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小さな頃、私の近所にはとっても綺麗な女性がいた。
身長が高くモデル体型。ウェーブのかかった髪から時折見えるイヤリングは服に合わせていてオシャレ。眉毛はキリっとまつ毛は長く、目はパッチリ。
それは、ユウセイのお母さんだった。
けれど、
「あらあら、アオイちゃんじゃない! よく来てくれたわね」
そう言って、アメリカンな感じで陽気にハグしてくるおば様。今も魔法を使っているかのように綺麗でモチモチの肌で、さらに綺麗になっていた。
(眩しすぎる)
ユウセイの家は立派な門があり、ガーデンと呼びたくなるような洋風で綺麗な庭に、西洋風なテイストの家というだけでも神々しいのに、住んでいるユウセイのお母さんはもっと輝いた存在だった。昔は楽しくて綺麗なお母さんでハグされたらとても幸せな気分になったけれど、今の私には眩しすぎる。それだけ、私は大人になってダークサイドに行ってしまったのかもしれない。
「ねぇ、入って、入って。きっと、ユウセイも喜ぶわ」
そう言って、ユウセイのお母さんに手を引かれて家に入った私は靴も揃えられず、小さな声で「お邪魔します」と言った。握られた手はみずみずしく、私の手とユウセイのお母さんどちらの手が20代と40代かクイズに出したら、大半がユウセイのお母さんの手を20代と答えるんじゃないだろうか。
「あっ、そうだ。メッセ送らないと」
そう言って立ち止まった。ユウセイのお母さんはパパパパっと素早くメッセージを打つ。
「ごめんなさいね。あの子、ノックとか声かけると怒るから・・・・・・」
(えっ? 怒るの)
いや、もしかしたら身内だから感情的になるのかもしれない。私だってちょっとしたことで母に怒ることだってある。でも、ノックや声掛けぐらいで怒るからメッセージを打つというのはいささか異常な気がする。
(大丈夫かな)
あの可愛かったユウセイだって26歳。男の子じゃなくて男性になっている。私は過去のユウセイの顔に色んな顔をモンタージュさせて想像する。
「あのう・・・・・・ユウセイくんはおひげとか生やしたりしてます?」
「ううん、生やしてないわよ。ああでも、昔よりは目つき悪くなったから可愛くないかも・・・・・・って、そうよね。心配よね、アオイちゃんに会えて興奮して勝手に引っ張ってきちゃったけど、ユウセイに会ってくれるかしら?」
「あっ、はい。そのつもりで来たので」
私は自分でもびっくりするくらいさらっと言った。それを聞いて、ユウセイのお母さんもきょとんとした顔を一瞬したけれど、穏やかに微笑んで、
「・・・・・・ありがとうね」
そう言って、さっきみたいに情熱的なハグではなく、今度は優しく私を抱きしめてくれた。
「やっぱり、降りてきて貰わないと」
そう言って、ユウセイのお母さんはまたメッセージを打ちだす。
「はぁっ!? あいつ・・・・・・」
「どうしたんですか?」
「やだって」
そう言って、ユウセイのお母さんはメッセージのやり取りを私に見せてくれた。ユウセイは「待て」「本当か」「やだ」と短文で返事をしていた。
ピコン
私が見ていたメッセージ画面にユウセイからの新着メッセージが表示された。
『出てけ』
それを見て、私はびっくりと怖気づいて心臓がキュッとなった。
身長が高くモデル体型。ウェーブのかかった髪から時折見えるイヤリングは服に合わせていてオシャレ。眉毛はキリっとまつ毛は長く、目はパッチリ。
それは、ユウセイのお母さんだった。
けれど、
「あらあら、アオイちゃんじゃない! よく来てくれたわね」
そう言って、アメリカンな感じで陽気にハグしてくるおば様。今も魔法を使っているかのように綺麗でモチモチの肌で、さらに綺麗になっていた。
(眩しすぎる)
ユウセイの家は立派な門があり、ガーデンと呼びたくなるような洋風で綺麗な庭に、西洋風なテイストの家というだけでも神々しいのに、住んでいるユウセイのお母さんはもっと輝いた存在だった。昔は楽しくて綺麗なお母さんでハグされたらとても幸せな気分になったけれど、今の私には眩しすぎる。それだけ、私は大人になってダークサイドに行ってしまったのかもしれない。
「ねぇ、入って、入って。きっと、ユウセイも喜ぶわ」
そう言って、ユウセイのお母さんに手を引かれて家に入った私は靴も揃えられず、小さな声で「お邪魔します」と言った。握られた手はみずみずしく、私の手とユウセイのお母さんどちらの手が20代と40代かクイズに出したら、大半がユウセイのお母さんの手を20代と答えるんじゃないだろうか。
「あっ、そうだ。メッセ送らないと」
そう言って立ち止まった。ユウセイのお母さんはパパパパっと素早くメッセージを打つ。
「ごめんなさいね。あの子、ノックとか声かけると怒るから・・・・・・」
(えっ? 怒るの)
いや、もしかしたら身内だから感情的になるのかもしれない。私だってちょっとしたことで母に怒ることだってある。でも、ノックや声掛けぐらいで怒るからメッセージを打つというのはいささか異常な気がする。
(大丈夫かな)
あの可愛かったユウセイだって26歳。男の子じゃなくて男性になっている。私は過去のユウセイの顔に色んな顔をモンタージュさせて想像する。
「あのう・・・・・・ユウセイくんはおひげとか生やしたりしてます?」
「ううん、生やしてないわよ。ああでも、昔よりは目つき悪くなったから可愛くないかも・・・・・・って、そうよね。心配よね、アオイちゃんに会えて興奮して勝手に引っ張ってきちゃったけど、ユウセイに会ってくれるかしら?」
「あっ、はい。そのつもりで来たので」
私は自分でもびっくりするくらいさらっと言った。それを聞いて、ユウセイのお母さんもきょとんとした顔を一瞬したけれど、穏やかに微笑んで、
「・・・・・・ありがとうね」
そう言って、さっきみたいに情熱的なハグではなく、今度は優しく私を抱きしめてくれた。
「やっぱり、降りてきて貰わないと」
そう言って、ユウセイのお母さんはまたメッセージを打ちだす。
「はぁっ!? あいつ・・・・・・」
「どうしたんですか?」
「やだって」
そう言って、ユウセイのお母さんはメッセージのやり取りを私に見せてくれた。ユウセイは「待て」「本当か」「やだ」と短文で返事をしていた。
ピコン
私が見ていたメッセージ画面にユウセイからの新着メッセージが表示された。
『出てけ』
それを見て、私はびっくりと怖気づいて心臓がキュッとなった。
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