を忘れないこの青年は割りかし涙腺が弱い。
そして滅法、俺はこの涙に弱い。
なんか子供泣かしてる気分になる…。
「……ティモ。実はティモの部屋移動になったんだ。」
「ぐすっ…。何処さ、移動ですか。まさか部屋もこれ以上、ツェーン殿下と離れるさ、言わないですよね…。」
ぐすぐすと泣く、ティモをなるだけ優しい声色でなだめながら手を差し出すと、ティモはギュッと俺の手をにぎにぎする。そうすると少し気持ちが落ち着くらしい。なんかちょっと表情が幸せそうだ。
「俺とティモは今、一応婚約者って事になってるだろ。だから俺達、隣部屋で、部屋と部屋が扉で繋がってて自由に行き来、出来るそうだよ。」
「!! じゃあ、五年前みたいに、一緒さ、寝れるですか。」
パァアッとその言葉に顔が綻び、ティモの後ろに犬の尻尾が揺れる幻覚が見えた。
思わず頭を撫でそうになるのをグッと我慢して、ニッコリと微笑みかける。
「きちんと侍従の仕事を休んでくれるって約束してくれるなら毎日お布団一緒でもいいよ。」
「ま、毎日!? 毎日、ギュッとして寝てさ、いいの!? 」
「いいよ。後、侍従の仕事を休んでいる間は主従関係は発生しないから呼び捨てで呼んでいいんだけどなー。…呼び捨てで呼び合えたらティモともっと仲良くなれるのになー。……でも、ダメだよね。だって、ティモは侍従の仕事休みたくないんだもんねー。」
「ゔっ。…侍従の仕事さ、休んだら日中一緒の時間が…。でも、休んだら毎日お布団一緒で、呼び捨てで、仲良し……。…呼び捨てで仲良し。」
分かり易くぶら下げた餌の前で食いつこうか、食いつかぬまいか、揺れるティモ。
全く、本当に世話が焼ける。
これで、阻止しなかったらティモは言葉のあやじゃなく、本気で死ぬような努力をする。
ティモは何時だって本気だ。
真っ直ぐで全力。
「呼んで欲しいなぁ、ティモに。」
そう小さな声で呟くと、ボッとティモの顔が真っ赤になった。
出会った頃から俺の事をティモは呼び捨てで呼んだ事がない。五年前は「王子さん。」と呼び、今は「ツェーン殿下」と呼ぶ。
一応、生真面目なティモはティモなりに俺の立場を考えて、一歩引いているのだ。だが、この反応を見て分かると思うが、ティモは呼び捨てで呼び合うのに憧れを持ってる節がある。
分かり易く動揺するティモの手が俺の手を先程よりもいっぱいにぎにぎする。
真っ赤な顔を逸らすとボソリッと蚊の鳴くような声で、「…ツェーン。」と俺の名を呼んだ。
……やっと、折れたよ。
安堵の笑みを溢すともう既に真っ赤なティモの顔がもっと赤みが増す。今にもオーバーヒートしそう。
「ティーモ。じゃあ、洗濯物放そうか。これは他の侍従に渡しとくから。」
「はうっ。…幸せ過ぎる。俺、もしかして明日死ぬんじゃ…。」
一人称が私から本来の俺に戻る程の喜びよう。
やっと、洗濯物を放したが放心状態だ。
どれだけ、呼び捨てに憧れてたんだ…。
顔の前で手を振るが反応がないのがとっても心配だが、俺は今日、王太子の仕事以外で予定がある。王太子の一件で休学してた学園に行かなければいけないのだから。
「ティモ。俺、今日は学園に行って、その後、政務だから夜まで会えないけど、大丈夫? 」
「…………俺は一体、前世でどんな善行さ、積んだんだろ。近くさ、居るだけで幸せだったのに…。」
「ティモ。ティーモ!! …うーん。ダメだこりゃ。後、お願い出来る? 」
「畏まりました、殿下。」
放心状態のティモを元に戻すのを早々に諦め、扉に話しかけると微笑ましそうに笑う侍従が入ってきた。
彼は新たに俺達付きの侍従として入る一人で、おそらく結構早い段階で到着していたようだが、気を遣って外で待ってくれていた様子。
