料理が下手だから婚約破棄ですか…。じゃあ、慰謝料で美味しい物でも食べに行こうと思ったら…そうなっちゃいますか(笑)

西東友一

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「ふんっだ、美味しいもん」

 私は自分の分の料理を食べる。
 ハンバーグの火入れは完璧だし、自家製ソースとの相性だって完璧だった。下手な洋食屋よりは全然美味しいし、なにより値段を考えれば超お得なのだ。

「ふんっ…」

 ただ、何回もカケルが言った嫌味が頭の中をループして、せっかくのご馳走の嫌な部分にばかり感覚を研ぎ澄ましてしまう。

(いつもなら、気にならないのに…)

 カケルもプロだ。
 指摘しているところは的外れでない。
 的外れではないけれど、私が時間などの都合上力を入れられなかったところをこちらの状況などを思いやることなく言うのが腹立たしい。

「というか、プロなら逆にわかりなさいよ、それくらいっ」

 私はご飯を口に頬張った。
 なぜだろう、食べてるものが後半にかけて徐々にしょっぱく感じる。

「ふん、あいつのせいだ」

 私は涙を拭いて、肉じゃがも出した。
 肉じゃがだって食べないと駄目にしてしまうけれど、料理の方向性が~とかどうせ言ってくるから今日は出さなかったのだ。ちくしょう。私はあいつのせいで、最低の調味料を加えた料理を一人寂しく食べるのであった。
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