【完結】浮気症の辺境王子に婚約破棄されたけれど、一途な中央国家の王子に好かれた話

西東友一

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本編

2話 花死が違う

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「え・・・っ。どういうこと?」

 男性にぶつかってから数日後、私はフィアンセのダイダム・ボッド王子に結婚の話があると言われて部屋に呼ばれた。
 
 意気揚々と訪れた私だったけれど、ボッドが急に意味がわからないことを言ってきて困惑していた。

「だから・・・さぁーーーっ、君は僕の第三婦人になるんだ。どうだ、嬉しいだろ?」

 嬉しい?ん?というか、だからって何?

「ちょっと、ちょっと待って・・・ボッド・・・っ。あなた、私が一番好きだって言ってくれたわよね?」

「あぁ、もちろん。君が一番好きだ」

 何か問題でも?と言った顔で私を見てくるボッドは悪びれる様子なんてこれっぽっちもない。

「一番好きなのに第三婦人って・・・どういうこと?」

 ボッドは後ろで手を組み、偉そうに右手の人差し指を立てながら、部屋を歩き出しながら喋る。

「僕は確かに君が一番好きだ。けれど、君と同じくらい、第一婦人のエリザベートや、第二婦人のマリアントのことも一番好きなんだ。みんな同じくらいに好き。ならば、まぁ、順番ってのがあるだろう?それはシャーロット。君にもわかるだろ?」

 立ち止まってドヤ顔でこちらを見てくるボッド。
 振り絞って言ってくれた『君が好きだ』と同じ言葉。
 なのに、今日の言葉はふぅーっと吹けば飛んで行ってしまいそうなくらい軽い。

「意味が・・・分からないわ、ボッド。結局順位付けしているじゃないの・・・っ」

 この前の感動がどんどん色褪せていくのを感じる。

(ボッド・・・お願い。これ以上・・・)

 私が上目遣いで睨むようにしていると、

「ハァーーーーーーッ」

 ボットは、わざとらしいため息をつく。

 私の心にピキッと欠ける音がした気がした。

「僕は君のこと愛しているのに、君は僕の立場を理解してくれないんだね・・・。がっかりだよ、シャーロット」

(なにこれ・・・?私が・・・悪いの?)

「いいかい、そもそもだね・・・」

 その後、ボッドが偉そうに何かを喋っていたけれど、私は混乱とショックで何を言っているかほとんど覚えていないけれど、ボッドの一言、一言が私の心を崩壊させていった。

「まだかかってるの?ボッド」

 ボッドが一方的に話をしている中、部屋の外からエリザベートが長いキセルで煙を吐き出しながら、気だるそうに入ってきた。

「あぁ、もう少しだ」

(あぁ・・・まだ、もう少しあるんだ・・・。へぇーーーっ)

「ちゃーんと、わからせてねっ。ボッドぉ」

 ボッドにまとわりつくエリザベート。

 その豊満な身体にボッドが鼻の下を伸ばす。

「そもそもだな・・・」

(そもそもってさっきも言ったじゃん) 

 エリザベートにかっこいいところでも見せようと思ったのか、ボッドの話はさらに小一時間続いた。

 あの日、光り輝いていた私の心は・・・あっという間にボロボロになっていた。
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