3 / 17
3
しおりを挟む
「たく…SDGsをなめんなよ」
私はカケルに作った料理を勿体なく感じた。
だけど、もうお腹いっぱいだし、食べられたとしても今日はあいつの箸が付いたものなんて、飢え死にしても嫌だった。なので、再びラップをして置いて帰るのに決めた。
「あっ」
ラップがぐにゃっとなる。
「せいっ…あっ」
ラップが斜めに切れる。
「ああんっ、もうっ!!」
私はラップを切るのが苦手だ。
なぜかというと、このラップの刃の位置が関係している。
「こちとら、左利きでこういうのは苦手なんじゃいっ!!」
もう仕方ないので、多めに切ってしわができつつも料理のお椀やお皿にラップをしていく。そう、私は左利きなのだ。気づかれづらいがラップは右利きが切りやすいように刃の位置がついていて、私たち左利きはけっこう苦戦する。そりゃ、ちゃんと適応して上手く切れる左利きもたくさんいるけれど、私は適応できない左利きなのだ。
「でも、言わせてもらえば、そこら辺の右利きの左手よりも私の方が右手を使えるんじゃい」
お盆に料理を乗せて立ち上がるとき、誰も私を批難していないのに、怒りをエネルギーに変換しながら立ち上がる。いや…一人非難している人がいた。それは私だ。
キッチンに着いた私は一度お盆を置き、冷蔵庫に料理を入れていく。
そんなに稼ぎがあるわけでもないのに、冷蔵庫も独り暮らしでこんなに大きいのを持っている。なので、結婚して私がこのアパートに来てもほとんど不自由はないかもしれない。
料理を冷蔵庫に入れ切ると、流しを見る。
ここにもたくさんの調理器具が水に浸かっている。包丁なんかはとてもいい包丁なのだろう。
しかし…
「どれも、これも右利き用で使いづらいんだもん…仕方ないじゃない」
名刀がゆえに、右利きが使うのに適したようにできあがっている。しのぎと呼ばれる出っ張って、切れた食材が落ちやすいようにできている部分は左利きの私にはとても邪魔になっているし、ソースの掛け方が雑だと岩田のだって、オタマの形が右利き用で悪戦苦闘して掛けたのだ。学生時代美術5の私が本気を出せば、しょせん一端の料理人のカケルよりもアートなソースの掛け方だって本当はできるのだ。
もちろん。言い訳と言えば言い訳だ。
中にはそれで適応している人たちだってたくさんいる。
けれど、苦手な私に、さらにハンデを加えるっていうのはあまりに酷だと思いませんか?
「よしできた」
洗い物は左右関係ないので、一瞬で終わらせて、仕上げに台ふきでキッチンをふき上げた。
私はカケルに作った料理を勿体なく感じた。
だけど、もうお腹いっぱいだし、食べられたとしても今日はあいつの箸が付いたものなんて、飢え死にしても嫌だった。なので、再びラップをして置いて帰るのに決めた。
「あっ」
ラップがぐにゃっとなる。
「せいっ…あっ」
ラップが斜めに切れる。
「ああんっ、もうっ!!」
私はラップを切るのが苦手だ。
なぜかというと、このラップの刃の位置が関係している。
「こちとら、左利きでこういうのは苦手なんじゃいっ!!」
もう仕方ないので、多めに切ってしわができつつも料理のお椀やお皿にラップをしていく。そう、私は左利きなのだ。気づかれづらいがラップは右利きが切りやすいように刃の位置がついていて、私たち左利きはけっこう苦戦する。そりゃ、ちゃんと適応して上手く切れる左利きもたくさんいるけれど、私は適応できない左利きなのだ。
「でも、言わせてもらえば、そこら辺の右利きの左手よりも私の方が右手を使えるんじゃい」
お盆に料理を乗せて立ち上がるとき、誰も私を批難していないのに、怒りをエネルギーに変換しながら立ち上がる。いや…一人非難している人がいた。それは私だ。
キッチンに着いた私は一度お盆を置き、冷蔵庫に料理を入れていく。
そんなに稼ぎがあるわけでもないのに、冷蔵庫も独り暮らしでこんなに大きいのを持っている。なので、結婚して私がこのアパートに来てもほとんど不自由はないかもしれない。
料理を冷蔵庫に入れ切ると、流しを見る。
ここにもたくさんの調理器具が水に浸かっている。包丁なんかはとてもいい包丁なのだろう。
しかし…
「どれも、これも右利き用で使いづらいんだもん…仕方ないじゃない」
名刀がゆえに、右利きが使うのに適したようにできあがっている。しのぎと呼ばれる出っ張って、切れた食材が落ちやすいようにできている部分は左利きの私にはとても邪魔になっているし、ソースの掛け方が雑だと岩田のだって、オタマの形が右利き用で悪戦苦闘して掛けたのだ。学生時代美術5の私が本気を出せば、しょせん一端の料理人のカケルよりもアートなソースの掛け方だって本当はできるのだ。
もちろん。言い訳と言えば言い訳だ。
中にはそれで適応している人たちだってたくさんいる。
けれど、苦手な私に、さらにハンデを加えるっていうのはあまりに酷だと思いませんか?
「よしできた」
洗い物は左右関係ないので、一瞬で終わらせて、仕上げに台ふきでキッチンをふき上げた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
エモパレ ―感情が見えるぽっちゃりな私が、オジさま副局長を無自覚なまま搦め捕るまで―
久乃亜
恋愛
前世の記憶を持つぽっちゃり看板娘ハルネは、
人の「感情の色」が視える魔眼『エモパレ』と、持ち前の経営手腕で、実家の香房を切り盛りしていた。
そんなある日、とある事件から、
オジさま――第二調査局副局長、通称「鬼のヴァルグレイ」に命を救われ、
ハルネの理想のオジさま像に、一瞬で恋に落ちる。
けれど、彼がハルネに告げたのは、愛の言葉ではなく
――理不尽な『営業停止』の通告だった!?
納得いかないハルネは、自らの足と異能で犯人を追い詰めることを決意する。
冷徹で無表情な彼だが、なぜかハルネに同行し、過保護なまでに手伝ってくれて……?
「人生2週目」のポジティブぽっちゃり娘と、不器用な冷徹最強騎士が織りなす、
お仕事×捜査×じれじれの初恋溺愛ファンタジー!
※ 第1部(1~3章)完結済み。 毎日投稿中
【SS更新】付き合ってもいないのに、幼なじみの佐藤がプロポーズしてきた(本編完結済)
ぽぽよ
恋愛
「俺らさ、結婚しない?」
三十二歳、独身同士。
幼なじみの佐藤が、たこ焼きパーティの最中に突然言い出した。
付き合ってもないのに。
夢見てた甘いプロポーズじゃないけれど、佐藤となら居心地いいし、給料もあるし、嫁姑問題もないし、性格も知ってる。
断る理由が、ない。
こうして、交際0日で結婚することが決まった。
「とりあえず同棲すっか」
軽いノリで決まってゆく未来。
ゆるっとだらっと流れていく物語。
※本編は全7話。
※本編完結後、ゆるいSS投稿予定。
※サイドストーリー(切なめ)投稿予定。
※スパダリは一人もいません笑
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる