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第7章 魔法が使える世界で王子サマに溺愛されてます。
75 クリス隊
しおりを挟む甘いお茶を飲んで改めて落ち着いた。
俺たちの式が簡易版なのは、俺を他人にあまり見せたくないクリスの独占欲が発揮されたが故。
そんなこと聞いたら嬉しくないはずもなく。
クリスの膝の上でニマニマしながらお茶を飲んでいた。
クリスはそんな俺を見ながら苦笑する。
「メリダ、そろそろ」
「はい。そうでございますね。あまりお疲れになりませんように」
「わかってるよ」
クリスとメリダさんのやり取りに、もうそんな時間?と腕時計を見たら、一時くらい。
……なんというか、この世界の人達は時計がなくても時間がわかる特殊スキル持ちなのではなかろうか。
でも、一時じゃちょっと早いなと思ったのだけど、クリスに抱かれて連れて行かれたのは風呂場だった。
そーいや言ってたね。
風呂入って云々。
あまり疲れないように、ってのは、長湯するなよってことかな。
全身よく洗って、汚れを落として、少し温まるくらいかな……と考えていた俺は甘かった。
「どこを縛られたい?」
………ってさ。
目をギラギラさせたクリスが、洗い場で俺の足を開きながら言ってきた。
「どこ……、って……っ」
「最初はここか?」
つつ……とクリスの指が辿ったのは、勃ってしまった俺の息子の根本。
「ん、ぁ」
「ここを縛ったら前でイけなくなるな?何度でも中でイけるぞ?」
「んんうぅっ」
………言わなきゃよかった。
なんだか、クリスの変なスイッチを押してしまった気がする……。
一度だけイかされた。
クリスのバキバキになってた雄と重ねて扱かれて。
……ほんと、絶妙だと思う。
甘い余韻が少しあるけど動けないほどではなく、むしろ体から余計な力が抜けて、逆に動きやすい……感じ。
キスでクリスから魔力と癒やしをもらって、湯船に浸かってリラックスすれば、もう、なんか、「出来上がり」って感じになったんだ……。
恐るべしクリスの手腕。
下手にイくまでの時間を長引かせられたら、腰に力が入らなくなるだろうし、もっと……って強請ってしまってたと思う。
もしもっと短く済まされてたら、それはそれで不完全燃焼って感じで欲求不満になってたと思うし。
……だから、絶妙。俺のことを知り尽くしてるクリスにしかできない匙加減。
ほんと…恐ろしい。
俺の体、クリスにコントロールされちゃうってことだもんね……。
あったまって、上がって、クリスに体を拭かれて、クリスの髪を拭いて、相変わらずで慣れた恥ずかしい下着もつけさせられて、普通に服を着せられた。
一旦ソファに座らされて、俺の前にクリスが膝をつく。
何をするんだろう…って見ていたら、俺の片足をうやうやしく持ち上げたかと思うと、足の甲に口付けられた。
「ふぇ!?」
「綺麗な足だ」
うっとりと言われても困る。
何がしたいの……クリスさん!?