「……入って来ても良かったんだよ。」
「夫婦喧嘩は犬も食わないって言いますから。」
「まだ夫婦じゃない…。」
「これは…失礼しました。あまりに微笑ましかったもので。」
とっても暖かく見守ってくる侍従に小っ恥ずかしくむず痒い感情が沸々と湧き上がる。
とにかく、さっさとここを出たくて、洗濯物とティモを押し付ける。
「ティモ様の事はお任せください。第一妃から全面的にサポートせよ、とお達しを受けていますので。」
「……さっきのやり取りを聞いて分かったと思うけど、無茶を無理矢理通す性格だから頑張り過ぎないように目を光らせておいて。」
「ふふっ…。その場合は殿下の事をチラつかせればいいのですよね。」
「……本当に遠慮せずに最初から入って来て良かったんだよ。」
「あまりに微笑ましかったもので…。」
だからって聞き耳を立てるのはやめてくれ、そう心の中で溜息をつきながら扉を開けると……。
「うわっ!? 」
新しく俺達に付く侍従達が廊下で尻餅をついて部屋に転がり込んだ。
中には額にタンコブを作ってるものもいる。
そんな侍従達を見て、もう俺は顔を覆うしかなかった。
「「「わ、私達は第三妃にお二人の仲を見守るようにと言伝を受けてきました。よろしくお願いします!! 」」」
「……お引き取り下さい。」
第二王子に干ばつの起きたトロッケ島の救援指揮を押し付けられ、赴いた時だった。
干ばつの影響で作物が取れず、食糧難の状態で、俺が島に着いた時、ティモが村の子供達とともに革靴を焼いて食べようとしていた所だった。
勿論、慌てて俺は止めた。
他の子供は革靴を食べようとするのをやめたが、ティモは最後まで粘った。
革靴は食べるもんじゃない。救援物資は持ってきたからと必死に止めたが、「これは貴重さ、食料だ。」「止めんでくれ。」とあまりにも頑なに拒否したので、俺は革靴をぶんどりぶん投げ捨てた。
初めての出会いはあまりいいものじゃなかったが、そこから救援している間に仲良くなり、最後にはティモが涙ながらに俺に会いにいく事を約束してサヨナラしたのだ。そして第六王子に押し付けられる形で再会を果たした。
ついでに何でこんな話をしているかというとティモとの出会いを語りたかった訳じゃない。ティモが変な所で頑固だという事を言いたいんだ。
「嫌です。それじゃあ、島から出てきた意味さ、ないじゃないですか。」
そう全力で拒否するティモにそんな初めて出会った頃を重ねて、苦い笑みを溢れる。
洗濯物を取り上げようとするがティモは決して洗濯物から手を離さない。
「あのさぁ、ティモ。第一妃も言ってたよね。血を吐く様な努力が必要だって。」
「勿論です。血を吐く様な努力さ、します。でも死にかける様な努力なら侍従の仕事さ、兼任してできると思います。」
「それ言葉のあやじゃなくて本気だよね!? 何時も何時も言ってるけどオーバーワークって知ってる? 侍従の仕事は当分お休み。分かる? お・や・す・みッ!! 」
互いに譲らず睨み合うが全くティモが折れる気配がない。
何故、二人で言い合いをしているかというと、今日からティモの王配としての教育が始まるからだ。
あの後、流石にこれ以上巻き込むのはまずいと、ティモに「もう付き合わなくていいよ。後は俺が何とかするから。」と告げて、終わらせようとした。
しかし、まさかの巻き込んでしまった筈のティモが「最期までお付き合いさせてください。」と頭を床に擦り付けて土下座してこようとしたので、協力を続行してもらう事になった。
実際に結婚するのは俺が学園を卒業する二年後。
