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千夜一夜物語
船乗りシンドバット①
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とある所にシンドバットという船乗りがいた。
彼は7回もの航海で、奇怪で不思議な冒険を織り成した。今回はその中から『巨鳥の島』の話をしよう。
シンドバットは途方に暮れていた。
折角、上陸した無人島に置き去りにされてしまったからだ。
ともに大海原に乗り出した船員達。
彼等はとても気の良い奴らで船の上では毎夜毎夜どんちゃん騒ぎ。だからだろうか、1人無人島を散策に降りたシンドバットを忘れて置いていってしまったのは。二日酔いで頭が回っていなかったから置いていかれたのだろうか。
「行ってしまったものは仕方がない。」
もう水平線上にも見えなくなってしまった船を呼び寄せるのを諦めて、島にある山の山頂を見た。
あの山の山頂にはキャラバンの荷台並に大きな鳥がいた。その鳥の足に付けていたターバンで身体を巻き付け、無事その無人島から脱出したのだが………。
「もっと酷い事になった。」
脱出して降りた先は険しい山に囲まれた谷間。そこにはうようよと蛇が大量に生息していた。シンドバットは必死に蛇から逃げようとしたが、足を伝ってシュルシュルと蛇が登り、シンドバットの服の中に蛇が入ってくる。
「ひゃっ!? 冷たッ。」
身体を這う蛇の冷たい鱗の感触にシンドバットはビクリッと身体を震わせた。蛇の細い舌がちゅるりと脇の下やへそ等、シンドバットの敏感な部分を舐める。
身体を蛇に好き放題にされるのは屈辱だが、それでももし毒蛇だったらと考えると下手に手が出せない。しかしそんなシンドバットの想いを嘲笑うかのように蛇はシンドバットの尻の割れ目を這い、その奥に隠されたソコに頭を押し付けて。
「ぃやッ!? それだけはダメだ!! 」
シンドバットは服も下着も全て脱ぎ去り、蛇を払い除けた。幸い噛まれる事はなく、シンドバットは裸で蛇の来ない岩の上に登った。
岩の上に登ると蛇に気を取られて気付かなかったが、キラキラと太陽の光を受けて輝く石が散らばっていた。岩の近くにもあったので蛇に注意しながら取るとそれはとても透明度の高い石でダイアモンドの原石だった。
「綺麗だ。これを加工すれば品質の良い宝石になるぞ。」
しかしこのダイアモンドの原石を持ち帰るにしてもこの谷間の出口は何処か分からない。そもそもこの大量の毒を持っているのかいないのか分からない蛇の中を歩くのはもうごめんだ。
岩の上で途方に暮れていると空から大きな肉の塊が降ってきた。
何事かとその大きな肉を見ているとシンドバットをここまで運んできたあの大きな鳥が現れてその肉を掴み、また飛び去っていく。その大きな鳥が掴んだ肉にはダイアモンドの原石が刺さっていた。
そしてまた肉が空から落ちてくる。
どうやらこの谷間の上から肉を降らせている者がいて、肉を落とし、落ちているダイアモンドの原石を肉に食い込ませる。そしてそのダイアモンドの原石が食い込んだ肉をあの大きな鳥が運び上げるのを待って奪う事でダイアモンドの原石を採取しているようだ。
「ならば。」
シンドバットは落ちている肉を掻き集め、自身の身体に縛り付けてその時を待った。
彼は7回もの航海で、奇怪で不思議な冒険を織り成した。今回はその中から『巨鳥の島』の話をしよう。
シンドバットは途方に暮れていた。
折角、上陸した無人島に置き去りにされてしまったからだ。
ともに大海原に乗り出した船員達。
彼等はとても気の良い奴らで船の上では毎夜毎夜どんちゃん騒ぎ。だからだろうか、1人無人島を散策に降りたシンドバットを忘れて置いていってしまったのは。二日酔いで頭が回っていなかったから置いていかれたのだろうか。
「行ってしまったものは仕方がない。」
もう水平線上にも見えなくなってしまった船を呼び寄せるのを諦めて、島にある山の山頂を見た。
あの山の山頂にはキャラバンの荷台並に大きな鳥がいた。その鳥の足に付けていたターバンで身体を巻き付け、無事その無人島から脱出したのだが………。
「もっと酷い事になった。」
脱出して降りた先は険しい山に囲まれた谷間。そこにはうようよと蛇が大量に生息していた。シンドバットは必死に蛇から逃げようとしたが、足を伝ってシュルシュルと蛇が登り、シンドバットの服の中に蛇が入ってくる。
「ひゃっ!? 冷たッ。」
身体を這う蛇の冷たい鱗の感触にシンドバットはビクリッと身体を震わせた。蛇の細い舌がちゅるりと脇の下やへそ等、シンドバットの敏感な部分を舐める。
身体を蛇に好き放題にされるのは屈辱だが、それでももし毒蛇だったらと考えると下手に手が出せない。しかしそんなシンドバットの想いを嘲笑うかのように蛇はシンドバットの尻の割れ目を這い、その奥に隠されたソコに頭を押し付けて。
「ぃやッ!? それだけはダメだ!! 」
シンドバットは服も下着も全て脱ぎ去り、蛇を払い除けた。幸い噛まれる事はなく、シンドバットは裸で蛇の来ない岩の上に登った。
岩の上に登ると蛇に気を取られて気付かなかったが、キラキラと太陽の光を受けて輝く石が散らばっていた。岩の近くにもあったので蛇に注意しながら取るとそれはとても透明度の高い石でダイアモンドの原石だった。
「綺麗だ。これを加工すれば品質の良い宝石になるぞ。」
しかしこのダイアモンドの原石を持ち帰るにしてもこの谷間の出口は何処か分からない。そもそもこの大量の毒を持っているのかいないのか分からない蛇の中を歩くのはもうごめんだ。
岩の上で途方に暮れていると空から大きな肉の塊が降ってきた。
何事かとその大きな肉を見ているとシンドバットをここまで運んできたあの大きな鳥が現れてその肉を掴み、また飛び去っていく。その大きな鳥が掴んだ肉にはダイアモンドの原石が刺さっていた。
そしてまた肉が空から落ちてくる。
どうやらこの谷間の上から肉を降らせている者がいて、肉を落とし、落ちているダイアモンドの原石を肉に食い込ませる。そしてそのダイアモンドの原石が食い込んだ肉をあの大きな鳥が運び上げるのを待って奪う事でダイアモンドの原石を採取しているようだ。
「ならば。」
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