しかも、ぺろりと舐めたと思ったら、強く吸われて。
赤く残った跡に、満足そうな笑みを浮かべたクリス。その顔がなんとも言えず格好いいやらエロいやら。
俺の心臓が死にそうです……。
結局、両足に所有の証を付けられて、羞恥でぐったりした俺は、クリスの膝の上に座ったまま、メリダさんから手の爪の手入れを受けた。
綺麗に切りそろえられてヤスリをかけられて、色のない液体を塗られる。
……こう言うのは世界が変わっても変わらないものなんだな……とぼんやり思う。
「少しの間動かさないでくださいませ。坊っちゃん、アキラさんの手が疲れてしまいますから、下から支えてくださいな」
「わかったよ」
「爪には絶対に触れませんように」
「わかったわかった」
苦笑するクリスの手が、俺の手を支えてくれる。肩から力を抜いても、大丈夫みたいだ。
透明だと思っていたものは、乾いてくると光を少し反射してキラキラ輝くようになった。若干血色が良く見えるような気がするのは、透明ではなくてごくごく薄いピンクがかったものだったからかもしれない。
「良さそうですね。お式まで強く拭いたりしないでくださいませね?なにか口にするときには、坊っちゃんを使ってください」
「使……、うん、はい」
クリスを使え……って、面白いけどいいのかな。
「いつもどおりだ」
「あ、そか」
苦笑するクリスの言葉に、そういえばそうだなと思い直した。
俺、ずっとクリスから餌付け状態だわ。時々しか自分の手を使ってないから、特に問題ない話だった。
くすくす笑うメリダさんは、そのあたり織り込み済みなんだろうけど。
「では坊っちゃん。私は神殿の方で準備に入りますよ」
「ああ。頼むよ」
「ええ。お任せくださいな」
道具を片付けたメリダさんは、綺麗に腰を折ると部屋を出ていった。
「俺たちも行こうか」
「神殿?」
「いや。執務室だ」
「……執務室?」
なんでだろう。
この直前のタイミングで仕事がある……とか?いや、まさかね。
クリスは果物を一つ俺の口の中に入れると、すぐに縦抱きにしてきた。
マシロが俺の頭の上に移動してくる。
高いところから見下ろすのが楽しいのかな。最近の移動の時の位置、頭の上ばっかりだ。
お城の中は何だか静かだった。
なんでだろう……と周りをよく見たら、貴族らしき人たちをあまり見ない。そのせいだろう。
式に出る人たちなんだろうか。クリスがどういう基準で選んだのかわからないし。
執務室まで何も問題なく到着した。
クリスがドアを開けたけど、室内には誰もいない。
でも、窓の外に見える訓練場に、みんなが集まっているのが見えた。
クリスは執務室に用事…というより、訓練場の方に、むしろ隊員のみんなに?用事があったみたいで、躊躇うことなく奥のドアを開けた。
「殿下」
訓練場に出たクリスに気づいて、みんなが一斉にこちらを見た。
「オットー、準備は」
「何も問題ありません。このあとすぐに警備に付きます」
「ああ。任せた」
「はい」
クリスとオットーさんの業務連絡的な会話が終わると、クリスが俺をおろした。と、同時に、俺の頭からマシロをつまみ上げて手の中に抱えた。
マシロは抗議することもなく、大人しくクリスの手の中に収まってる。
ふふ。可愛い。
そんな光景に和んでいたら、ざ…っと音がして、隊員のみんながその場に膝をついていた。
「え」
「アキラ様」
普段呼ばれない『様』付け。
オットーさんを先頭に、みんな、真剣な顔で俺の方を見てる。
「あの」
「ご成人、おめでとうございます」
真剣な、でも少し微笑んだオットーさん。
「少し早いですが、殿下との御成婚、我々団員一同心より祝福申し上げます」
「あ……」
「ここにいる我々は今日この日より、殿下と変わりない忠誠を、アキラ様へ誓います」
クリスと、同じ。
「我々を手足としてお使いください。貴方が指示されたことは、必ず我々が成し遂げます。
ここにいる我々は誰一人として誓いを違えることはありません。その知識、力で、我々を導いてください。
そして団員としても、我々は貴方を頼りにしています」
それまで真剣な顔をしていたみんなの表情が緩んで、笑顔になる。
「今日この日を迎えられたこと――――本当に心からお慶び申し上げます!」
「「おめでとうございます!!」」
……どう、しよう。
「あ……ありが、とう」
クリスの手が、俺の腰を支えた。
俺は、涙が止まらなくて、嗚咽も止まらなくて、どうしたらいいかわからなくて。
クリスと同じように、ってことは、みんなが俺をクリスと同じ立場だと認めてくれたということ。
今までだって疎遠にされたり無視されたりしたことはない。でも、今はっきりと「忠誠を誓う」って言われた。忠誠なんて、軽く使える言葉じゃない。
それに、団員としても、って。
色んな意味で、俺がみんなから『仲間』として認められた瞬間。
「ど……しよ。とまんない……っ」
クリスの腕にしがみついて、袖に顔を押し付けた。
嬉しくて、涙が止まらない。
「ほら。やっぱり、泣かせちゃいましたよ!?」
「こんな改めて伝えたら、アキラさんなら泣くのわかってたでしょう、団長」
「あああ……!アキラ様への忠誠心なら、私は誰よりも負けないと……!!」
………とか。
もうもう、色んな声聞こえてくるけど。
クリスの手が俺の頭を撫でた。
マシロも俺の肩に移動してきて、顔を舐めてくる。
もう、本当に。
俺は、どうしようもなく幸せだよ。
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