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幼馴染み二人と僕の15歳の試練
46 おめでとう
しおりを挟む「どうした、フィー」
「……二人ともいなかったから」
不安で、寂しくなって、ここにいるのが嫌で。
「買い物してきただけだよ」
エルが、僕にキスしてくれる。
「明日の夜までここにいるから」
ディーも、キスをくれる。
「明日の夜…?」
「そう。フィーを神殿に送るまでここにいる」
「お風呂の大きい宿だから。でも、フィーとの時間邪魔されたくないから、食べるものとか、色々ね?」
「そ………か」
よかった。
一緒だった。
「あ、ごめんね。荷物持ってたのに…」
邪魔しちゃった…って離れたら、ディーもエルも僕をじっと見て動かない。
「……なに?」
「似合うな」
「私…鼻血でそう…」
「?」
二人は荷物を片手に持つと、それぞれ空いた手を僕に伸ばしてくれた。
僕は嬉しくてその手と繋ぐ。
手を繋いだまま、テーブルの上に荷物をおいたり、床の上に荷物をおいたり、忙しい。
「ほんとにこの部屋、広いんだよ」
ディーとエルが入ってきた扉の向こうは、また部屋で。
僕がいたのは寝室らしい。
それから、寝室に繋がるようにお風呂とかがある。簡易台所もついてて、調理もできるみたい。
「そういや、一年前も宿で過ごしたっけ」
「そういえばそうだったね。村で一番の部屋だった」
「あのときはまだ幼馴染みだったからなぁ」
「今は恋人だしねぇ。少しくらい好きにしてもいいよね」
……って、僕の上の方で二人が話してて。
大事なこと、思い出した。
「ディー、エル!」
「「ん?」」
「十九歳、おめでと!!」
背伸びして、それぞれの頬に、キスをしたら。
嬉しそうに笑ってくれた。
「「ありがとう」」
お返しのキス。
でも、すぐに離れなくて、首筋を両側から吸われる。
「んっ」
胸もひらひらの服の上からいじられて、息を詰めたら、指が離れて頬を撫でられた。
「……あのね」
「ん」
「なに?」
「……何か、贈り物したかったんだけど、思いつかなくて」
ごめんね…って言う前に、ディーにキスされた。
舌を合わせて、はふ…って離したら、すぐにエルの唇も僕に触れてきた。
「ん……ふぅ…ぁ…」
「ありがとう。贈り物、考えてくれてたんだ」
「でも、フィー。私達への贈り物はフィー自身だから、気にしなくていいよ?」
僕?
「なんで僕?」
首を傾げたら、ディーは目元を抑えて天井を向くし、エルは鼻と口元を抑えて俯いた。
んんー??
「お前…エル、これ破壊力…やばいだろ」
「……私の選択がハマりすぎて怖い……」
もう。
僕にわかるように話してよ!
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