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―――17年前。
幼少のジンは森の中の茂みをかき分け、イライラしながら地面を踏みつけるように歩いていた。
「ねぇな・・・・・・」
ジンは探し物をしていた。
とても、大切なもの。
それでいてどこにでもあるはずのもの。
なのに、無い。
「おかしいだろっ」
ジンは黒髪を掻きむしった。
「お前かっ、俺の食料を奪ったのはっ!!」
「くぅーーーん」
ジンは自分の後ろを付いてきた犬に文句を言うと、犬は切なそうな鳴き声を出して、頭を伏せた。
「そんな声を出しても許さねー。ぶっ殺して、お前を食ってやる」
ジンの身長はその犬と同じくらいだ。けれど、犬にとって二本足で立っているジンはとても大きく見えて、ジンに威圧されると委縮するしかできなかった。
一歩、一歩と距離を詰めるジンに怯えることしかできない犬。
ジンが爪を立てて、犬に襲い掛かろうとしたその時―――
「いてっ」
ジンは後頭部に何かを投げつけられて、思わず声を出す。
ジンは頭の当たった部分を抑えながら、何が当たったのか確認して見ると、それは食べかけの桃だった。
「きゃんっ」
「あっ、コラ。待てっ」
逃げる好機を見つけた犬は急いで逃げ出した。
二本足は大きく見えるが、四本足で走るイヌには足の速さで勝てなかった。
「ああっ、もうっ!!」
桃を手に取り、周りを見渡すジン。
茂みを蹴とばして、探してみるけれど誰もいない。
「はははっ、ここだよ」
その声は木の上から聞こえた。
見上げると、ジンと同い年ぐらいの少年が木の枝に座っていた。
年齢に加えて、黒髪も一緒だが他は対照的だった。ボサボサのジンの髪にとは違って、少年の黒髪は整髪されており、ジンの一重で睨む目に対しては温和な二重の目、ボロボロの布を羽織るジンに対して、少年は刺繍の凝った立派な服を着ていた。
「よっとっ」
かなり高い位置、それも動きづらそうな服だったが、少年はひょいっと一回転して地面に舞い降りた。
その身のこなしと気品のある顔立ちはまるで天から遣われてやってきた子どものようだった。
「お前かっ」
「おっとっと」
殴りかかって来たジンを間一髪で避ける少年。間一髪と言っても、少年にはどこか余裕があり、逆に透かされてしまったジンは腹が減っていたのもあり、よろけて転んでしまう。
「それ、食べなよ」
「指図すんな」
優しい言葉を掛ける少年とは対照的に敵意を込めた言葉を言いながら立ち上るジン。
「お前かっ、食べ物を採りつくした奴はっ」
「うーん、採りつくしてはいないよ。だって、動物達だって、キミだって食べているからさ・・・・・・おっと」
少年が返事をしているにも関わらず、ジンはその少年に再度殴ろうとしたが、また避けられてしまった。
「やんちゃだなぁ、キミは。待ちたまえよ。ここの食料を確かに少しは採ったけれど、ボクはキミがお腹が空かないように残していたはずだよ。それをキミは計画性もなく、どんどん食べるから動物たちも焦って採ってしまったんじゃないか? つまり、人間のキミよりも動物の方が・・・・・・」
「難しいこと、言ってはぐらかすなっ」
「おっとっと」
少年はジンの身を心配しながらも、ジンの攻撃を避ける。
その態度が、幼いジンには舐められている気がして、腹が立った。
「ねぇ、キミ」
「なんだっ!?」
少年はジンの目を真っすぐ見て、
「ボクと未来を見ようよ」
そう言って笑った。
これが、ジンとフェイロンの初めての出会いだった。
幼少のジンは森の中の茂みをかき分け、イライラしながら地面を踏みつけるように歩いていた。
「ねぇな・・・・・・」
ジンは探し物をしていた。
とても、大切なもの。
それでいてどこにでもあるはずのもの。
なのに、無い。
「おかしいだろっ」
ジンは黒髪を掻きむしった。
「お前かっ、俺の食料を奪ったのはっ!!」
「くぅーーーん」
ジンは自分の後ろを付いてきた犬に文句を言うと、犬は切なそうな鳴き声を出して、頭を伏せた。
「そんな声を出しても許さねー。ぶっ殺して、お前を食ってやる」
ジンの身長はその犬と同じくらいだ。けれど、犬にとって二本足で立っているジンはとても大きく見えて、ジンに威圧されると委縮するしかできなかった。
一歩、一歩と距離を詰めるジンに怯えることしかできない犬。
ジンが爪を立てて、犬に襲い掛かろうとしたその時―――
「いてっ」
ジンは後頭部に何かを投げつけられて、思わず声を出す。
ジンは頭の当たった部分を抑えながら、何が当たったのか確認して見ると、それは食べかけの桃だった。
「きゃんっ」
「あっ、コラ。待てっ」
逃げる好機を見つけた犬は急いで逃げ出した。
二本足は大きく見えるが、四本足で走るイヌには足の速さで勝てなかった。
「ああっ、もうっ!!」
桃を手に取り、周りを見渡すジン。
茂みを蹴とばして、探してみるけれど誰もいない。
「はははっ、ここだよ」
その声は木の上から聞こえた。
見上げると、ジンと同い年ぐらいの少年が木の枝に座っていた。
年齢に加えて、黒髪も一緒だが他は対照的だった。ボサボサのジンの髪にとは違って、少年の黒髪は整髪されており、ジンの一重で睨む目に対しては温和な二重の目、ボロボロの布を羽織るジンに対して、少年は刺繍の凝った立派な服を着ていた。
「よっとっ」
かなり高い位置、それも動きづらそうな服だったが、少年はひょいっと一回転して地面に舞い降りた。
その身のこなしと気品のある顔立ちはまるで天から遣われてやってきた子どものようだった。
「お前かっ」
「おっとっと」
殴りかかって来たジンを間一髪で避ける少年。間一髪と言っても、少年にはどこか余裕があり、逆に透かされてしまったジンは腹が減っていたのもあり、よろけて転んでしまう。
「それ、食べなよ」
「指図すんな」
優しい言葉を掛ける少年とは対照的に敵意を込めた言葉を言いながら立ち上るジン。
「お前かっ、食べ物を採りつくした奴はっ」
「うーん、採りつくしてはいないよ。だって、動物達だって、キミだって食べているからさ・・・・・・おっと」
少年が返事をしているにも関わらず、ジンはその少年に再度殴ろうとしたが、また避けられてしまった。
「やんちゃだなぁ、キミは。待ちたまえよ。ここの食料を確かに少しは採ったけれど、ボクはキミがお腹が空かないように残していたはずだよ。それをキミは計画性もなく、どんどん食べるから動物たちも焦って採ってしまったんじゃないか? つまり、人間のキミよりも動物の方が・・・・・・」
「難しいこと、言ってはぐらかすなっ」
「おっとっと」
少年はジンの身を心配しながらも、ジンの攻撃を避ける。
その態度が、幼いジンには舐められている気がして、腹が立った。
「ねぇ、キミ」
「なんだっ!?」
少年はジンの目を真っすぐ見て、
「ボクと未来を見ようよ」
そう言って笑った。
これが、ジンとフェイロンの初めての出会いだった。
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