それまでに俺よりも王座を押し付けられそうな人材を親戚やらの中から見つけ出す。
ティモには悪いがその間、第一妃曰く、血を吐く様な努力が必要な王配教育を受けてもらうので、侍従の仕事はしなくていい事を伝えたらこのザマだ。
「で、でも、もっとお役にさ、立ちたいですし。ツェーン殿下の侍従は私一人ですし。せめて休みの時間に侍従の仕事を…。」
「充分、お釣りを返したくなるくらい役に立ってるからこれ以上頑張んなくていいって。…後、兄達が居なくなって、人材がこっちに回してもらえる様になったからティモは安心して行ってきて大丈夫だから。」
「新たな人材!? 私さ、もう用済みですかッ!! やっぱり、この間の失敗さ、所為ですか。」
「何でそうなる!? だから、休みだって言ってんでしょ。それと王子相手に侍従が一人だけってのがそもそもおかしかったのっ!! 」
「でも…、それだとツェーン殿下といる時間さ、少なくなる……。」
スンッと鼻を啜って、愚図るティモ。
自分より四つ上なのに、何時までも人懐っこさと少年の心を忘れないこの青年は割りかし涙腺が弱い。
そして滅法、俺はこの涙に弱い。
なんか子供泣かしてる気分になる…。
「……ティモ。実はティモの部屋移動になったんだ。」
「ぐすっ…。何処さ、移動ですか。まさか部屋もこれ以上、ツェーン殿下と離れるさ、言わないですよね…。」
ぐすぐすと泣く、ティモをなるだけ優しい声色でなだめながら手を差し出すと、ティモはギュッと俺の手をにぎにぎする。そうすると少し気持ちが落ち着くらしい。なんかちょっと表情が幸せそうだ。
「俺とティモは今、一応婚約者って事になってるだろ。だから俺達、隣部屋で、部屋と部屋が扉で繋がってて自由に行き来、出来るそうだよ。」
「!! じゃあ、五年前みたいに、一緒さ、寝れるですか。」
パァアッとその言葉に顔が綻び、ティモの後ろに犬の尻尾が揺れる幻覚が見えた。
思わず頭を撫でそうになるのをグッと我慢して、ニッコリと微笑みかける。
「きちんと侍従の仕事を休んでくれるって約束してくれるなら毎日お布団一緒でもいいよ。」
「ま、毎日!? 毎日、ギュッとして寝てさ、いいの!? 」
「いいよ。後、侍従の仕事を休んでいる間は主従関係は発生しないから呼び捨てで呼んでいいんだけどなー。…呼び捨てで呼び合えたらティモともっと仲良くなれるのになー。……でも、ダメだよね。だって、ティモは侍従の仕事休みたくないんだもんねー。」
「ゔっ。…侍従の仕事さ、休んだら日中一緒の時間が…。でも、休んだら毎日お布団一緒で、呼び捨てで、仲良し……。…呼び捨てで仲良し。」
分かり易くぶら下げた餌の前で食いつこうか、食いつかぬまいか、揺れるティモ。
全く、本当に世話が焼ける。
これで、阻止しなかったらティモは言葉のあやじゃなく、本気で死ぬような努力をする。
ティモは何時だって本気だ。
真っ直ぐで全力。
「呼んで欲しいなぁ、ティモに。」
そう小さな声で呟くと、ボッとティモの顔が真っ赤になった。
出会った頃から俺の事をティモは呼び捨てで呼んだ事がない。五年前は「王子さん。」と呼び、今は「ツェーン殿下」と呼ぶ。
一応、生真面目なティモはティモなりに俺の立場を考えて、一歩引いているのだ。だが、この反応を見て分かると思うが、ティモは呼び捨てで呼び合うのに憧れを持ってる節がある。
分かり易く動揺するティモの手が俺の手を先程よりもいっぱいにぎにぎする。
真っ赤な顔を逸らすとボソリッと蚊の鳴くような声で、「…ツェーン。」と俺の名を呼んだ。
……やっと、折れたよ。
安堵の笑みを溢すともう既に真っ赤なティモの顔がもっと赤みが増す。今にもオーバーヒートしそう。
