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「必死で馬鹿みたい」
クリスティーヌは自分の隣を通り過ぎていくエディや私を見て、鼻で笑いながらそう呟いた。さすがに頭にきて、私は彼女に駆け寄り、彼女の頬をビンタするために右手を振り上げた。
「・・・・・・っ」
でも、止めた。
だって、私よりも苦しんでいたであろうエディがバイデルを殴らなかったのだ。
「ふんっ、脅しかしら? お姉様」
憎たらしい妹のクリスティーヌ。でも私は手を下げた。
「何かを手に入れたり、守ることに必死になれないアナタは決して大切なものが手に入らないわ。永遠にね」
「ふふっ。何言ってるのよ。お姉様・・・ワタシはちゃーーんと手に入れてるわよ。昔もそして今も。ワタシさっきバイデルと婚約しちゃったの、それでね、お姉様は手間取ったのかもしれないけれど、あの人、私とはすぐに婚約を結んでくれたわ。まぁ、お姉様と一緒にいた男、見た目は良かったけれど、バイデル様ほど富と名誉を持っていないでしょ? まぁ、お金と地位が手に入ったら、私のペットとして彼も手に入れちゃおうかしらね。その時は協力してくださいね、お姉様っ」
どこでこの子は性格が歪んでしまったのだろう。自分の審美眼を磨こうとせず、私が選んだものを手に入れればいいと思っており、自分の要望に素直で、さらに何かを手に入れる達成感を味わう喜びではなく、どれだけ私に嫌な想いをさせてから手に入れるか、ということでしか喜べなくなっている。
お母様がいれば、お父様、そして甘やかしすぎなければ、こうはならなかったのかもしれない。
「哀れね・・・」
私は彼女に言い残して立ち去ろうとした。
「ふふっ、ようやくわかった? 私の私の大切なお姉様っ」
私はクリスティーヌに対して言っているのに言葉が足りなかった。だから、私がいけないのだが、クリスティーヌは彼女の煽り言葉で、私が私自身を哀れだと嘆いて言った言葉だと理解したのだろう。彼女は世界の中心は自分で、自分に都合よく考えてしまうのだから。
けれど、私には呆れる気持ちは無かった。
なぜなら、クリスティーヌは再び私を煽ったのだろうけれど、クリスティーヌが私のことを「大切」だと言ってくれるのが、姉として嬉しかったのだ。
「さよなら、馬鹿妹・・・・・・」
私はローブを羽織り、フードを被って外へ出た。雨はまだ降っていて視界が悪かったけれど、バイデルとエディが走ったであろう芝生はわずかながら、足跡のような水たまりがあるように見えた。もしかしたら、違うかもしれないけれど、私はその足跡らしき水たまりを頼りに下を向いて走った。
私の顔はフードを被って下を向いていたのだけれど、冷たい雨は私の顔を濡らしたのでありがたかった。だって、私はこんな身内のこんなことで絶対に泣きたくない。だから、例え目頭が少し熱くてもそれは気のせいだし、頬を伝わる液体は涙だったら温かいはずだけど、流れているのは冷たいのだから雨に違いない。
クリスティーヌは自分の隣を通り過ぎていくエディや私を見て、鼻で笑いながらそう呟いた。さすがに頭にきて、私は彼女に駆け寄り、彼女の頬をビンタするために右手を振り上げた。
「・・・・・・っ」
でも、止めた。
だって、私よりも苦しんでいたであろうエディがバイデルを殴らなかったのだ。
「ふんっ、脅しかしら? お姉様」
憎たらしい妹のクリスティーヌ。でも私は手を下げた。
「何かを手に入れたり、守ることに必死になれないアナタは決して大切なものが手に入らないわ。永遠にね」
「ふふっ。何言ってるのよ。お姉様・・・ワタシはちゃーーんと手に入れてるわよ。昔もそして今も。ワタシさっきバイデルと婚約しちゃったの、それでね、お姉様は手間取ったのかもしれないけれど、あの人、私とはすぐに婚約を結んでくれたわ。まぁ、お姉様と一緒にいた男、見た目は良かったけれど、バイデル様ほど富と名誉を持っていないでしょ? まぁ、お金と地位が手に入ったら、私のペットとして彼も手に入れちゃおうかしらね。その時は協力してくださいね、お姉様っ」
どこでこの子は性格が歪んでしまったのだろう。自分の審美眼を磨こうとせず、私が選んだものを手に入れればいいと思っており、自分の要望に素直で、さらに何かを手に入れる達成感を味わう喜びではなく、どれだけ私に嫌な想いをさせてから手に入れるか、ということでしか喜べなくなっている。
お母様がいれば、お父様、そして甘やかしすぎなければ、こうはならなかったのかもしれない。
「哀れね・・・」
私は彼女に言い残して立ち去ろうとした。
「ふふっ、ようやくわかった? 私の私の大切なお姉様っ」
私はクリスティーヌに対して言っているのに言葉が足りなかった。だから、私がいけないのだが、クリスティーヌは彼女の煽り言葉で、私が私自身を哀れだと嘆いて言った言葉だと理解したのだろう。彼女は世界の中心は自分で、自分に都合よく考えてしまうのだから。
けれど、私には呆れる気持ちは無かった。
なぜなら、クリスティーヌは再び私を煽ったのだろうけれど、クリスティーヌが私のことを「大切」だと言ってくれるのが、姉として嬉しかったのだ。
「さよなら、馬鹿妹・・・・・・」
私はローブを羽織り、フードを被って外へ出た。雨はまだ降っていて視界が悪かったけれど、バイデルとエディが走ったであろう芝生はわずかながら、足跡のような水たまりがあるように見えた。もしかしたら、違うかもしれないけれど、私はその足跡らしき水たまりを頼りに下を向いて走った。
私の顔はフードを被って下を向いていたのだけれど、冷たい雨は私の顔を濡らしたのでありがたかった。だって、私はこんな身内のこんなことで絶対に泣きたくない。だから、例え目頭が少し熱くてもそれは気のせいだし、頬を伝わる液体は涙だったら温かいはずだけど、流れているのは冷たいのだから雨に違いない。
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