「ティーモ。じゃあ、洗濯物放そうか。これは他の侍従に渡しとくから。」
「はうっ。…幸せ過ぎる。俺、もしかして明日死ぬんじゃ…。」
一人称が私から本来の俺に戻る程の喜びよう。
やっと、洗濯物を放したが放心状態だ。
どれだけ、呼び捨てに憧れてたんだ…。
顔の前で手を振るが反応がないのがとっても心配だが、俺は今日、王太子の仕事以外で予定がある。王太子の一件で休学してた学園に行かなければいけないのだから。
「ティモ。俺、今日は学園に行って、その後、政務だから夜まで会えないけど、大丈夫? 」
「…………俺は一体、前世でどんな善行さ、積んだんだろ。近くさ、居るだけで幸せだったのに…。」
「ティモ。ティーモ!! …うーん。ダメだこりゃ。後、お願い出来る? 」
「畏まりました、殿下。」
放心状態のティモを元に戻すのを早々に諦め、扉に話しかけると微笑ましそうに笑う侍従が入ってきた。
彼は新たに俺達付きの侍従として入る一人で、おそらく結構早い段階で到着していたようだが、気を遣って外で待ってくれていた様子。
「……入って来ても良かったんだよ。」
「夫婦喧嘩は犬も食わないって言いますから。」
「まだ夫婦じゃない…。」
「これは…失礼しました。あまりに微笑ましかったもので。」
とっても暖かく見守ってくる侍従に小っ恥ずかしくむず痒い感情が沸々と湧き上がる。
とにかく、さっさとここを出たくて、洗濯物とティモを押し付ける。
「ティモ様の事はお任せください。第一妃から全面的にサポートせよ、とお達しを受けていますので。」
「……さっきのやり取りを聞いて分かったと思うけど、無茶を無理矢理通す性格だから頑張り過ぎないように目を光らせておいて。」
「ふふっ…。その場合は殿下の事をチラつかせればいいのですよね。」
「……本当に遠慮せずに最初から入って来て良かったんだよ。」
「あまりに微笑ましかったもので…。」
だからって聞き耳を立てるのはやめてくれ、そう心の中で溜息をつきながら扉を開けると……。
「うわっ!? 」
新しく俺達に付く侍従達が廊下で尻餅をついて部屋に転がり込んだ。
中には額にタンコブを作ってるものもいる。
そんな侍従達を見て、もう俺は顔を覆うしかなかった。
「「「わ、私達は第三妃にお二人の仲を見守るようにと言伝を受けてきました。よろしくお願いします!! 」」」
「……お引き取り下さい。」
86
あなたにおすすめの小説
田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。
俺の婚約者は悪役令息ですか?
SEKISUI
BL
結婚まで後1年
女性が好きで何とか婚約破棄したい子爵家のウルフロ一レン
ウルフローレンをこよなく愛する婚約者
ウルフローレンを好き好ぎて24時間一緒に居たい
そんな婚約者に振り回されるウルフローレンは突っ込みが止まらない
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
【完】三度目の死に戻りで、アーネスト・ストレリッツは生き残りを図る
112
BL
ダジュール王国の第一王子アーネストは既に二度、処刑されては、その三日前に戻るというのを繰り返している。三度目の今回こそ、処刑を免れたいと、見張りの兵士に声をかけると、その兵士も同じように三度目の人生を歩んでいた。
★本編で出てこない世界観
男同士でも結婚でき、子供を産めます。その為、血統が重視されています。
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる